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2019年に出会えた景色1〜春の花画像編 (&一年を振り返る個人的な話)

 早いもので、今年ももうあと半月程度。一年の過ぎるのは本当にアッという間ですね。そこで、突然ですが、この2019年の間に私が撮り溜めてきた山ほどの写真(の一部)を、複数回にわけて投稿していこうと思います。

 本来、こういうブログ的な投稿はHPの方にUPして、note では文学系の投稿のみに限定するつもりだったのですが、今年の2月に購入したiPhoneのおかげで、ピンボケqueenだった腕の悪い私でも、そこそこ綺麗な写真を撮れるようになり、我ながら誰かに見てもらわないと勿体ない!と思うような画像が増えてきたので、この場を借りて披露させていただくことにしました。時期が時期なので、一年の締めくくりに、少しばかりいつもとは違う投稿をしてもいいかな………という気もしますしね。

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▲ アーモンドの花(服部緑地公園・都市緑化植物園 3月29日撮影)

 画像に合わせて、何か気の利いた美しい詩やエッセイなどを添えることができれば……とも思ったんですが、私はこの通り(?)、ただただ無難に美しい正統派な言葉ばかりを紡ごうとすると、自分のキャラに合わなさすぎて、ガクガクするほど歯が浮いてくるという屈折した物書き(笑)なので、文章の方は、これらの写真を撮り溜めるに至った経緯を、裏話として書くことにしました (^_^;)

 とは言っても、これから書くことは画像と直結していない上に(←間接的には関係のある「動機」の話ですが)、 非常〜に個人的な心情吐露なので、興味のない方は文章をスルーして画像だけをお楽しみください m(_ _)m

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▲ 椿の花(服部緑地・都市緑化植物園 3月29日撮影)

 実はこの約一年、私は本業である執筆(小説)が全く手付かずの状態になっていて、手持ちの新作の数々が、途中でピタリと止まったまま放置されていました (-_-;) そしてその間 何をしていたかというと、自宅でパソコンの前に座って過ごす時間など微塵もないほど、頻繁に外に出かけて、公園・植物園や奈良方面の田舎町などを訪れ、自然風景や季節の花々を眺め歩いていました。

 他にも、大好きな鮫たち(←そうです!実は鮫好き!(^.^))に会うため足繁く水族館に通い詰めたり(←そこでしか見られない貴重な鮫に会うため、突然飛行機に乗って仙台まで飛んでいったことも(;^_^A)、知人が主催するBBQパーティーに顔を出したり、相方にとって思い入れの深い横浜へ小旅行に行ったり、タイフェスやベルギービール・ウィークエンドやオクトーバーフェストや『いきもにあ』等、自分好みのイベントの類いに片端から参加したり………。

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▲ 服部緑地・都市緑化植物園のハクモクレン(3月29日撮影)

📷 この画像をクリック👆すると、この日のフォトアルバムが出てきます。この記事内には掲載しきれなかった他の画像を、まとめてご覧いただけます。

 こんなことを聞かされると、私という人間をよく知らない人たちには「連日遊び歩いて、いいご身分ですなぁ 😒 勤め人へのイヤミか?💢」と白けた見方をされるかもしれませんが、自分でも内心、いくら何でもウロウロし過ぎだろうヾ(ー ー;)、と疑問に思い始めていました。「最近の私は一体どうなってしまったんだろう??? いつからここまで出かけっぱなしの走りっぱなしで、止まれなくなってしまったんだろう??💦」と。

 まるで何かに憑かれたような外出三昧……。

 そもそも、書かない人生は人生じゃない!と豪語し、何も書かない期間が長く続くだけで、息ができなくなるほどのアウトプット中毒だったこの私が、こんな状態で無事でいられること自体、異状なことであり、何かがおかしい。明らかに、以前とは何かが違ってきていました。

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▲ 鶴見緑地公園の桜(4月4日撮影)

