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野球の観方が変わるーー書籍の仕事まとめ#1 飯塚智広さん著『野球IQを磨け! 勝利に近づく観察眼』

「今のプレー、なんでああなったんだろう?」
「試合の流れは、どうやったら読めるんだろう?」

野球をやっていて、あるいは観ていて、そんな疑問を持ったことはありませんか? その答えを導くための本が、NHK高校野球解説者・飯塚智広さんの「野球IQを磨け! 勝利に近づく‟観察眼”」です。

飯塚さんは、2022年からNHKで高校野球の解説者を務めておられます。シドニー五輪の日本代表であり、NTT東日本の監督として2017年の都市対抗でチームを優勝に導いた方です。

本書では、飯塚さんが試合を観戦する際にどこを見て、どんなことを感じ取っているのかを詳細に解説しています。

【CONTENTS】
はじめに
第1章 「野球あるある」を知る
第2章 観察力を高める
第3章 試合から学ぶ
あとがき ~結果ではなく、プロセスに集中する~



試合の流れは、どうやったら読めるのか?


「NHK高校野球中継の飯塚さんの解説って、見えないところまで見せてくれますよね」

私が㈱ベースボール・マガジン社の編集者さんと交わした、こんな会話がこの本の企画の出発点になりました。

野球には、「流れ」があります。1試合の300球の1球1球で、それが変わっていく。いわば「勝負のシーソー」が動いている。それはなぜなのか? また、どういうポイントを見れば、それがわかるのか。

飯塚さんは、こうおっしゃっています。

<野球の試合の勝ち負けは、「当たり前のことをやった=プラスポイント」の積み上げと、「やるべきことをやらなかった=マイナスポイント」の合計がスコアになって表れる>

「当たり前のこと」が高いレベルでできるチームが、「負けにくいチーム」です。では、当たり前のこととは何か。やってはいけないことは何か。

それを理解するために、まずは、「野球あるある」を知る。「こういう場面では、こういうことが起きるよね」という‟野球あるある”を知っていれば、野球の奥深さ、面白さがわかります。

そのうえで、飯塚さんは「試合が始まる前から、終わったあとまで、どこをどう見ているのか」を伝えてくださっています。

第1章「野球あるあるを知る」、第2章「観察力を高める」を読めば、野球をするとき、あるいは観るときの視野が広がり、解像度が上がる。いろいろなことに気づいて、「流れ」が読めるようになります。


野球IQを高める「脳内ダブルヘッダー」とは?


第3章の「試合から学ぶ」では「脳内ダブルヘッダー」(試合の振り返り)で、指導者と選手の野球観をすり合わせることが推奨されています。

題材になっているのは、2023年夏の甲子園の鳥栖工業対富山商業の試合です。飯塚さんがNHKで解説をされた試合ですが、放送では次の1球までの時間の関係で触れられなかった深い洞察まで、紙上で解説されています。

これがメチャクチャ面白い! 

試合の各場面を振り返りながら、なぜこの采配だったのか。そのプレーはなぜ起きたのか。選手はどういう心理だったのかなど、「なるほど!」の連発。「こういうふうに試合を振り返れば、野球IQが高くなるよな~」と感じられると思います。


野球の観方が変わる!


この本は、野球をやっている人(指導者、選手)はもちろん、野球を観るのが好きな人にもおススメです。

私はこの本の取材が終わったとき、「この話、もっと若い頃に聞いていたら……」と思いました。

それくらい、野球の観方が変わります。

野球の奥深さを知り、「流れ」が読めるようになると、試合観戦がもっと楽しくなると思いますよ!

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