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会社員をやめた今だから気づけたこと①「点ではなく線であり面となる」

はじめに

早いもので、19年間働いてきたP&Gを卒業して2年半が経ちました。
(以前、どうして辞めたのかをまとめています。気になる方はこちらをご覧ください)

辞めた直後は、定期的に事務所に伺ったり、ランチ会・飲み会があったりと会う機会も多かったのですが、昨今のコロナ禍もあり、今では「私、会社員してたっけ?」と思うこともあるほど、少し遠い記憶になりつつあります。

リケジョで、もともと技術開発部門の管理職的なことをしていた私が、まったく違う分野・業種で新たなキャリアに挑戦し、いろいろありながらも日々過ごす中で、なにかともがいていた会社員時代の私に伝えてあげたいことを発見する機会がたくさんありました

会社という組織の中で、結婚・出産・育児などのライフステージを経て、忙しく日々を過ごしている女性(男性も)がよく感じる「これでいいのかな」というモヤモヤ。私の発見がなにかの気づきになれればちょっとうれしいなというのと、私の備忘録も兼ねて不定期にまとめてみようかなと思います。

会社員時代の私は点だけを見ていた

会社員時代の私は、多くの新製品開発プロジェクトに参画し、新製品発売に向けて、供給と品質、そして生産性を満たすべく奔走していました。
目の前にあるゴールに向かって、チームメンバーたちと一緒に協働する仕事は本当に楽しく、今でも私の誇れるキャリアの一つです。

ただ、当時の私は目の前のゴールや課題にあまりにもフォーカスしすぎていたので、プロジェクトが終わったその次・その先、はたまた派生して起こることから生まれる新たな価値まで見据えることはありませんでした。
課された目標を達成できるかどうか、いい表現ではないですが、できない場合はイコール自分としてもチームとしても不合格というような形でとらえていた部分も実際ありました

目標達成のため、個としてもチームとしても、できる限りの最善を尽くし、到達に近づけていく(または更に上をいく)のが私のスタイルで、だから評価をいただいていたこともあり、決して間違っていたというわけではありませんでした。
結果を出していけるという私やチームの実績が、その後のプロジェクトも任せていただけたという意味で、点が線になっているのを当時も実感していました。

ですが今思うと、この線も実は点にしか過ぎなかったのかもしれない
結局は、すべてを点でしか見ることができていなかった、もしくは、つねに右肩上がりの一直線が「線」なんだと思っていたところがありました。

点が線になると感じた瞬間

「会社員・正社員」というレールから、「パート・個人事業主・ボランティア」という複数のレールを並行して走っていくキャリアを選びました。
何の肩書も、経験も、後ろ盾もない状態で、未知の分野に飛び込んでいった私。今改めて振り返っても本当に潔い以外のなんでもありません。
この潔さがあったからこそ、初めて点が線になるということを3つのキャリアで実感することができました。

英会話講師として担任することで線が見えた

私は主に、小中学生に英語を教えています。
初めの頃は、この1時間のレッスンで今日の学習項目どこまで網羅して教えられるか、どこまで子どもたちのやる気を引き出して英語を学んで帰られるかにフォーカスしてしまい、学習項目の取り残しや子ども達の集中度などで、毎回一喜一憂することも多々ありました。
ですが、レッスンは毎週継続するもので、英語の成果はそのレッスン単体だけで得られるものではありません
レッスン単体でできた・できないを判断することに意味はなく、3カ月・6カ月など一定の期間を通して、成長していくということを子どもたちから教えてもらいました。

例えば、英語初心者の小学生。新学期がスタートしたときには、単語を見ても英語を聞いても、はてなの嵐。

「何言ってんのかさっぱりわからへん-!」
「え?全然わからへん、無理やー!」

と言っていた子が、3か月後には自分の自己紹介をすらすらと言い、半年後には毎週20個の単語をさらりと覚え、文字を見て発話することができるようになっていく。できる実感が出てくると、もっと学びたいという欲求が自然と溢れ、そうなると成長スピードは二次関数並みに飛躍していきます。