 でも本当は、心の隅っこではわかっていたんですよね。

 付き合いの長い知人友人や従姉からは、「冴紀ちゃん、最近めちゃくちゃ活動的になったね (゚Д゚;)」とか、「思い立ったら次の瞬間には目的地に向けて駿足で飛んでいってる! すごい行動力!」とか言われることが増えてきて、まるで年齢とともに体力的・精神的に若返ってエネルギッシュになり、生きる意欲や前向きな思いに満ち溢れてきたかのように思われていたようですが、実際はその真逆。人に語ればドン引きされてネガティブとしか思われないような末期的な発想が根っこにあり、意識が半分彼岸の世界に入り込んでいたから、というのが真相でした 💦

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▲ 八重咲きのクリスマス・ローズ(鶴見緑地・咲くやこの花館 4月4日)

 それは、ここ1年の間に限った話ではなく、もう少し前から始まっていたことでした。主には昨年、2018年の前半に起きた色々なことがきっかけで、私の中で、ものの見方が大きく変化(あるいは激化)したのです。16歳年上の相方の、手術と入院と想定外の後遺症。6月半ばに起きた大阪北部地震。そして私自身の身に降りかかってきた謎の健康問題 etc……。(←「etc」の部分は、曖昧な表現でさえ こういう場では触れられない特殊な事情を含んでいて、リアルでさえ打ち明けられる相手が一人 二人しかいないレベルの事柄なので、あえて書かないことを選びましたが、比重はかなり大きいです💦)

 結果的には、どれもこれも(ひとまずは)心配したほど深刻な問題にならずに済んだのですが、やっとのことで手にした眼前の日常、つまりかつての私には逆立ちしても得られなかった平穏な生活が、色んな角度から脅かされ、生々しく「終わりのとき」を意識させられるような事柄ばかりが、同じ時期に立て続けに起きたことで、ふと思ったのです。

 もし自分に明日が来ないとしたら、自分は今日何がしたいのだろう、と。

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▲ ブルーのネモフィラと黄色のチューリップ(鶴見緑地公園 4月4日撮影)

 まあ、明日というのは極端だとしても、1週間後、2週間後、あるいは2〜3ヶ月後ぐらいにそのときが来るとして、そんな短い期間にできることって、かなり限られているんですよね。少なくとも、私のようにボリュームのある長編小説ばかり書くタイプの作家にとって、作品を仕上げるのに十分な時間とは到底言えない。増して、ギリギリ原稿を仕上げることができたとしても、それをちゃんとした形にして世に発表するところまでは、さすがに間に合わない。

 そうなると、作品を書くという行為自体が、もはや意味を成さないわけです。

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▲ メコノプシス・ペトニキフォリア(鶴見緑地・咲くやこの花館 4月4日)

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 それぐらい短い時間しか自分に残されていない想定で、改めて ものを見ようとしたとき、私の脳裏に浮かんだのは、意外にも、今まさにこの瞬間、どこかに咲いている花々や生い茂る草木、綺麗な朝焼けや夕暮れなどを、ただこの目で見に行きたい ── ということでした。いや、正確には、それらの物言わぬ命(←知能や意識を持った動物とは違っても、植物だって生き物ですから)や風景に「会いに行きたい」と思ったのです。

 かつては「この人生においては、見るもの全て、やること全て、感じること全てが、いずれ必ず作品づくりの養分となり、物語や人物造形や風景描写などの種になるからこそ、価値を成す。私の好奇心や行動意欲の源は、全てそこにある」なんて思っていたこの私が、クリエイティブとは程遠い領域にある、その場その場で今という断片を噛み締めて終わるだけのささやかな実感を、人知れずそっと得ることを選んだのです。最後になるかもしれない『明日なき今』に望むこととして、アウトプットを前提としない ただの実感を。

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▲ 馬見丘陵公園の八重咲きチューリップ(4月12日 フラワーフェスにて)

