「従業員300人以下の会社の障害者雇用/木下文彦著」を読んだ話
北海道在住の鶴木貞男@コンサポ登山社労士です。
北海道小樽市にある「つるき社会保険労務士事務所」で特定社会保険労務士として社労士業務を行っております。
先日、読んだ本について、アウトプットしたいと思います。
その本というのは、障害者雇用コンサルタントであるラグランジュサポート株式会社代表取締役の木下文彦氏が書いた「障害者雇用コンサルタントが教える従業員300人以下の会社の障害者雇用」です。
著者の木下文彦氏は、現在、障害者雇用コンサルタントかつ社会保険労務士として活動されています。
前職の会社で、人事部の障害者雇用部門の責任者として、障害を持つ社員の雇用管理全般を統括するという業務を行っており、その経験を生かした現場のリアルな、雇用される障害者だったりその周りの社員の方々の声なども踏まえた、非常に実践的な内容になっています。
私の感想
この本では、冒頭の「はじめに」で、著者のこの本を書いた想いや経緯などが書かれているのですが、そこに障害者の雇用管理をカレーライスに例えて説明してくれている部分が秀逸です。
これだけだとどういうことかわからないと思いますので、ぜひお買い求めのうえ、確認してください(5ページ目ぐらいに図入りで説明が載っています。立ち読みはダメですよ!)。
また、私は、前職の公的機関で勤務していた際に、本部の人事課にいたので、法定雇用率の話は身近に感じていて、障害者の採用面接などの手伝いをしていたこともあり、直接の担当ではありませんでしたが、周辺の仕事には多少の関わりがありました。
私も家族に障害者がいるので、多少の知識はあるつもりではいましたが、この本を読んで基本的だけど人に説明できるほどは分かっていなかったんだな、ということが確認できました。
この本の第1章では、障害と障害者雇用に関する基本知識について、40ページほどにわたって、とっても分かりやすく説明してくれます。
改めてものすごく勉強になりましたし、この部分だけでもこの本を読む価値があると思いました。
そして、第2章では、障害者雇用の前提としての採用業務前の準備について書かれています。
ここで著者が最も重要視しているのが、雇用方針の決定です。
特に、社長が自分自身の言葉で障害者雇用を始めること、会社のビジョンや理念と障害者雇用がどう関連するのかと雇用方針について、社員にしっかり理解してもらうべきである旨を強調されています。
雇用方針がしっかりしていないと、その後の実際の採用活動、それから採用した後もうまくいかないよ!ということを著者は強調しています。
第3章と第4章は、実際に障害者を雇用するための手順に沿った注意点や、気をつけるべきところなどについて書かれていますので、この辺は、実際に企業で障害者雇用の採用業務に携わる方には、非常に役に立つ内容だと思います。
求人票の作成から選考まで、そして配属されて実際に働き出してからのこと、さらに研修や評価についてまでフォローされています。
第5章では、まとめとして、障害者雇用を単に法定雇用率を満たすためだけに行うのではなく、企業戦略として捉えるべきであると、著者はまとめています。
特に最後の方に、「障害者社員『を』雇用する職場にとどまらず障害者『も』雇用できる職場へ」という言葉がありまして、これが私がこの本で一番印象に残った言葉です。
私は社会保険労務士なので、「雇用」に関わる仕事として、障害者雇用についても必要な知識だと思うので、この本は読んでよかったと思いましたし、知り合いの社会保険労務士の方々にお勧めしようと思っています。
ちなみに、前職の人事課の方々にもぜひ読んでもらいたい内容なので、改めて新品を購入し、参考に寄付してこようと思っています。
#北海道 #社会保険労務士 #社労士 #木下文彦 #従業員300人以下の会社の障害者雇用 #読書感想文 #わたしのチャレンジ #私なりのアウトプット #障害者雇用