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私のお世話は”罰ゲーム”

お父さんは私ちゃん係

幼い頃、母はよく父を”私ちゃん係”に任命した
ご飯を食べさせたり、出かけた先でうろちょろ歩く私とペアになって歩くのが私ちゃん係だ

私からすれば、平日世話をしてくれる母が手を出してくれない
母は私が助けを求めると「私ちゃん係はお父さんでしょ」と言う
父は横で母に世話をされているようないい子の兄を横目に
私が思った通りに世話されないことに苛つき、怒鳴ったり無視をする

わかっていた
私が泣けば待ってましたとばかりに文句を父へ言う母
そしてそれに対してさらに苛立つ父

わかっていた
私を使って母が復讐していたことを

わかっていた
世話をしてくれるのは母だけだと骨の髄まで私にわからせようとしていたことを

公園での家族

ある日家族で大きな公園に出掛けた
その日も父は私ちゃん係に任命された

近くにいた家族が大きな杭に子供を乗せた
私はそれを羨ましがった
父は私を抱っこして杭に乗せた

ほんの遊び心だったはずだ
父は私から離れる振りをした

母はいない
兄もいない
父しかいない中、自分で降りられるような高さではない杭の上で
私はパニックだった
一人ぼっちになっちゃう
父からすればほんの数メートル
遊びのつもり
目の端に入れながらの冗談

だが幼い私にはわからなかった
とてつもない不安にかられ、なんとかその杭から飛び降り膝を血だらけにして
大泣きしながら父を追いかけた

母が怒り狂い、大喧嘩に発展した
いつも我が家は出かけても喧嘩だった

あなたが産んだ子供

旦那が子育てに参加しないと言って怒る奥さんをよく見る
怒りたいだろう
面倒を見ることがどれほど大変か身をもってわからせてやりたいだろう

でも少しだけ思いとどまって欲しい
自分の世話を押し付け合っている両親を見てどんな気持ちになるか

自分の世話をしていた親が
自分が怪我でもしたら
怪我したことを慰めてほしいのに
自分をそっちのけで両親が喧嘩するということが
子供にどんなダメージを与えるのか
どんなことを感じさせるか


私のお世話は押し付け合いだった
私のお世話は父に用意された復讐であり、罰ゲームだった
私の存在は罰ゲームの道具でしかなかった

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