 ここ数年 近親者の癌が次々発覚していた矢先に、ついに自分もその時が来たか!と思うような体調不良に見舞われ、病院で検査を受けてきた帰り道、ふと空を見上げて過ぎったのは、「ああ、ひょっとして私、もうこの空に会えないのかな・・・」という思い一つだった。

 意外にも?、自分という存在がこの世から失われること自体を惜しむような感情は、微塵も沸き起こらなかったのです 💦

 もちろん、そのあたりの反応は人それぞれに異なるでしょう。ひょっとすると私みたいなヤツはかなり例外的で、単に自分自身に可愛いと思われていないだけなのかもしれませんが (^^;)、本気で「終わりのとき」を具体的にイメージしてみたら、自分問題なんて本当にどうでもよくて、些細なこととしか思えなかった。自分一人がいなくなったからといって、世界は何ら困らないし、とりたてて悲しむべきことでもないな、と。

 今思うと、前半生での消耗が激し過ぎて(←別に苦労人という意味ではない)、私という人間自体、本当はとうの昔に彼岸の世界の住人と化していたのかもしれません。持ち前の豪胆なキャラと最近の行動のために、一見意気揚々と見えていたとしても。

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▲ 馬見丘陵公園のチューリップ畑(奈良県・4月11日撮影)

 そんな、すでに亡霊同然な自己存在の消失よりも、「あの突き抜けるような空に、この清々しい大気に、野の花や川や草木に、二度と会えなくなってしまうんだ」ということの方が、自分にとっては遥かにずっと重大な問題なんだと気づいた私は、それ以後は、ただとにかく「それらに会えるうちに会いに行かなくては!」という思い一つに突き動かされて、文字通り出かけっぱなし、走りっぱなしの毎日でした。

 物書きの言う台詞ではない!と思われるでしょうけど、狭い屋内に閉じこもって過ごす時間の、なんと勿体ないこと!!(笑) じっとしてなどいられなかったんです (^ー^;A

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▲ ヤマブキ(馬見丘陵公園 4月12日)

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 それこそ私のキャラからは想像しづらい歯の浮くような話ですが、最近では、行く先々の花々やそれを育む大地、洗われるような風景に、声をともなわない内心で、必ず「ありがとう」と礼を言うようにすらなっていました。存在してくれてありがとう、貴重な姿を見せてくれてありがとう、の意味で。

 相手が花やお気に入りの鮫たち🦈であれば、人目のないときに話しかけたりもしています(笑) 人に見られたら……確実に吹かれますね (;-ω-)ノ

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▲ チューリップ(馬見丘陵公園 4月11日撮影)

 ところで、私は実は、副業でホテルの仕事もやっているんですが(←恥ずかしながら週3日程度ですが💧)、その間あいだのオフの日、つまり本来なら本業に充てるために取っておいた日を、ことごとく外出予定で埋め尽くして、ここに載せているような風景や動植物に会いに行っていました。

 15年近く一緒に暮らしている相方は、そんな私を「こいつ、以前はあんなに出不精だったのに、最近やたら出かけまくって、突然社交的にもなってきたな (゚Д゚;)」とでも言わんばかりに、奇異な目で私を見ています💧

 確かに、以前はこんなにフットワークの軽いタイプではなかったなぁ、と自分でも驚いていますから (^_^;)   180度反転したと言っても過言でないほどの変わりようです。

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▲ 桃の花(馬見丘陵公園 4月11日)

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 そんなこんなで、ある種の奇行とも言えるほどの外出三昧でしたが、動機やきっかけが何であれ、あちこち歩き回って見てきたこの世界は、やはり美しかった。その事実だけは、否定のしようがない。

 正直、人間界についてはゲンナリすることが多すぎて、私なぞは、もはや厭世人の域、というのが実態なんですが、この世は人間だけのものではありませんからね。人の世の狭〜い枠組みから一歩外に出れば、なんと魅力的なもので溢れていることか。。。

