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今どき、「大画面」だけじゃ、いばれない。 では、どこで選ぶか?

“仲畑コピー”のよさは、ひとつシリーズにあると思っています。
どれひとつとして気がぬけてなく、どれも軽快でぴったり魔法のようにハマる不思議。

「では、どこで選ぶか?」シリーズもその典型ではないでしょうか

コピーライター養成講座の講義では、たしか玉山先生の回だったと記憶していますが
コピーの対象が「○○にとっての▲▲ 」と考えると、切り口が広がるよーと教わりました。
まさに仲畑コピーはその姿勢を体現してると思います。

「ホントのことを言うと、よくしかられる」
では、シリーズものを一気に並べることでその妙味が味わえるようになっています。
(ただ並べただけなんだけど)

このコピーは、1991年、シャープのCMです。
90年代初頭というと私も生まれて間もないですが、おそらく家電の高機能化、高付加価値が進んだ時代ではないでしょうか。

ジュアリアナ東京が姿を現し、若い子がキャーキャーとミニスカートはいてた時代
ラブストーリーは突然に…が流行った時代
「大画面」みたいなわかりやすく目立つことに価値があったんじゃないでしょうか。

それでこぞって各社大きいテレビを作り出した。

このコピーは、
「お答えします。それは「6畳間で100インチ」です。
液晶ビジョン」
と続きます。

6畳間で100インチというと、6畳間(きっとミニスカでイケイケになったデビュー系女子・ナンパ連戦のデビュー系男子が住むような…)の
ちょうど壁一面ほとんどがテレビや!という大きさです。
たしかに、彼ら、彼女らが「どや!」といばるには、申し分ないものではないでしょうか。

それにシャープの強みである液晶、をたすことで
自社の持つ価値を控えめながらしっかり伝えている、味わい深いコピーです。

おそらくクライアントは液晶の話が一番したいのだけど、
そこをストレートに伝えないあたりが、さすが神様だなぁと感心してしまいます。

図解でコミュニケーションを変えることをミッションにここ3年くらい活動