#33「独立」

復職2週目


1週間を振り返って、可能な限り毎週日記みたいな感覚でnoteを更新してみようと思います。

このところ毎回noteに書いていますが、
メンタルダウンによる1ヶ月の休職期間を経て、
仕事に復帰して2週間が経ちました。

前回は1週間を振り返って、どんな日々だったかを1日ずつ書いてみましたが、今週は2週間仕事をしてみて気づいたことをまとめてみようと思います。



ブラック企業の採用に携わることに


人事部に預かられている身ということもあって、これからまさに行われようとしている「新卒採用」に関する話が、嫌でも耳に入ってきます。

インターンシップを行う予定は決まっているものの、各部署との調整がつかず中身がまともに決まっていないこと、
かたや23卒で来春入社してくる内定者たちのイベントも、各所との調整に難航しているなどの声が聞こえてきて、「この会社大丈夫かよ」と思うとともに、こうしたバタバタの中で自分も入社させてもらえたことに感謝と、そして1年も経たずしてこのようなことになってしまったことに申し訳なさを感じていました。

そんな弊社が採用を強化するために、新しくインスタグラムのアカウントを立ち上げることになりまして、そのプロジェクトになぜか私も参加することになりました。

つい1ヶ月ほど前まで、「こんな会社辞めてやろう」「残業時間250時間の証拠を労基に密告してやろう」と思っていた人間が、
その会社の採用SNSの中の人になって、いかに素晴らしい会社かをアピールしていくことになったのです。

なんと皮肉な話でしょうか。


そして、さらに不思議な話があります。

この会社に入社して3ヶ月の研修期間があったのですが、その最後にちょっとしたイベントを行いました。
会社の役員を相手に、新入社員が各班で制作したオリジナル動画を披露するというもので、私はなぜかそのイベントの総合演出的な立ち位置になっていました。

この時は、3つのチームが1週間ずつ交代で準備を進めていったのですが、私のチームは3番目の1番最後を担当し、イベント当日までの最後の仕上げを担当しました。
”仕上げ”というと聞こえが良いですが、前2チームが進めきれていないことを全て”処理させられた”と言った方が正しいかもしれません。

1番最初に準備を進めたチームがまたクセのあるチームだったのですが、その中でも特に気が強く、自分が思う通りにいかないと気が済まないようないタイプの、Aさん(仮名)という女性がいました。

最後を担当した我々のチームは、時間が限られている中でイベントを形にしないといけなかったため、前2チームが詰め切れていなかった部分を、割と勝手に解釈して自分たちで変えていってしまいました。

その時に激怒したのがAさんでした。

自分がAさんの立場だったら、確かにいろいろと納得がいかないこともあると思いますが、Aさんたちもしっかりと進められていなかったところは事実なので、そこをカバーした私たちのグループには抵抗できるわけもなく、その怒りの矛先は、まともにその中間を取り持つことができなかった2番目のチームへと向いてしまいました。

そのいざこざの当事者だったにも関わらず、この流れがいまだに理解できません。



少し前置きが長くなりましたが、
なんと今回新しくインスタグラムのアカウントを立ち上げるプロジェクトにも、そのAさんがいるのです。

実はAさんは、学生時代にインターンでSNS運用の代行サービスをしていた経験があり、何万人だかのフォロワーがいるアカウントを運営していました。

研修期間中も「私は学生時代にSNS運用をしていた経験があり…」みたいなことをことあるごとに口にしていたため、「SNS」というワードを聞くと、同期と笑ってしまっていました。

Aさんのその経験が買われて、プロジェクトのメンバーに抜擢されたのです。
口にすることの大切さを目の当たりにしました。この辺りは素直に尊敬します。

それでAさんたちが始めたプロジェクトに、休職から復帰してブラブラしている私が合流することになったのです。


あれ、この流れどこかで見たことあるな。


気づいてしまいました。
5ヶ月前と全く同じ流れなのです。

これはまた何か起きるなと感じてしまった私は、できる限り自分を殺して、プロジェクトに関わっていくことを決意しました。




違和感


自分を殺してプロジェクトの会議に参加してみて、
早速“違和感”を感じてしまいました。

今の自分が堂々と言えることではないですが、
物事が進んでいくテンポというか、スピード感がないのです。

元々いた現場は、毎週「世の中に対して発信する」(←あえて表現をボカしています…)ことがゴールとして待っていて、何が起きようとそこは待ってくれないので、人が倒れようとも(先輩)、誰かが急に逃げ出そうとも(自分)、そのゴールに対して他の誰かがカバーして残っているタスクと片付けていました。

しかし、今回のプロジェクトにはそこまでの必死さがありません。
自分以外のメンバーはそれぞれに別の仕事があって、“兼務”という形でこのプロジェクトに参加しているので、自分のような何もなくてありがたく“仕事”をいただけているような人間とは忙しさが異なるので、仕方がないことはわかっています。

ただ、本気を出せば2日もかからないことに、1週間の時間を費やして各自で調整してこようとしている。

ゴールがないことに取り組んでいるので仕方がないのかもしれませんが、3ヶ月しかいなかったとはいえ、今まで自分がいた環境との空気感の違いに“違和感”を感じてしまいました。



