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【小説】SNSの悪夢


SNSはステージを全世界にする、それは取りも直さずいい意味でも悪い意味でも注目を集める場所になる。

問題なのは何も知らない輩が、自分の所に言いたい放題になる、止めようとすると余計に酷くなってゆく。

不倫という不確定な言葉が書かれただけで、コメントの嵐に見舞われる、自分としては嵐で遭難しない様に立て直さなければならない。

言い訳しても誰も信じないだろうし、このまま置いておくのが良いのか?自分の中では会社が真実を発表してくれれば、この攻撃は止むと信じていた。


スーパーのレジは朝から気が抜けない、ここに居ると自分が最下級の人種になった様に感じる。

「お疲れ様、休憩行って。」余裕があれば同僚が声を掛けてくれる、あくまでお客様が居ない時間だけだが。

フー声を出して体を伸ばす、いつの間にか少し体が傾いでいて、真直ぐにするには気合がいる。

『さてとー、今日は何処に文句を書こうかなー。』SNSを見て驚いた、あの俳優言い訳も何もしてないの。

不倫とか週刊誌やネットで問題になった時は、大概の俳優さんはそれを否定する。

それが事実であっても無くても否定しなけりゃ炎上する、この俳優は解ってて否定していない。

否定して無いのは何を言っても良いって事か、この考えに呼応しているみたいに、そこには非難の嵐があった。

『ここにちょっとくらい酷い事を書いたって、誰も問題視しない、大体私が書いてるって事も解らない位だと思うから、大丈夫だ。』

頭の中で考えると、そこにあった非難の嵐の中に自分の風も紛れ込ませることにした、結局あちらが悪いんだからと。

俳優 立花勲ってサイテー、奥さんがいるのに役で知り合った女優さんと次々不倫してたって言うじゃない。こんな人のドラマや映画なんて見たくない。酷いと思いませんか?

アー時間が無い、もっと書いてやりたかったのに、今度書く時には男性とも付き合っていたと書いてやろうか。

大きく書けば書くほど面白くなる、俳優なんて私の仕事の3倍近くお金を貰っているんだから、有名税って奴よね。

非難を書くと、今日の仕事を終えたみたいな充実感がある、これで後半の仕事に立ち向かえる。

毎日、毎日、イワレナイ苦情を受け付ける仕事が待っていて、時給が低いその仕事しか私には出来ないと決めつけれて、ほとほと疲れているのはあの人の問題では無いけどね。

私は社会の最底辺で誰かがしなければならない仕事をしている、あんなちょっとドラマに出たくらいで高給取っている奴にはいい薬の筈。

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