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思い出せないあの曲

頭の中に音楽が流れていることはないだろうか。
私の場合、それはどこか街角で流れていた曲が、ずっと頭の中にこびりついていることだったり、歌詞の一部がその時の感情とリンクしていたり、夢の中で流れていた曲だったり…とにかく音楽がどこからでも頭の中に入り込んできて、何時間も同じ曲が流れていることもあれば、ワンフレーズだけ流れて別の曲にすり替わっていることもある。

常にそんな感じなので、それに気を取られて何か支障があるというようなことはあまりないのだけれど、唯一と言っていいくらい困るのは、タイトルや歌詞、誰の曲なのかなど、その曲のアイデンティティに関することが気になって思い出せない時だ。しばらく悩んでいるうちに、頭の中に流れていたフレーズ自体が曖昧になってきて、手がかりがどんどんなくなっていく。

ポピュラーミュージックならまだ、歌詞の一部で検索をかけたり、メロディーをShazamなどを使って検索する方法もあるのだけれど、クラシックだとそれも難しい。覚えているフレーズ全体をピアノなどで再現できるほどのスキルはないし、ほんの一部だけの再現ではまずヒットしない。そしてそれを誰かに聞いてもまずわからない。諦めるまでのしばらくの間、モヤモヤして集中力・思考力がなくなるので、単純作業ならともかく考える必要があるようなことは止まってしまう。

いつか頭の中に流れている曲をそのまま検索できるような時代にならないだろうか。また、頭の中に流れている誰の曲でもない、オリジナルな音楽が外部再生できるようなシステムができたら、音楽の世界はもっともっと豊かなものになりえる気がする。いや、そのためには思考を機械的に読み取るような技術が必要になるのだろうか…それはちょっと怖い。怖いけれど、Chat  GPTがいつの間にか当たり前に使われるようになったように、きっと私たちは慣れて当たり前のように使うようになるのだろう。そうしたら、少なくとも私のストレスは軽減するのかな。

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