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「不愉快さのエビデンス 01」毎日ショートエッセー:古い羅針盤135章

もう10数年前も経つかも。既に鬼籍に入っている政治家が首相として、二回目の就任を果した時だ。当時、経済新聞はコラムで、不愉快な政治の始まりと書いた。このブログでも取り上げたので、覚えておられる読者も居るかと思う。不愉快。その証拠が今や、巷に溢れ返っている。政治家の汚職だけではない。あれは更に遡るMという政治家らしいが、これも誠に不愉快な存在だ。不愉快同士が攣るんで、かの愚かな東京オリンピックを開催したからだ。今なら、大阪万博だろうか。あの誘致や関連する事業で裏金が飛び交い、潤う関係者が実に多いだろう。もっともそうした小銭の問題ではなく、一番重要な失政はアベノミクスだろう。結果的にあの政策で、日本人の給与は全く上がらず、否、もっと下がり、先進国で一番貧しい国になってしまった。何故か?それはこの円安である。世界の経済がドルで循環しているのだから、ドルベースで明らかに日本円は劣化している。前回のブログでプラザ合意時、360円の屈辱的な為替を強いられた日本国。その愚行を自ら再び、引き起こしたのが、かのバズーカ砲、超金融緩和である。超低金利政策で起き得るのは、当然、円安。どんな書籍にも書かれている中央銀行による、分かり易い金融政策である。同世代故に、早めの鬼籍突入に憐憫は感じるが、政治家ゆえの老獪さはやはり重罪並みであろう。だからこそ、当時の知識人はその反知性さを不愉快と感じたのだ。但し、更に知性豊かな者は、この円安を先読みして、ドルを購入していたかも。当時は80円だったものが、今や150円の時代。それだけで資産は倍増したはず。いやはや、怒ってばかりではいけない。愚かな政治を先読みする位の強かさが、国民にも請われている時代なのだろう。「財政爆発 アベノミクスバブルの破局 (角川新書)」:明石順平氏を読んでいる。

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