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これまでの「歌舞伎町のフランクフルト学派」

●明日2024年7月7日は「かぶふら」

……え⁉ もう2年もやってるんですか、歌舞伎町のフランクフルト学派!
ありがたいですね。日頃の皆様の応援のおかげです。
こんばんは。お世話になっております。にしむーです。
明日7月7日でまたひとつ年を取ります。
そして、何よりですね明日7月7日19時からは「第8回歌舞伎町のフランクフルト学派」がいつも通り新宿のROCK CAFE LOFTさんにて開催されます。

こういうのは前日にやるもんではないですが、宣伝も兼ねてこれまでの「歌舞伎町のフランクフルト学派」をまとめてみました。

そもそも! 「歌舞伎町のフランクフルト学派」ってなんだ!
と思う方、そういえば何だそのネーミングは! と思っている方にですね、
簡単にご説明しますと、
「歌舞伎町のフランクフルト学派」とは、批評家(最近はユーチューバーでもあります)の伏見瞬と同じく批評家の西村紗知の定期トークイベントです。会場が新宿は歌舞伎町なのと、にしむーの修士のときの専門がTh. W・アドルノの音楽美学研究だったことから、アドルノというとフランクフルト社会研究所で思想研究やっていたいわゆる「フランクフルト学派」というプロジェクトというか何というか……の主要なメンバーだったし、まぁ我ら二人も幸か不幸か批評という営為の中で今更ながら「大衆」とか「権威」とかのあれやこれやに翻弄されたりなんだりだし、……ってなことで、イベント名として決定したのでした。
といってもそんなに考え込んで決めたイベント名(ユニット名?)でもなく、当初は完全にノリで決まった感があります。伏見さんが考えてくれました。なんかカッコイイのでこれでよいのではないか、と思っております。

ちなみにこれは現在の社会研究所。去年ドイツはフランクフルトアムマインに旅行に行きまして、写真撮りました。中には入ってないです。

一応社会研究所のリンクも貼っておきますね。もう100年もやってる!

●振り返り

というわけで、以下振り返りです(各リンク先ロフトプロジェクトさんのHPに毎回伏見さんがとてもいい感じのイベント告知文を書いてますので、この機会にぜひお読みください。)
……すみません、前に伏見さんがもう同じことやってんの、忘れてました。

内容めっちゃ重複しますが、おさらいということで! すみません!

・第1回(2022年5月28日)

当日までの打ち合わせメモを今見ているんですけども、
・批評に身体と欲望が欲しい
・女性批評家がいなくて寂しい(いる人は欲望を否定する&男性的)
・M-1はポップカルチャーではなくなった(ふとテレビをつけた人が笑える内容じゃない)
・文脈を作る作業と文脈なくても楽しい文章を書く作業両方が必要
・締め切りMakes原稿
・「書きたいこと」の純粋さを持たない。受注と発注が重要
・今批判できるのは作家/作品ではなく観客/ファン
・伏見は他の批評家/批評をアーティスト/作品として見ている。西村は批評をレパートリーとして見ている
・(ポップ)カルチャーに対して、本当に欲望していることは何?
とかって話をしたみたいです。
でもにしむーは終盤急に伏見さんが言った「スピッツ!スピノザ!スピリチュアル!」しか覚えてないです(しかってことないですけど)。

・第2回:ゲスト:つやちゃん「教えてつやちゃん!100の質問状」

『わたしはラップをやることに決めた フィメールラッパー批評原論』(DU BOOKS)を上梓されたつやちゃん登場回でした。つやちゃんさんに自分の話させました。もう、フィメールラッパーの話とか、させなかった。ほんとに100の質問をぶつけて、全然時間足りなかったので、後日エクセル表にまとめたものをチケットを購入された方には配布しました。何気に貴重な資料になったかも!

