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【小説】SNSの悪夢


『こいつ、また来てるな。』毎日見ているとSNSの中に住んでるんじゃないかと云う位、絡んでくる奴がいる。

『お前たちには関係ないじゃ無いか』見てしまうからイライラする、人の事など放って於けばいいのだ。

そう言う自分も攻撃されると反論したくなる、問題は自分には無いのだからな。


「不倫、不倫と言っているが、それに証拠でもあるのか、こっちは何にもないのだ、これ以上書いたら名誉棄損で訴えてやる」

書くとスッキリするのだが、これで燃え上がるのは止められなくなったのが分かる。

書いても無駄だから、止めた方が良いよなんて、知り合いの言葉は当事者じゃ無いから言える事なんだ。


「何開き直っているの、不倫したんでしょ、結婚してるんだから、問題に決まってるじゃない、法律で決まってることも守れないってサイテー」

「ちゃんと本当の事を言って記者会見で謝れば、問題無くなると思いますよ、記者会見したらいいのに」

「問題は大きいですね、あなたの出ている作品なんて見たくも無い、女の敵だ」

「女優さん食っちゃって、問題ないと思ってるの、絶対に許さない、謝れー」

文になっているのはまだいい方で、侮蔑の言葉だけが連なっている時もあって、止めた方が良いんだろうが、こっちも止められない。

お腹が空いている時にポテトチップスを前に出されたら、食べるのが止められない、SNSも見ていて反論しだすと、止める意志の力が失われる。

どっちにしろ書かれてしまうのなら、ここはキッチリ反論させてもらおう、そう考えたら、炎上はどうでも良くなって、自分も火の中に飛び込んでしまう。


「私は役者さんとしては良かったと思うけど、女優さんと不倫し放題で男の人にも手を出してるって話じゃ無いですか、そんな人を見たいと思いますか、皆さんも見たくないならそう言いましょうね、ここでの言葉が力になります。」

だから不倫なんてしてないと言っているじゃ無いか、頭おかしいんじゃないのか、そんな言葉に惑わされる奴がそうそういて溜まるもんか。


「そうなんですか、見ない様にするだけじゃ駄目ですね、テレビ局に出させない様に、働きかけなければ。」

「そうですね、私も出来る限り働きかけて見ます、それでないと倫理的に問題が有る人が平気でテレビに出てるのは問題でしょう。」

「えー、女優さんと不倫し放題なんですか、男にもってどんだけ野獣なんですか、私も働きかけて見ます。

見る見るうちに自分の不倫が事実になって、野獣扱いされてしまった。

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