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初めての妊娠出産の話、冒険のプロローグ

今となっては
妊娠も出産も更には育児も
結局なるようにしかならないことの連続で
どれだけ完璧に準備しようが、
持てる知識や経験を総動員しようが、
思い通り行くことのほうが珍しい

だからその都度
人間としての力を信じて
果敢に挑む
楽しむ

命までは取られない
(稀に取られてしまうこともあるけど)
恐るるに足りないことと思うようにしている

24年かかってたどりついた思い
ざっくりしたものですが

そろそろ、女性ホルモンバイバイ
ありがとうね
生物としての貴重な体験ができた

葬送のフリーレン(アニメ)を見て
なぜか思い出した

冒険の始まりの章

第一章

子供が好きとか
育てたいとかでなく
(縁があれば)
家族が増えたら楽しくなりそう
単純かもしれないけど、
怖いもの見たさでチャレンジした
それでいいでしょう

妊娠、出産、育児に関して
危惧しすぎることなく
情報を気にすることなく
人間なんだし、
人類が過去から繰り返してきた営み
なんとかなるという
謎の自信


27歳で妊娠した時、
旦那の仕事で青森に住んでいた

生まれも育ちも関西
知り合いもいないが
さほど問題じゃなかった

初めて聞く青森弁はフランス語みたいな
イントネーション
ほんやくコンニャク(ドラえもんの道具)ください

ブラウン管TVはチャンネルを変えても
吉本新喜劇はおろか関西弁が聞こえてこない
上沼恵美子さんのおしゃべりクッキンング
平日15分に癒された

周囲にノリツッコミができる人がおらず
数か月で標準語もどきになった
関西弁では地元の人とのコミュニケーションが
難しいので仕方ない

まもなく
悪阻(つわり)が始まった
今まで感じたことのない吐き気とめまい
病気でないことは承知
喜びより恐ろしさを感じる日々

例えるなら
24時間船酔いみたいな
先の見えない遠洋航海の
はじまりはじまり

なぜ、誰も教えてくれない?
ドラマのシーンでは「うっ…」て一瞬なのに?

今でも、なわけあるか!と毎回なる

個人差はあると言うが
食べてもとにかく気持ちが悪い
食道も胃も通せんぼ
トイレ前が控え室
三角座りで泣くしかない

妊娠7ヶ月に入りようやく治った時には
3キロ減
コーラとハムチーズサンドイッチで
乗り切ったと言っても過言ではない

頭が動かず、気力がわかず
引きこもっていたら
アメリカの同時多発テロがliveで流れてきた
恐ろしい映像…これは現実なのか?
生きている
みんな守りたいものがある
膨らんできたお腹を見た

いわゆる楽しいマタニティライフとは無縁
病院での母親学級とやらも参加できず
妊娠出産についての一般知識と理屈だけ
ガラケーの時代
情報たかが知れてる

雑誌の可愛いマタニティウェアや
赤ちゃん用品準備リストばかりが目について
リアルな出産のイメージは沸かない
お腹の子供が動くのがわかっても
波打つお腹
実際みたらエイリアンでしょ
うわー怖ーい
なんかおる
(人前では言いませんよ)

8ヶ月目里帰り出産のために関西へ戻った
東北の冬対策が完璧すぎて
(二重窓や煙突ストーブ)
関西のスキマだらけで風邪をひく
咳のたびに
大きなお腹をかばっていたら
腰に衝撃が走って
まさかのギックリ腰…
まだ20代なんですがー
立ち上がれない
湿布も貼れない
四つん這いで腹を引きずりトイレに行く

年明け10日戎、
わずかに破水

ついにきた!?
産まれる?
そんなドラマみたいに
次のシーンには
ナチュラルメイクのママが赤子抱くなんて
妄想です

ここからが長い
陣痛を起こす、
人工的に子宮口に圧をかける
水風船を入れるんです(汗)

赤ちゃんが出てきやすいように
長い廊下を歩いたり
スクワット…
(陣痛を促進しお産を早めるんだって)
知らんしなー
いやいや地獄よ
情報聞いてても地獄でしょうが
無痛分娩もなかったし

夜通し寝れずに唸っていたら
朝、さらに今までに体験した事ない痛み
天井を見ていたら意識が飛んだ

失神×数回

過呼吸になり、
タオルで口を塞ぐ

分娩台に上がった時も
朦朧としていて
死ぬ~腰が潰れると思った

産まれた
塊が腹から出てきた
色々なものを引きちぎって?
感覚的にはそう思った
数々の裂傷が勲章

直後に赤ん坊は肺呼吸し始めて
声を出した

無事に生きてる赤ちゃん

助産師さんの声で
サンジュウ
と聞こえた

へそのをが三重に首に巻いていたらしい
「冬産まれやしマフラーかよ」
ようやくつっこめた

立ち会った旦那の顔は
喜びよりホラー映画を見た後って感じかな
仕方ない

こんなに陣痛が痛い辛い必要はある?

辛くなくても痛くなくても
大事にするのに…

正直、次の出産はないなと思った…

なのにこの後
子連れの
船酔い遠洋航海に4回も出ることになろうとは
初めての妊娠出産は序章で
パイレーツオブカリビアンのように
波乱万丈
愛と勇気と夢の戦い
冒険のはじまり
鬱の世界まで旅することになろうとは
誰も知らない

つづく…

第一章
(1人目出産 仲間が増えた)  
ひとまず完


23年前に描いたペン画
PCもなくプリントごっこで着色

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