・第3回:M-1決勝直前に「お笑い」と向き合う!- ゲスト:手条萌

個人サークル「強い気持ち・強いしらす」でお笑い評論の同人誌をリリースされ続けている、手条萌さんをお呼びし、根掘り葉掘りお聞きしました。「ワーキャー」のこととか。最後M-1グランプリの予想会をやったりして。やっぱ手条さんマンゲキのことほんまに好きなんやな、って、にしむーは強く印象付けられたものです。

・第4回:決定!かぶー1グランプリ2022!!

単行本化していない、批評、エッセイ、ルポ、ネット記事……から今年一番良かったものを勝手に決める大会「かぶー1グランプリ」を開催しました。我々二人も候補作を選んだんですが、視聴者のみなさんにも自薦・他薦で事前に出してもらいまして、それが10作。さらにその中からグランプリを決定しました。M-1ですね。
ちなみに候補作10作はこんな感じでした。

・速水健朗「なぜ批評は嫌われるのか 「一億総評論家」の先に生じた事態とは」(中央公論2022年4月号特集:読書の役割、教養のゆくえ)
・かまど、みくのしん「本を読んだことがない32歳が初めて「走れメロス」を読む日」(オモコロブロス2022年10月31日https://omocoro.jp/bros/kiji/366606/
・イワシ「Bring Me the Head of Sir Gawain──デヴィッド・ロウリー『グリーン・ナイト』論」(https://note.com/champlooseko/n/n375f2c996a7e
・山本浩貴(いぬのせなか座)「死の投影者projectorによる国家と死〈主観性〉による劇空間ならびに〈信〉の故障をめぐる実験場としてのホラーについて」(ユリイカ2022年9月号 特集=Jホラーの現在ー伝播する映画の恐怖)
・住本麻子「とり乱し」の先、「出会い」がつくる条件 田中美津『いのちの女たちへ』論」(群像2022年7月号【批評総特集】「論」の遠近法2022)
・松田樹「「政治と文学」再考──ケーススタディ・井上光晴と大西巨人──」
(国文論叢第59号(2022年3月)【小特集】「政治と文学」再考七〇年代の分水嶺)
・灰街令「Vaporwave、Distroid、hyperpop――二一世紀のネット音楽におけるgender performanceについて」(ユリイカ 2022年4月号特集=hyperpop)
・藤谷千明「女性用風俗はなぜ急増する? 低リスク・低コストなビジネス構造と、過剰サービスに疲弊する男性セックスワーカーたち」(FINDERS 2022.05.31https://finders.me/articles.php?id=3325&p=1
・マルドロールちゃん「模像の消尽のためのエスキス」(『PROJEKT METAPHYSICA』Vol.1)
・森敬太、tofubeats、澤部渡[他]「トーベヤンソン・ニューヨーク・アワード2022上半期 中間発表」(Rolling Stone Japan2022/08/02 20:00)

最終的に、にしむーが推すマルドロールちゃんさんと、伏見さんが推す山本浩貴さんとの一騎打ちになり、山本さんの優勝となりました。
「かぶー1」をやる動機としては、なんか批評の新人賞とかどこも休止になっちゃったみたいだし、自分たちでやってみるか! という、そんなもんですけど、これを機に一年間に出た文章を読み直して、業界の定点観測みたいなことができれば、それが一番いいよね、って伏見さんとは言うとります。

・第5回:1周年記念回 スペシャルゲスト:大谷能生

以下の内容をやりました。

① 1周年だよ!執筆する(or執筆に興味ある)人のお悩み相談コーナー!
② ほんとに1周年だよ!「なんで批評書き始めたんだろう?」年表晒すコーナー!
③ にしむーの「文学フリマ東京36」お買い物最新レビュー

けど急遽、どこからともなく大谷能生さんがいらっしゃって、後半はずっと出演していただきました。その節はお世話になりました……かぶふらには大谷さんクラスの人がふらっと喋りにきます。そういうもの。

・第6回:ゲスト:山本浩貴(いぬのせなか座)

https://note.com/shunfushimi/n/nf4445d1de279

前述の「かぶー1」チャンピオンに我々二人が勝手に選んだわけですが、山本さんにお越しいただきました。近年のエッセイ・ブームのこととか。最後らへん、お互いに質問をぶつけ合うコーナーを設けました。例えば以下の感じ(抜粋)。

伏見⇒山本
厨二病、どうですか?

