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振り返り・言語化のすゝめ

こんにちは、俵谷です。Zealsというスタートアップで日々励む女性リーダーです。
引き続き、後輩たちに伝えたいことを主軸に、普段考えている内容を色々まとめようと思って書き出しています。前回のnoteは下記。

さて。今回は、自分でかんたんに作れる、成長を促進させる仕組みについて、書いていきたいと思います。テーマは、「振り返り」と「言語化」です。今回は長くなっちゃいました。てへぺろ。

1. 振り返りのすゝめ

振り返りをしましょうというのはよく聞く話ですが、よく聞くのは重要なものだからです。
成長に関する有名な理論で、コルブの経験学習モデルというものがあります。ググったら色々と解説しているサイトなどが出てくるので、詳しくは是非勉強してみてください。

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スタートアップやベンチャー企業にいると、色々な挑戦ができ、秒で時間が過ぎていきます。(弊社はよく「時空が歪んでいる」と言われます。)そうして陥りがちなのが、「具体的な経験」のみで残りの3つをやらないあるいは、やったとしても浅い・少ない量で終わってしまうことです。平たく言うと「経験から十分に学べていない」状態で過ごしてしまうことが多いです。これは非常にもったいないです。なぜかというと、「経験」というのはその一つ一つが非常に貴重な機会だからです。

なぜそれを強調するか説明したいと思うのですが、まず前提として先日のnoteでまとめたようにスピードは一番大事なもので、なるべく早く次のステップにいけるよう努力をした方が良いです。(下記の第一項)

多くの場合、まず自分のできる幅を増やすために何度か同じような機会を経験すると思うのですが、当たり前ですが1回目よりも2回目、2回目よりも3回目に、それぞれできるだけ良い結果を残せるようにした方が良いです。そう考えると、一つ一つの経験が非常に貴重な機会になります。
また、別の観点で言うと、将来自分の裁量が大きくなっていった時に、同じような機会を何度も経験するということ自体、そもそもしにくくなります。するとますます貴重になります。だから、今のうちに一つ一つの経験を貴重な機会と捉えて臨む癖をつけた方が良いです。

そしてその一つ一つの貴重な機会において着実に成果を伸ばしていくために大事なのが、コルブの経験学習モデルでいうところの「内省的な観察」「抽象的な概念化」「積極的な実験」をどれだけ深く・多くできているかです。人間、経験するだけではそう簡単にうまくできるようにはならないものですし、もしうまくできているんだとしたら、上記の3つをやった方がもっともっとうまくできます。

例えば自分が営業だった場合、一般的に、ご発注いただきたい企業様がいて、その担当者の方に商談のアポイントメントを取って、商談でヒアリングや自社サービスの魅力を伝えつつ提案をし、その後も定期的にケアをしてご発注いただくように努めます。多分この中で最初一番難しいと感じるのは商談です。なぜなら自分で・その場で、レスポンスしないといけないからです。(私は新卒のキャリアを営業でスタートさせたのですが、電話でもものすごく難しかったです。)
この難しい商談というものを一人前にできるよう習得する場合に、一回一回に対して

A. 
「緊張した〜うまくできなかったな〜」
B. 
「今回は冒頭のアイスブレイクがうまくできなかった。具体的には、自分が話した内容に対して相手があまり反応を示してこず、本題に入る時にお互いに緊張した雰囲気のままになってしまっていた。なぜそうなったかというと、話題的にその人にとって引き付けられないものだったからで、それは恐らく当事者意識が沸かないものだったからじゃないか。もしそうだとしたら、次は相手の企業のプレスリリースを調べて、その内容を見た感想を伝えてみることにしよう。他には、多分話すスピードが速かった。...」

という2つがあったら、多分Bの方が次の商談で改善のアクションを取れるし、その分前進するスピードも速いと思います。ちなみにここで大事なのは、何度も言うようですが「スピード」です。もし現時点でAの方が成績が良くてBの方が悪かったとしても、スピードが速ければ追い越す可能性は多分にあります。スピードを加速させるために、振り返りは行なった方が良いということです。

あと地味にポイントなのは「どこまでを機会として捉えられるか」です。「チャンスがない〜」「挑戦機会がない〜」と嘆く人がよくいますが、そういう人は周りにそれを伝える前にまず自分が目の前のことをどう捉えているかを見直した方が良いんじゃないかと思うことが多いです。これは考えたらわかると思うので割愛しますが、常に意識しておくと良いと思います。

2. 言語化のすゝめ

社会人になってから、よく「言語化」という言葉を耳にし、自分でも使うようになりました。実際のところ、仕事をする上で言語化はめちゃめちゃ大事です。(私は人生の大半をノリと感覚で生きてきたため、言語化という作業が最も苦手な人間で苦労しました。一応北海道大学には現役で受かったんですけど、多分地元に語彙を置いてきました。)

なぜ大事かというと、まずは人を巻き込む時に必須です。
人を巻き込むというのは、リーダーとしてメンバーを率いて事を成し遂げることをイメージするかもしれませんが、それだけではなく、そもそも仕事は他人と協働してやるものなので、その関わり合い全般において必要です。例えば、社内の先輩に協力を仰ぎたい時、他部署の人に聞きたいことがある時、クライアントに資料を展開してもらいたい時などなど、自分が遂げたい目的に到達するまでに他者から働きかけをしてもらうことが必要な局面では全て、言語化力が必須です。

