小雨の中で受けた告白と願い

後輩の女の子から好意を寄せられました。なぜ私でなければならないのか判らず、反射的に「彼氏がいるので」とお断りしました。

私は彼女の性については全く気にしませんでしたが、ただその状況に困ってしまいました。挙げ句の果てに、彼女が泣き出してしまい、どうしたものかと思慮に暮れていました。

ですが、私にできることと言えば、全て無かったことにすることだと、そう一瞬で決意しました。これが彼女を傷つけないし、自分も加害者にならない方法だ、って。

小雨の中、私は「ありがとう、ごめんね。またね。」とだけ囁きその場をそそくさと去りました。きっと彼女は折り畳みの傘か、雨合羽を持っていると信じて。


でも結局のところ、私はあの時彼女になにをしてあげればよかったのでしょうか。

ずっとずっと、考えては何もできずにいます。

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