今まで右肩上がりに点がつながって線となると思っていたこれまでの私にはなかった線、アップダウンを経て、その後2次関数並みに上っていく線、を見せてもらいました。

進んでいきたい線を意識しながら点を打つ

英会話講師のキャリアで学んだこととして、

「進んでいきたいゴールをイメージしながら日々関わり続ける」
「ゴールに到達できるという可能性を信じ続ける」

がありました。このことは、個人事業「Awesome!」でも実践中です。

Awesome!では進んでいきたい線から点を打っていくというアプローチの大切さを知ることができました。

私は自分の会社員経験からも、ぜひ組織やチーム・リーダーやマネージャーにこそストレングスファインダー®を取り入れてビジネスを推し進めてほしいと思っています。
ただ、すでに会社員を去った私が、ましてや人事関係の仕事をしていたわけでもない私が、すぐに組織向け研修やワークショップを提供できるほどシンプルなものではないのも事実です。だけど、どうしても浸透させていきたいという強い信念があります。
私の進んでいきたいゴールは、今いる場所よりもまだ少し遠いです。だからこそ、そこにたどり着けるように点を打っていく。
例えば、ストレングスファインダー®を活用したマネジメントやビジネスに関するデータや情報(大半が英語でしかないので)を積極的に発信する、これから活躍していく女性に向けてワークショップを提供する、などです。

その点自身にも意味はありますが、点それぞれが持つ意味よりも、点同士が集まり、連なり、線となっていくことの方が意味を持ってくる。
起業して、自ら方向性を出して進んでいかないといけない働き方になったということもありますが、このものの捉え方でもう一歩広く高い視野・視座を手にすることができました。

そして面となる

点そのものにフォーカスしながら点を打つのと、線を意識しながら点を打つのとでは、同じ点でも打つ場所が大きく変わってきます。そして、線を意識して点を打つようになって、もう一つ感じたことが

関わる人たちも点を打ってくれて、
線と線とが交わって、そしてそれが面となる

ということでした。ありたい方向性を見据えながら、様々なところで点を打っていくことで、「私が何を目指しているのか」を発信するチャネルが必然的に増えてきました。ゴールに向かっていろいろなルートに線を描いている中で、共感いただいた方が、新たなエリアに点を打ってくれ、その点が思わぬところで線となり、その線同士が交わり、面となってゴールにさらに一歩近づくことができるようになる。

私のライフワークでもある、ワーキングマザー・共働き家族の学びと交流のコミュニティ「こ・ねくすと」の活動で、創立以来関わった方たちへ、毎月の活動を配信したり、他団体とのコラボレーションをしている中で、神戸市の2025ビジョン策定のメンバーに推薦頂いたり、神戸市男女共同参画センターと共同で小一の壁突破講座の開催をさせていただいたり、点から線、そして面になって形にすることができた経験がありました。

最後に

目の前のことに猪突猛進型の私だったので、この記事でまとめたことは多くの方にとっては当たり前のことかもしれません。課された業務や目標・課題にのみフォーカスしすぎていたため、先を見据えるという感覚に気づくことができず、会社員としてのキャリアを見いだせなかったのかなと思います。元来私は、組織・チームで、たまにぶつかりながらも協働していく働き方が大好きで、いつかまたそんな働き方をするのもいいなと思っています。
「このまま会社員でいいのかな」と思われている方でこの記事をもし目にされたのであれば、点の打ち方、線の引き方を少し意識してみるといいかもしれません。
会社という大きな後ろ盾を去って感じることは、「一人でできることはあまりにも小さい」ということ。会社の中だから、できること・求められていることはたくさんあります。転職・起業もひとつの選択ですが、今ある中でとらえ方ひとつ変えることで、できることはたくさんあると思います。
なにか少しでも、モヤモヤを解消するきっかけになれば幸いです。

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