持て余す


早速、インスタグラムの投稿画面の試作デザインを作ることになりました。

ただでさえ進まないプロジェクトなのに、このデザインをどうするのか、誰が作るのか、外部に委託するのか、どうでも良い議論が繰り広げられる中で、私は「とりあえず作ってみればいいじゃん」と思っていました。

そんな経緯があって、ようやく作ることになったのですが、会議終わりで作った私のデザイン案でなんとOKが出ました。

プロジェクトメンバーで分担しても同じデザインで運用できることが条件だったので、Googleスライドを使っての限られた中でのデザインしか作れなかったのですが、あれだけ会議でいろいろと話していた割にはあっさりとOKが出て驚いてしまいました。

昔から美術の評定だけ「5」が取れずに苦戦したように、デザイン系のセンスには全くもって自信はありませんが、その後もPhotoshop(デザインのソフト)を使って何パターンか作ってみました。


これはまた別の話ですが、別日に社内に張り出すポスターの制作を依頼され、とにかく急ぎの案件ということもあり、1時間ほどで仕上げたのですが、意外にもそれっぽいものが完成して、無事に上司からもOKが出ました。

インスタの件も、このポスターの件もですが、
この業界は特に、デザイン的な領域は然るべき方たちに発注して成立させることが昔からの慣例なので、大人たちは1年目のやつがそれほど詳しくもないのにPhotoshopを使って作るという頭がなかったのでしょう。

自分を過大評価するわけではありませんが、Photoshopを使えることがこんなにもすごいことだとは思ってもいませんでした。



市場価値


休職することになって、やはり真っ先に考えたのは「転職」です。

YouTubeの広告、電車内の映像広告、ウェブサイトのバナー広告、
この国はこれでもかというほど、転職に関する情報であふれています。

「転職なんて…」と学生時代から少し軽蔑してそれらの広告を眺めていましたが、まさか自分も真剣にそれについて考えることになるとは思ってもいませんでした。

その広告でよく目にするのが「市場価値」という言葉、
スキルや能力を含めて自分自身には一体どれくらいの価値があるのか、、
正直あまり好きな言葉ではありません。


今回インスタグラムのアカウントを立ち上げることになって、
社内で某情報番組のSNS立ち上げを企画提案して、見事現在結果を出している先輩に話を聞くことになりました。

その先輩がその企画でどれくらい“お金”を生み出してきたのか、
自分がやる仕事には“価値”があるということ、
とてもタメになる話を聞くことができました。

今まで自分の労働時間を隠して250時間も残業させられてきた身なので、自分が働く1分1秒にどれくらいの価値があるのかなんて考えたこともありませんでした。

同じ会社にいながら、少し働く環境が違うだけでこれほどにも考え方が異なる方がいて、大切なことに気付かされました。


学生時代から今の仕事がしたかったこともあり、動画編集の仕方や動画配信の方法や機材など、独学で学んできました。

会社の同期の中では、その辺りの知識やスキルについて自信がありますが、配属された現場は全くそれが活かされない環境で、正直そこへの不満もありました。

今回SNS立ち上げのプロジェクトに携わることになり、学生時代にやってきたことが少しだけ活かされることを実感しました。



独立


私がいる業界は、「フリー」の人がかなり多いです。

自分がいるような割と大きめの会社に所属している人か、「フリー」の人か、その2極と言っても過言ではないです。

もともと就職段階から、今の会社くらいのレベルのところから内定がもらえなかったらこの業界は諦めようと思っていたくらいなので、自分がフリーでこの業界にしがみつくという選択は以前からありませんでした。

しかし、先ほどの先輩がもともとフリーでやられていて自分でやりたいことを提案して仕事をとってきたことや、自分の価値や労働を“お金”で考えなければならないということに気づいてからは、いずれは独立するという選択肢も必要なのかなと思いました。

集団で何かをすることにそれほど苦手意識はありませんでしたが、たぶん会社員として働くことには向いていないような気がします。
ただし、超保守的な性格としては独立することはないのですが、、


元々やりたかったことに限界を感じ、今の会社にいる必要もなくなってしまったのですが、とはいえまだ社会人1年目の身なので、もう少しだけ今の会社にしがみついて、自分が今後どうしていきたいかを模索してみようと思います。



メンタルケアは大切


これまた自分を棚に上げるわけではありませんが、才能とメンタルは紙一重だと思っています。

前回のnoteに書いた、唯一会社で信頼できる存在である同期も、これまでの人生でメンタル面で紆余曲折あったようです。

先日早稲田祭のイベントで直接お話を聞いて以降、大島さん(https://note.com/zyasuoki/)が発信することに釘付け中ですが、特にメンタルヘルスに関するご意見には激しく同意します。

メンタルヘルスを軽視して、自分自身の感情にも蓋をした異常な人間だけが残っていく私の業界は、やはりおかしいです。

そんな感覚の人間たちにまともなものは作れないと思っています。
だから“オワコン”と言われているのかもしれません。


結局いつも通り不平不満で締めることになりましたが、こうして何かしら発信していかないと精神的に保てない自分は、今までの働き方は向いていなかったのだと確信しました。

自分が考えたことが何かしらの形で定期的に世に放たれることで、自分自身を保つことができる方法を模索していこうと思います。


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2022.11.21 作成

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