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#6 《書評》『紙つなげ!彼らが本の紙を造っている』を読んで


大学3年生(2016.10)教採の勉強に煮詰まっていた時、石巻・女川・南三陸町に訪れた。

5年以上が経過しても尚、
中心地は拓けた土地が多く、
震災遺構を自分の目で初めて見て、込み上げるものがあった。

2016.10撮影
教職を志す者として大川小学校の遺構は
言葉にならなかった
田んぼの稲刈りを手伝った
ここで食べた秋刀魚と帆立の味が忘れられない


多くの命を奪ったとは思えない程
静かで穏やかな海が、街を見守っていた。

そんな石巻の情景を思い浮かべながら、
本を読んだ。

震災当時の様子や、工場を立て直すまでのマンパワー。

その時に訪れた地の光景と重ね合わせながら
石巻から来た紙をめくる。

新品の本の匂いに顔を埋めた経験って
みんなある?


私は職業柄、
教科書とか便覧とか練習ノートとか。
4月の真っ新な気持ちで息を吸い込んでしまう

頁をめくる時の感触や音をこんなに意識した本は初めてだった

電子やらaudibleやら(両方ともヘビーユーザー)、効率よく便利になりつつある時代だけれども、紙の本がやっぱり好きだ

お出かけ中にふらっと本屋に行く、
手に取る、迷う、買う、装丁を見る、
帯を見る、ページを巡る…

これら全部ひっくるめての読書経験だ

本好きな人は、読んで欲しい一冊。
本を読むのが、苦手な人も読んで欲しい一冊。


もっともっと本が愛おしくなるから。

読んでくれて有難う

ねぎし

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