なぜかというと、まず自分の伝えたいことはなかなか伝わりません。一人一人してきた人生経験や持っている価値観が違うので、阿吽の呼吸とか共感覚とか、ノリはマジで通用しません。当たり前のことではあるんですが、それにしてもこれを侮る勿れで、本当に本当に、自分の真意を伝えることって難しいです。「え、そんな解釈する!?」ということが日常茶飯事です。そして、普段の生活や友達との関係性の中ではそれで大丈夫でも、仕事では違います。みんな真剣だし、ちゃんと正しい方向に推進させないといけません。次に、伝えるだけでなく"巻き込む"必要があって、これは相手のモチベーションを形成して確実に実行させないといけないということで、また別の技術もいるんですがその技術以前に言語化できないとどうにもなりません。

なので、普段からできるだけ多くの自分の思考を、言葉にしてみることをおすすめします。自分の考えはこの順序立てで問題ないか、抜け漏れはないか、この言葉が適切なのか、他に表現方法や言い回しはないのか、などなど、しっかり向き合いながら色々な物事や心情を言葉にしてみる習慣を持つと良いと思います。幸いにも普段からたくさんやっていれば言語化する能力は上がるので、習慣にすると強いです。

以前書いた、思考力を上げるトレーニングと一緒に言語化もぜひやってみてください。自分の頭の中のイメージを確実に言葉にするのって、めちゃめちゃ難しいものです。ちなみに言葉にするときに大事なのが他人にも伝わる表現にこだわることです。上述したように、最終的には人を巻き込めるようにしたいので、多くの人に伝わるようにすることが大事だし、後から自分が見たときですら、意味がわからないときがあります。(多分、そのはず。私だけではないはず…)

3. 振り返りの言語化のすゝめ

今回、なぜ振り返りと言語化をセットで伝えたかというと、振り返りを言語化するという施策をおすすめしたいからです。

振り返りはすごくすごく重要なのですが、悲しいことに人間びっくりするぐらいすぐ忘れるので、せっかく振り返った内容も忘れてしまいます。それだとものすごくもったいないので、可能な範囲で良いので自分の経験を振り返ってそれを言葉にして残しておくことがおすすめです。

また、頭の中でやんわり考えているだけだと意外と重要な観点が抜け落ちていたり、可視化されて整理されていないと深堀りしにくかったり、そういうこともあったりするので、しっかり質高く量多く振り返るために非常に有効な手段が言語化だと思っています。

仕事に慣れないうちは一日、慣れてきたら一週間にして、あとは毎月一ヶ月間を振り返ってみることもおすすめです。

振り返りを言葉に残すと、それは自分の貴重な財産になり、また自分を励ましてくれる大切なアイテムにもなります。

これから、恐らく自分自身の実力に関して、「全然まだまだだ」と感じて絶望したり思い悩んだりする時がやってくると思います。SL理論というリーダーシップ論の中で、部下の成長フェーズが前提として描かれているんですが、そこでは人は誰しも、最初のうちはワクワクで、でもその次には苦しむタイミングがあるとしています。しかもその成長というのは領域ごとに存在しているので、新しい領域に挑戦する度に苦しむタイミングがくるということです。つまり、色々なことに挑戦し続ける前提に立つと、自分をトータルで見ると常に苦しいということです。(詳細は記事とかで読んでみてください。個人的にはこの際だから一分間リーダーシップという本をおすすめしておきます。リーダーになった時にも役立ちます。)

なので、苦しいことはしょうがないんですけど、でも苦しいものは苦しいです。そういう時に、言葉にしてあった自分の振り返りが、自分を励ましてくれます

どういうことかというと、時間が経った後にそれを見返すと「わぁ、前はこんなことで悩んでいたのか。その時に比べたら今ってたくさんのことができるようになっているな。」と思えて、まだまだ全然ダメだと思っている自分も、少なからず成長していることを実感することができます。なんか子供騙しみたいですが、でも実際ものすごく尊く、本当に励みになります。これは私の経験から伝えていることです。

私は自分が新卒の時に誰よりも未熟でできない人材だと思っていたので、とにかく成長のスピードだけは誰にも負けないようにしようということで「振り返りシート」というものを作りました。こんな感じ。

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当時の師匠で尊敬する先輩がやっていた施策だったので真似したのと、振り返りは重要だろうなとなんとなく感じていたのでやってみることにしました。先輩は3ヶ月くらいでやめちゃったみたいなのですが、私が先輩と同じ期間やっているだけでは全然だめなので、3ヶ月経ってもやめることなく部署に在籍していた半年間毎日欠かさずに書いていました。その先輩に自分の振り返りシートを共有して、たまにコメントをもらっていました。
それで、私は本当にできないことばかりで毎日悔しいことがたくさんで、「なんでこんなにできないんだろう。ちゃんと前進できているんだろうか。」と例に漏れず不安に思っていました。その時に、それまでつけてきた振り返りシートを見たら、自分が向き合っている課題のレベルや考察のレベルが昔と比べて格段に上がっていることに気づいて、「ああ、ちゃんと前進はできているんだ。明日からもまた一歩ずつ頑張ろう。」と、そう思えて、自分の背中を押すことができました。あと、先輩からの尊いコメントを改めて見ることでも、励まされました。先輩のコメントは時を超えても励ましてくれます(笑)

自分と一番向き合うのはやっぱり自分で、周りのサポートがいくらあってもやっぱり不安に感じることってあるものだと思います。
なので、自分のことを自分で励ませるようにということで、私の話ばかりして恐縮ですが紹介させてもらいました。

Zealsのみんなは、私でよかったらコメントするから、よかったら振り返りシートやってみてね。


今回は以上です。長くなり恐縮ですが、最後までお読みいただきありがとうございました。来週も頑張りましょう!





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