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フクロウ物語

自宅の断捨離的整理整頓がひと段落着いたところで、表札を作ることにした。
もうこれはただやらずに10年強経ってしまった。

整理整頓をするときに、ちょっと風水を取り入れようとした。
整理整頓自体、風水的に良さそうなものではある。
自分が調べて知ったのは「玄関にゴルフクラブなどの遊びの道具を置くと仕事に身が入らないのでよろしくない」
物がなくなった玄関にはちょうどオットのゴルフクラブが置けそうなスペースが登場したのだが、和室に置いていただくことにした。玄関に置く方が便利だとちょっと文句は出たが、ゴルフをする体力があるうちは和室に運べるのではないかと頼んだ。

で、表札がないと神様は「この家には誰もいない」という判断をなさるため運を逃してしまうという。表札は家につけるもので、門につけるものは門札といい、別のものだと知った。
片づけをしている最中にもいずれ作ろうと思っていたのか表札のカタログが出てきていた。「表札を作っても良いか」とお伺いを立て、ネットで良さそうなものを探し、注文した。

すると流れで、業者の人と電話で話をすることになり「表札のシュミレーションができるサイトがあるのでそこでシュミレーションしてはどうか」と提案していただいた。

↑参考までにこちらを貼っておきます。
(わたしはこの会社から直接購入しないで代理店さんに注文したので特に利害関係はありません)

このシュミレーターがまあ面白くて、自分の納得がいく感じにするのに2時間くらいかかった。作ってはリモートワークのオットに見せにいったが「いんじゃない」という返答ばかりで、わたしとは熱量が全く違った。まあいい。
で、風水的にどんな表札が良いか簡単に調べていると「フクロウのモチーフを入れると良い」というアドバイスが散見された。
「フクロウ→不苦労」であり「フクロウは首がよく回るため、フクロウのモチーフを入れるとお金に困らない」ということだった。それは積極的に採用したい。それと風水とは関係ないが番地を入れたいと思っていた。我が家は新しくできた番地だったので宅配業者さんなどに親切かなと思った。10年以上経っているのだけれど。

苗字、フクロウ、番地で様々な書体などを試し、できたものをまたオットに見せに行ったところ「いんじゃない」じゃない返答があった。
「ああ、番地を入れるっていうのは元ピザ屋の店員としては助かる」
あのー、いつの話してるんですかね。その次にバイトで入った「みよしの餃子」は3日で辞めたって聞いたぞ。
わたしは誇らしげに「フクロウのモチーフ」について説明した。
すると「それはないだろー」と関心を持ってくれなかったが、別に良い。
わたしはフクロウにぜひおいでいただきたい、その一心に尽きる。
特別反対されるわけでもなかったし「いんじゃない」連発だったので、フクロウと番地入り表札のシュミレーションが出来上がった。2週間くらいで自宅に届きそう、楽しみだ。

フクロウがどうだこうだと話をしていたが「ていうか表札買ってる場合なのか、これから10万飛んでくんだけど」というセリフが飛び出した。

ここで悲しいお知らせをしなければならない。

この表札うんぬんの前夜、寝室のエアコンが天に召されたことが判明した。
ぬるい風しか出てこず、見ると室外機が沈黙していた。
リビングで寝た。おかげさまで広く片付いていた。

表札はもう支払いを済ませていたので買うとして「フクロウのモチーフ」を入れた表札を作ったのだからこれからは金銭的にも安泰なのだ。むしろそれがなかったから急な出費に見舞われたのかもしれないし、それがあれば、見舞われたところで痛くもかゆくもなかったのかもしれない。

寝室にクーラーがないなんてガチのマジで無理だ。
クーラーをつけて布団をかけて寝たいのだ。本州は暑すぎる。
今週は在宅勤務のオットに、できれば翌日半休を取ってエアコンを買いに行って欲しいと頼んだ。何とか数時間空けてくれたので一緒に家電量販店へ向かった。

オリンピックで侍ジャパンが金メダルを取ったあたりから毎日雨続きだったがようやく晴れ間が見えた日、本当に久しぶりに街へ出た。
コロナウイルスの感染者も多く、緊急事態宣言も出ているというのに街は混雑していた。座席満員みっちみちのスタバも見た。それがどうなるかは本当に運だと思うがなるべくなら「気をつけましょう」と言われていることには従いたい。様々な立場の人がいるが、わたしは割と国や行政の揚げ足を取るような考えは持っていない。ステイ・ホームだ。

それはどうでもいいが、エアコンの購入は非常に急がれた。
目星をつけていたものを購入し、取り付けの日にちを調べてもらうと1週間後だった。けれど、子供の部屋やリビングのエアコンは無事なので我慢だ。
さて、支払いをしようかというタイミングで店員さんが「もう少しお値引きができるかもしれないお話があるので聞いていただきたい」と言い出し、別の店員さんがやってきた。

高額な家電を購入した客を対象にウォーターサーバーの試用キャンペーンをおこなっているということだった。
①サーバーは3年間使えば返却料や使用料は基本無料。
②水は1個約1,800円、初回約4,000円分は無料。
③90日間以上水を注文しない場合は電話でとめる。とめるために数百円かかる。
④これを利用すると我々が購入したエアコンが3,000円安くなる。
⑤これはウォーターサーバーの宣伝なので、導入することによって知人などにも良さを伝えていただきたい。

わたしは「電話でとめる」と言われたあたりからいい感じがしなくなっていた。それに我が家には市販されていない浄水器がデフォルトで入っており、年間12,000円くらい支払ってサービスを受けており、それが非常に気に入っていたのでウォーターサーバーには興味がなかった。
誠実にそのことを説明し丁寧に断り、やれやれやっと会計と思いきや、たいして話を聞いていなかったオットが「いいと思ったのになー」と急に言い放った。

えぇ!

すると店員さんが「あの、もう少しお得な話があってー」とまた我々をもとのカウンターへ誘導した。

⑥2年で返却しても無料。

いやもう。そうじゃなくて。それとさっきの①どういうこと。
またもすみません、と丁寧に断り、会計に向かう際「もう言わないで!」と小声でオットに言った。後から聞くと別にウォーターサーバーが欲しいわけではなかったそうだ。ホントに勘弁してくれ。

店を後にし、部活帰りの子供と合流し飲食店で昼食をとった。
久しぶりの外食はありがたく感じた。


フクロウのモチーフ入りの表札が早く届くといい。
そうすれば、ウォーターサーバーのようなお断りの「苦労」もしなくて済むようになるのだ。「不苦労」なのだ。
信じる者は救われる。

そして、リビングで眠る日は続く。

(ヘッダーの写真は話題のシュミレーターで作成しました。)




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