 それに改めて周りを見渡せば、すぐ近くにありながら見落としていたスポット、これまで機会がなくて立ち寄らなかったスポットなども、結構あるものなんですよね。この世の全てを見尽くすことはできないのだから、まずはそういう手近なところから、ということで、自分の暮らす関西圏の公園植物園を中心に、四季の花々に会ってきました。(※ 中には横浜の風景もありますが👇)

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▲ 横浜・山下公園の薔薇(5月9日)

 やがてこんな形で人様に向けて披露する日が来ることなど意識せずに、ただただ目の前の景色に夢中になりながら、ついでにカメラを向けていた、という状態だったので、アングルに創意工夫が感じられるカッコいいショットや、芸術作品と言えるような大層なショットはありませんが、それだけに、対象の自然な美しさがそのまま出ているのではないかと、勝手に思っています(笑) 決して巧くはないけれど、そこに映し出された世界の断片は、それ自体で充分に美しい。そう思いませんか?

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▲ 山下公園のアヤメ(5月9日撮影)

 他にも色々見てきて、投稿したい手持ち画像は山ほどあるんですが、まずは四季折々の花の画像をご覧ください (^_-) たとえ毎年同じ場所で開花する花でも、一度散ってしまって次の年に再び開いた花と、今目の前に咲いている花とでは、別物です。だからこそ何が何でも今行かないと!という思いで会ってきた花々の、この年この時期だけの貴重な姿なのです。

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▲ 山下公園周辺のシャクナゲ(5月11日撮影)

── しかしながら、いつまでも「明日がなくて今この瞬間のみ」という発想ばかりでは、いられません。

 つい先日、私とは対照的に若い意欲に溢れ、今後の人生計画を嬉々として語る20代の知人と会話していたとき、「一年後、二年後どころか、事故や震災で明日には死んでいるかもしれないと思うと、私は、将来のために数年がかりで計画を立てて何かの準備をしていく、という気力が全く起こらない」と、刹那的すぎて生産性ゼロな最近の心情を漏らしてしまった私に、相手が「えらく悲観的ですね」と反応してきて、ハッとなりました 💦

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▲ 港の見える丘公園の薔薇(5月9日)

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 確かに、「明日が来ない前提で、今日できることは今日のうちにする」とか言えば一見ポジティブですが、見方によっては、明日が来ない可能性に囚われるあまり、無計画に自分を遊ばせているだけの宙ぶらりんな状態、とも言えるわけで 💦 実際には、「そのとき」というのがいつ来るのかなど明確にはわからず、自分の予想に反して驚くほど先である可能性もあるというのに、未来を完全に放棄して、本業すら手につかなくなっているようでは、さすがに極端すぎますよね💧

 元々色んな要因で危機意識が強く、醒めきった性格をしていたところに、最近形を表し始めた複数の問題に追い打ちをかけられたせいで、ちょっと度が過ぎていたようです (;^_^A いい加減にそろそろ正常性バイアスを働かせて、本業の執筆に戻るべきだったのです😥 創造力の枯渇によるスランプとは違い、せっかく途中まで書き上げていた手持ち作品が、一つならずあるのだから、せめてあと一作ぐらいは仕上げられる程度に、自分が生きていることを想定しなくては、ね (^▽^;)💦

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▲ 山下公園付近のシャクナゲ(5月11日撮影)

 そんなわけで、ニヒルな観点に偏りがちな自分とは対照的に、未来への展望と意欲に溢れた若手との出会いに感謝!(笑) おかげさまで、心がちょっとだけ、彼岸の世界からこちら側へと戻ってきたような気がします (^_^;) 

 それと勿論、こうしてnoteで発信すること自体も、書くことの意義やアウトプットの楽しみを思い出させてくれて、意欲回復に大いに役だっていると思います。受け取り手の存在あってこその発信。フォロワーの皆さんも それ以外の方々も、私の投稿をご覧くださっている皆々様に、心より感謝いたします(^人^)

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▲ 山下公園から望むマリンタワー

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