見出し画像

変わる金融営業、実績主義から「顧客本位」へ

「名刺を出されたら、自分も出す。これ、ビジネスマナーでしょ!」

もう十数年も前のことです。ある土曜の午後、ひとり休日出勤していたときに、突然、彼らは侵入してきました。当時は会社の警備もゆるく、IDカードキーなども存在していません。

「え、切らしている? なんて白々しい。名刺をもらうまで、帰らないよ」

無駄に大声で詰め寄る、二人組の飛び込み営業です。突き出された名刺からすると、どうやら“不動産投資”会社の人間の様子。こちらも名刺を出したら最後、今度は地獄の電話営業がはじまるのは、火を見るより明らかです。

たしか30分近く、押し問答を続けたでしょうか。なんとか事なきを得たのですが、そのときに感じた怒りと屈辱は、いまだに忘れられません−−。

ここ1カ月、金融関係者の方々と情報交換した際に、「顧客本位」というワードを立て続けに聞きました。それぞれの詳細は異なりますが、金融業界は現在、実績至上主義から顧客至上主義へシフトしつつあるようです。

たとえば、とある「顧客本位」を社是とする保険事業者では、顧客のニーズに合致するのものなら、あえて他社商品を勧めるところもあるのだとか。

また一方、投資に目を向けると、国のお墨付きのiDeCoやNISAといったかなり安全な手段も、ますます拡充されていっています。

もちろん貨幣経済が続く限り、悪質な金融業者は消えないでしょう。ですが、少なくとも業界は、正しい方向を見つめていると、信じたいですね。


※こちらはBusiness Insiderのメルマガ(無料)用に用意したコラムです。私は水曜担当になっておりますので、もしよろしければ、下記リンクからお申し込みを!(記事の一番上にメアド入力するだけです)

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?