62年の過去がある
爬虫類とか両生類は嫌いで、出来たら見たくない位だ、自分の母親とは意見が合わない部分が多いんだけど、ここだけは同意見だったりする。
我が弟はその点は違って、爬虫類や両生類が大好きで、何でも飼いたいと言っていた。
母親は嫌っているので.、やめてくれと言って、山に返しに行かせていた。
それでも、弟は懲りない男なので、蛇をドアの向こうだったらとか、どぶネズミは爬虫類じゃ無いからと、捕まえてきては「捨ててこい。」と母に怒鳴られていた。
その度に「ごめんな飼ってやれんのやわ。」と言いながら、弟は返しに行く。
私も弟の被害にあって、ある日の夜自分の布団の中がガサガサする、何だろうと布団を捲ると、トカゲがおった~。
ギャーと言って逃げると、父親が見に来て、「トカゲがおる、外に出すわ。」と言った。
そしたら、弟が叫んだ。
「飼いたいで、外に出さんといて。」なんやて、ここで買うつもりやったんかい。
「トカゲが寒いと思ったから、さっちゃんの布団に居れたったん、そやから出さんといて。」ちょっと待て、可哀そうなら自分の布団に居れたらどうや。
父親もそう思ったらしく、「それなら自分の布団に居れたったらええやないか。」と反論した。
「だって、ガサガサしたら寝にくいんやもん。」私は如何でもええんか!!!!
その時には父親の計らいで、そのトカゲたちは外に出されて、私も眠る事が出来た。
それでもトカゲが居た布団はちょっと気持ち悪かったけどね。
その動物からすると、イヤイヤ放って置いて、迷惑やから、とか感じているのかも知れないが、こちらには知る由もない。
きっと山から連れられてきて、住宅の近くに来て、そして山に戻る、一寸した旅行気分の蛇やネズミたちだったろう。
動物好きなのは良いし、どの動物でも同じ様に扱うのは仏教思想に通じるから、若しかして、そのまま育ったら仏陀の様に為ったやもしれない。(仏教関係の方すみません、違いますよね)
その弟が他に好きなのが恐竜だった、ウルトラマンを見て怪獣も好きだったのだが、怪獣よりも恐竜の方に興味を持っている様に見えた。(少なくとも私には)
ウルトラマンの怪獣も好きだけど、恐竜ってのは途轍もない魅力が有ったのだろう。
母親が、「良かったわ、恐竜はそこら辺に居らへんで、連れて帰って来る訳にはいかんから。」と言ってホッとして居たのを憶えている。
そこら辺に恐竜がいて、その子供がいたとしたら、子供でも結構な大きさになったと思う。
だから、どっちにしろ連れて帰って、飼うと言うのは無理で、こちらの方が飼われる側やろ、とか想像していたけどね。
恐竜についてはまだまだ研究はし尽されていない、古代に居たことは化石で証明できても、本当の姿や生態は想像力を尽くして対応するしかない。
でも想像しているからこそ、その生態が面白いともいえる、映画のドラえもんや恐竜の映画も、現実じゃ無いけど面白い物だからね。
恐竜学や古生物学の研究者も、正解の無い質問をぶつけ合い乍ら正解を想像しているのだろう。
6600万年前に超巨大隕石が地球にぶつかって、その衝撃で恐竜が死滅したというのが定説だった。
定説だったというよりは自分達はそう考える様に、テレビや書籍では表現されてきていた。
実はそれも違っているのかも知れない、そう考える研究者もいて、巨大隕石がぶつかった後も、生き続けていた恐竜が居るんでは無いかと考えられている。
米国アラスカ州の恐竜時代の北極圏にあたる場所での調査で、恐竜の常識を覆す発見があったらしい。
それはハドロサウルス類と呼ばれる植物食恐竜の足跡化石の発見だった。
それの何が発見なんだよと思われるだろう、うん、私も思ってしまった、だって化石だよ、これまでも在ったでしょってね。
この発見の凄い所は、大人の足跡と一緒に子供の足跡が有ったらしい、この子供の足跡が在ったというのは、これまでにない大発見なのだそうだ。
それまで寒さに弱い恐竜は寒くなったら、暖かい場所に移動すると考えられていた。
それが子供と一緒では移動できない、移動できないという事は寒い厳しい環境でも生きていた。
それは寒さへの適応力が有るという事なのですよ。
だから、隕石がぶつかって地球が寒い世界になって、それに対応できなくて恐竜が絶滅したというのは根本から覆ってしまうのだ。
だから恐竜たちは何年も何万年も若しかすると何十万年も生きていたのかも知れない。
もう居ない生き物を想像して、その生きざまを考えるのは、無駄なのかも知れない。
これから何万年も地球に時が流れて、人も居なくなっているかも知れないし、今の動物とは違った生き物が闊歩しているかも知れない。
その闊歩している動物たちは、人間や今居る生物を想像して楽しむのだろうか?
それとも、そんな事はどうでも良くて、その日を生きるのに時間を使い続けるのだろうか?
過去も未来も解らないから楽しいとも言えるし、解らないから関心を持てないとも言える。
でも、私は62迄の過去は手に入れた、地球にとっては短いが、これも小さい過去なのだな。
今日はそう考えていた。
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