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言葉は羅針盤 #ことば展覧会



「今日の高校にする。」


息子が高校を決めた。

もっとも、これから受験なのだけど…


言葉は羅針盤だ。

有言実行ともいう。


これからの4年を指す
羅針盤となる言葉。

息子は4年かけて
高校を出ようと思っているから、4年。


ようやく聞けた言葉。

この言葉を聞くために
たくさんの高校に足を運び
共に悩んだ。


言葉にするから
指し示す未来が見える。

ようやく、息子にも
見える未来がやってきた。




ことば展覧会で知り合った
きみまるこさんの作品を読んで
思った。

まずは、皆さんもぜひ読んで欲しい。


読んでもらえた方は続きをどうぞ!




私は思った。

私は黒いドレスしか
選択肢はなかったけど
息子は自分に合うドレスを
見つけられたんだと。


同時に思った。

息子のドレスを
笑う人はいないだろうか?

可哀想と思う人はいないか?


また、こうも思った。

息子のドレスを笑う人は
黒いドレスが素敵だと信じて
疑わないのだろうと。


例えば、勉学において
オール5や100点は
黒いドレスになっていないか?

オール3、70点が
自分に合ったドレス
精一杯努力した結果のドレスなのに

100点じゃないから
オール5じゃないからと
我が子を叱っていないか?

きみまるこさんの作品を読みながら
そう思っていた。



私は、昔
オール5、100点をゼロ地点として
マイナス評価の場に身を置いて
子ども時代を生きてきた。

そう。生き抜いてきた。


100点がゼロ地点だから
99点はマイナス1点。

なぜ、その1点が取れなかった?
なぜ、ミスをしたんだ?

否定しかない世界。
口を開くと、改善と称するお説教。


なら、100点になったら褒められるのか?

100点は当たり前のことだから
褒めるには値しない。

オール5でもそうだった。



息子は、中1の秋から
学校に行かなくなった。

成績はどんどん下がり
中2からオール1になった。

オール1の成績を見せる息子。

「Cに一つ、丸がついてて惜しいね!
 どうせなら、全部Cで揃ってた方が
 見栄えがいいのにね」
と笑う義母。


オール1を平気で見せる息子。
それを笑ってくれる夫の実家。

こんな家庭で育ちたかった。
こんな風に親に笑われたかった。


褒めて欲しかった。

私の存在を
認めて欲しかった。




息子の存在だけは認めよう。

オール1でも、荒れていても
中学に行かなくても
何もしなくても

起きてきてくれればいい。
ご飯を食べてくれればいい。
風呂に入る気力が残っていれば
それで充分だ。


ただ、生きているだけでも
誰にも何も言われない空間を

生きていることを認めてくれる
そんな居場所を
息子には作ってやりたい。

それが愛情なのか義務なのか
私にはわからないけど

人には必ず
安心して過ごせる場所を持つ
権利があると思う。

その権利を守っているだけだ。



息子は、「就職するために
《高卒》という資格を得たい」と言う。

《高卒》は、息子にとって
社会という戦場に出るための鎧だ。

鎧を得るために
高校へ行く。

その鎧は、息子に合った
ドレスなんだろうか?

高校でやってみたいこと
という質問に
「高卒の資格が取りたい」
という回答しか書けない息子。

高校は、鎧を得るための所なんだろうか?
社会は戦場なんだろうか?



これからまた
社会と交わろうとする息子が

嫌なことや苦労があっても
「楽しいからいいや!」と言える

そんな何かに出会えることを

心から願っている。



4年後、息子はどんな言葉を
口にするのだろう?

どんな言葉が出てきたとしても
言葉は羅針盤。

その言葉の指す方へ
そっと背中を押してやりたい。




※ 冒頭の写真は、夫が釣ったカツオを
 息子が握り寿司にしてくれたもの。

 寿司酢と煮切り醤油を作り、
 ひと晩寝かせている。
 カツオも釣った後、処理をして
 熟成させている。

 もちろん、カツオをさばいて
 酢飯を作り、息子が握っている。

 全てYouTubeから
 自分で調べたことだ。

 これが、本来の学びだと思う。


 正月にも食べたいねという話になり
 元旦、日の出を見ながら、カツオを釣る予定。
 釣れたら二日は握り寿司三昧だ。

 そんな息子に成長したことを
 素直に嬉しく思っている。



*****


拝啓 あんこぼーろ さんの企画に
チャレンジさせていただきました。



字数が超えたかも知れません。
すみません!!


只今、頭の中の年末大掃除中。

引き続き、〆切まで
連投します!!

皆様は、現実のお部屋の大掃除を!!!









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