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サラメシ@中国の教員食堂【書き下ろし】

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教員食堂。これからはちゃんと食べる。
(2019年8月24日 選り抜き協力隊日記)

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教員食堂の営業時間は昼11時から12時まで。メニューの選択肢はなく、1食5元(80円くらい)。携帯電話でQR決済の後、大きい食缶から各自が盛り付けて食べるシステムです。

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【学生用食堂で撮影。この機械に携帯電話の画面を読み取らせて決済します。学生はプリペイドカードで支払います。現金の使用は固く禁じられています。】


教員食堂といえども肉ばかり選り好みして盛り付ける食いしん坊教師がいるため、営業が始まったら一目散に行かないと肉にありつけません。私は肉を食べたいですし、肉を渇望しています。11:40分に終了する授業を受け持っている曜日は絶望です。儒教の教えよ、今何処……。

くたくたに疲れた教員が“肉の塊と臭み消しの生姜のかけらを間違えて齧ってしまう”というのはあるあるだそうです。私も何回齧ったことか。切ないんだこれが。期待と絶望の落差はナイアガラの滝のように。ざざーん。

野菜類は細切りや細かく刻むことが多く、肉や魚はぶつ切りが多いです。食べにくいものはスプーンで食べてもいのですが、やはり箸が上手に使えると上層部にウケが良いです。そのあたりは日本と同じですね。
スプーンを使っている日ほど、お偉方に遭遇してしまうのは何ゆえでしょう。

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【箸で食べにくい代表的なおかず】

孤食は寂しい感じがするためあまり良いことではないようで、何人かで誘い合わせて食堂に向かうのが普通です。食堂の壁面には2日に1回くらいの確率でロール状のティッシュが存在するのですが、それをちぎってきて同席している仲間内に配るのがマナー。ローカルルールかもしれません。
もしロールが切れていたら、手持ちのポケットティッシュを配ります。この地ではトイレにティッシュが設置されていないので、マストアイテムなのです。(この行為、感染症予防の面からは微妙ですね。)

食事は容器を持参すれば、持ち帰りもできます(以前は使い捨ての容器があったのですが、環境保護の視点からスピード廃止になりました。意思決定から実施がとにかくはやい)。
1人分の値段で、家族分持ち帰っている人もいました。これがのちに経営が破綻しかける原因となるのです。あまり大きな声では言えませんが、私も常識的な範囲の量で、1食を持ち帰って2食分にしていたので人のことはいえません。



中国の食べ物は油が多用されているイメージがあると思いますが、私の任地は写真のようなサラッとしたカボチャの煮物や、白菜のあっさり煮もよく食べられています。しかしながら、写真のかぼちゃの煮つけは教員仲間からはあまり人気がなく、私だけはこれ幸いとモリモリ食べていました。ピーナツカボチャのような水っぽさと繊維質の食感が特徴です。
ある時から同僚たちの「サファー先生、カボチャをもっと食べてください」が「もっと食べていいですよ」に変わったことは、今はもう少しだけ知らないふりをします(大成○設)。

Facebookの日記では「これからはしっかり食べる」と表明していますが、それこそが不調の原因だったのかもしれません。食事がどうも体に合いませんでした。日々の蓄積の影響はのちに大きく現れることになるのです。


前述のティッシュの件に付け加えて、食事の前に手を洗う習慣がさほどないため、お玉やしゃもじの柄の衛生面が気になります。また、机の上や床にしゃぶった骨などを放置するため昨今の感染症予防の面では不安が残ります。
酒宴の席でも杯を交わす機会が多く、文明の感染症の歴史が気になる今日この頃です。

こちらは今読んでいる本です。【感染症と文明】

こちらの本は内容が偏っていたらどうしようと保留中。【感染症の中国史】

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