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「デザイン解体新書」から文字を学ぶ

デザイナーの先輩から貸してもらった本で、文字について学びました。

本の概要

書籍名:デザイン解体新書
発行日:2006年3月27日 第一版
監修:工藤強勝
発行:ワークスコーポレーション

本を貸してくれた先輩は、東京で広告業やフリーランス経験のある、デザイナー歴(おそらく)20年近くの方。
その先輩曰く「この本に書いてあることができれば、デザインはできる。この本自体は買い直して3冊目。」とのこと。

この本には、本の作り方を丁寧に基本的な部分まで、事細かに説明をしてくれているような印象です。

私は、5月に読んだ前田デザイン室さんの記事「デザインが絶対うまくなる方法」にあった ”文字が9割” を意識することにしました。
記事を読んだときのSaeliebeメモ

すべてが大事なんだとは思いますが、今回は ”文字” だけに注力して、大事だと感じた要点を以下にまとめます。


1)文字の仕組み

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★スムーズに読ませるには、軽いフォントが基本


【ウェイト】

● 本文:軽(L・R)
 文字量が多いのでウェイトをおさえる。
 ウェイトある書体だと、圧迫感が強く目の移動も多くなるのでNG

●大見出し:重(H・U)
もっとも目立つ必要がある
デザイン上、あえて軽い書体を選ぶこともある

●小見出し:中(M・B)
本文の直前におかれる。本文よりもウェイトのあるものを選ぶ。
本文と異なる書体で差別化しておくことも大事。

●キャプション:軽〜中(R・M)
本文と同じように、文字量と字詰めにあわせてウェイトを選択。
文字量多い → 軽。
文字量少ない → ウェイトあっても可。


【フォントの特徴】
・リュウミン:縦横比が1対1
・リュウミンKO:より縦の流れを強調した設計
・太ゴB101:文字によって太さが異なる
・新ゴ:英数字が他の書体より大きく見える
・集英、グレコ:クラシックな書体、字面が小さいものが多い


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★ラグ組みにすると、誌面にリズムがでて単調にならない

【縦組み本文(L・R)】
行長がながくなるほど、行間にゆとりをもたせる。
ウェイトがある書体は、行長・行間ともにゆとりをもたせて圧迫感を回避できる


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★見た目で揃える
ぴたりと揃えると、○が下がって見えるので、○をほんの少し上げる。
2、0、O、C などの丸みある文字は、少し突き出すことで上が揃ってみえる。


2)文字を組む

読みやすい文章とは、
・伝えたい内容をしる
・伝える相手をしる
・その上で、「サイズ・行長・行間」を決めていく

読みやすい文字を組む
①書体とそのウェイト
②文字サイズ
③行長
④行間
それぞれを適切に設定する

※ 文字変形は5%刻みで設定するように。 (95%、90%…)


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【字詰め】
均等ツメ…文字の間を均等につめる
調整ツメ…字間をその前後の文字に合わせて変えていく

●タイトル・見出し
└ 調整つめ組み。見た目による手動での手詰め
●リード
└ 調整つめ組み。カーニングソフトや詰め組み機能で対応可
●本文
└ ベタ組み or 均等ツメ組み
●キャプション
└ 調整ツメが望ましいが、書体や行間のアキ量でベタ組みも可


【和欧混植】
和文と欧文の調和。
本文で使用。読者の視線を妨げず、スムーズに読み進められる違和感のない書体を選択する。

→ 和文書体と同じウェイト、筆法、エックスハイト(小文字Xの高さ)の大きい欧文書体を選ぶ

★「かなと文字」
一般的に漢字に対するかなの割合は55~60%が望ましい。


【書体の選び方】
表現したいもののイメージに近いものを選ぶのが基本。
文字の個性と適正を知る。


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【明朝】

●オールドスタイル(左)
- 楷書のような筆書
- 太く見える
- クラシックな印象
- 漢字とかなの濃度が平均的

●ニュースタイル(右)
- 活字、シャープなデザイン
- 可読性が高い
- 細くかすれがでやすい

●かな大(上)
- バランスがよく組みやすい

●かな小(下)
- 抑揚がつき、可読性がたかい


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【ゴシック】

●オールドスタイル(左)
- 文字の端を膨らませた逆エンタシスがある
- クラシックな印象
- 雑誌やカタログには向かない

●ニュースタイル(右)
- 線幅が等しく1対1
- 抜けがよくシャープで読みやすい
- 縦組み、横組み、どちらでも使える
- 知的ではない印象がある

●かな大(上)
- 横のラインが強調され読みやすい
- 縦組みには適さない

●かな小(下)
- 可読性が高い
- 行間が広く見える
- 調整ツメしないとバラついて見える


【見せ方で工夫も】
色あみ、スミ濃度、角丸など


本を読み終えての感想

先輩だと教えてくれた付箋箇所以外にも、基本的なことをしらなかったことに気づけた。
言葉では知っていた「字面」や「和欧混植」も、そのもの自体の意味や調整理由を知ることができた。

なんとなく感覚でやってきていた「字詰め」や「行間」も、概念をしることができたので、意図をもった調整をこれから行っていける(気がしている)

これからデザインするものの文字への意識が高まっていてほしい。
けど、ちょっと自信ない…。

●ウェイトのこと
●文字の選び方
あたりを意識して、ビシッと説明できたら最高だな。

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