伏見⇒西村
10年後どうなっていたい?
にしむーにとってリズムは大事?私は、音楽 はリズムが命、という教育を受けてきたので、 その意識を相対化したい

山本⇒伏見
自分が社会的な影響力を持つとして、どのくらいがベストだと思いますか。あるいは、社会をより良い(と思われる)方向に変えることと、自分のベストな何かが作れること(考えられること)、どちらかであればどちらを選びますか?
神さまとリズム、どっちが好きですか?

山本⇒西村
いまの文体ができた(いまの文体になった)と感じたのはいつですか。あるいは文体に悩んだことはありますか?
批評家として活動していく上でのロールモデルとなっている人はいますか?

西村⇒伏見
伏見さんは締切が近くても映画やコンサートを楽しめる人ですか。 もしそうなら、気持ちを切り替えるコツを教えてください。

西村⇒山本
最近、最後に泣いたのはいつですか。もし差し支えなければ理由も教えてください。
仕事でくたくたになった帰り、あなたは成城石井あるいはKALDIなどのちょっとお高めのスーパーにきました。何を買いますか。

・第7回:かぶー1グランプリ2023

「かぶー1」2回目の開催でした。
以下候補作10選です。

・堤 雄一「防破堤日記 第二回」(アラザルvol.15発行日:2023年11月11日)
・福永 信「ファーレ立川の岡﨑乾二郎作品撤去撤回とパブリックアートという未来」(新潮120(5):2023.5https://note.com/monthly_shincho/n/nb3fe65d9ad46
・宮﨑悠暢「バーチャルに置き忘れてきた愛 ―― ある一つの美しい病について、あるいは女海賊の夢 ――」(PROJEKT METAPHYSICA Vol.2発行日:2023年11月11日)
・照山もみじ「私たちはこれでいいのだろうか?――「麻薬」から「毒」を作るために」(G-W-G(minus) 07号特集:性的差異
)
・小川たまか/避難所「【暇アノン懺悔録】「暇アノンの姫」だった40代男性(1)~(4)」(Yahooニュース2023年10月16~18日)
・市川沙央「右も左もない「読書バリアフリー」」
(産経ニュース2023/8/23 07:00 https://www.sankei.com/article/20230823-XQXVKSUJ7VIVXAKVGIHLPHTFXA/
・柴崎祐二(執筆)/酒井匠(編集)「「私は何のために作られたの?」と問うているのは、映画『バービー』それ自体かもしれない」
(カルチャーメディアNiEW 2023年8月8日
https://niewmedia.com/series/shibasaki/barbie/
・ジョージ・麗日「町山智浩とライムスター宇多丸は、 映画語りをどう変えたのか? 前篇」(執筆・編集:ジョージ(@jo2geor2)麗日
発行日:2023年5月21日)
・那倉太一「Review | UNCIVILIZED GIRLS MEMORY『HEAVEN』 | 「神の国」はどこにあるか ――UNCIVILIZED GIRLS MEMORY『HEAVEN』リリースに寄せて」(AVE | CORNER PRINTING 2023年11月24日)
野上貴裕「世界と似ること --ファッションと模倣について」(SAPA:文化動態研究 vol.3)

そして、栄えある第2回王者として、那倉さんを選びました。

……というわけで、明日喋る内容とかスライドとか今から準備しようかな、って思ってるんですけど、
ぜひ! 今後とも歌舞伎町のフランクフルト学派をよろしくお願いいたします!

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