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⑧「三度目の正直」に相当する英語とスペイン語での表現はどんなもの?

【3分で学ぶ教養講座】3つの言語でことわざや慣用句を比較することで、世界で通用する教養を身につけるという連載の第8回目です。

物事は3回目でうまくいくというのは、世界共通の普遍の真理なのでしょうか?ミラクルナンバー3にまつわる現象は、言語が変われば、どう変わるのでしょう?

では、さっそく検証してみましょう。

「三度目の正直」の意味

占いや勝負で、一度や二度は当てにならないが、三度目は確実であるということ。転じて、物事は三度目には期待どおりの結果になるということ。三度目は定 (じょう) の目。

「三度目の正直」という表現は、割と日常で使いますよね。バスケのゴールにシュートが立て続けに入らないときに、「三度目の正直!!!」と願いを込めてシュートするとか、そんな感じで使ってる人が多いのでは。

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当たり付きのアメやアイスを食べるときに、ハズレ続きでも三個目なら、当たりでるだろって期待するときとかも。(食べ過ぎ注意。)

でも、語源が占いや勝負の場面であったことは、自分としてはちょっと新鮮でした。というのも、「正直」という言葉に惑わされて、全く別の状況をイメージしていたからです。例えば、それは自白を迫るお奉行さまと嫌疑をかけられた庶民の会話。

町奉行:「これを壊したのは?おまえだろ!」(質問回数①)
被告:「あっしじゃございません!」
町奉行:「壊しのはだれやときいておるのじゃ!お前以外に誰がいる!?」(質問回数②)
被告:「あっしじゃねぇ!」
町奉行:「いや、おまえだろう!嘘つくと罪は重くなる!もう一度聞くぞ。壊したのは誰だ?」(質問回数③)
被告:「・・・あ、あっしでした。うぅ、、申しわけねぇ!」

正直な答えが聞けるのは三度目なので、問い詰めるときは粘って三度は質問攻めにしろってことだと思ってました。転じて、三度目はうまくいくのだと。でも、全く違いましたね。笑

そもそも、正直っていう言葉が紛らわしい。なぜに正直?!

古くは、「三度目の神正直」といいました。三度目には本人の実力や運が発揮され、結果がよくなくてもあきらめがつく、ということ。

また、同じ意味で「三度目は定の目」ということわざもあります。

物事は一度目や二度目の結果は当てにならないが、三度目ともなれば確実だということ。「定の目」は、定まった賽の目のこと。

なんにしても、一度や二度のことで判断するな、三度目でしっかり見極めろ、三度目まではあきらめるなってことのようですね。

英語で相当する意味の表現は?

Third time lucky.
(三度目の幸運。)

その意味するところは、すでに二度挑戦して失敗しているが、今度こそは成功するということ。

こちらは、アメリカ英語で、イギリス英語だと、Third time’s the charmというようです。

三度目に期待をかけるという意味では、日本語の表現と同じ考え方ですね。こちらの場合、三度目には運命の女神がほほ笑むような印象です。

ただ、由来には諸説あります。イギリスの法律で三度の絞首刑になりかけても耐えることができれば、自由になれると信じられていたからとかいうのもあって、それだとものすごいラッキーってことですよね。苦笑

スペイン語で相当する意味の表現は?

A la tercera va la vencida.
(三度目で克服する。)

その意味するところは、一度目や二度目の失敗のあと、次こそはもっと努力をして達成するということ。

また、三度失敗したら、あきらめたほうが良いという意味で使われることもあるようです。

こちらのことわざは、由来に諸説あります。古代の試合のルールで、相手が3回ノックダウンしたら試合放棄となるとか、相手を3回倒したら勝ちとなるとか、盗みの罪は三度目で死刑だとか。

なんにせよ、3回目が重要であることは確かです。そして、回数を追うごとに、それなりに努力して達成するのだというニュアンスがあります。

3回目は本当に成功しやすいのか?

日本語、英語、スペイン語での表現のどれをとっても3回目の挑戦を前向きにとらえています。むしろ、2回目までの失敗は、気にするな、その真価を問われるのは3回目であると。

3回目の成功率というのは、実際、どのくらい根拠があるのでしょうか?恋愛の場合で検証してみましょう。

意中の相手に、アタックするなら何回までトライし続けますか?忘れられないくらい大好きなら、一度ではへこたれませんよね?しっかり、機を見計らって再トライするのが妥当です。

ここで、しっかり計画して成功したいところ。でも、残念ながら、失敗に終わるということは、十分あり得ます。相手にその気がないなら、どうしようもありません。

でも、そのどうしようもないところで、あきらめず突き進む3回目で、上手くいくことは割とあるかもしれません。いわゆるゴリ押し?(自分は恋愛市場ではかなり存在感の薄い立場だったので、あまり語れることがありませんが。)

そして、3回目でも駄目なら、そのまま突き進むのは、かなり危険です。相手も警戒するリスクが高くなってきているので、慎重にしなくてはいけません。もはや、ストーカー路線に片足突っ込んでいる状態ともいえるので、潮時かもしれません。縁がなかったと諦めるのも大切です。

そう、縁なんですよね。最終的には。そう思いません?

自分が神様の立場だったら、一度であきらめないやつは応援したくなります。二度目でもがんばっていたら、うまくいくためのヒントを教えてあげたくなります。三度目でも、駄目だったらもう見込みがないと、矛先を変えるようにアドバイスしたくなります。

そう思うと、恋愛じゃなくても、何事でもやり遂げたいことがあるなら、一度の失敗で諦めるのは、時期尚早な感じがしてきました!

今回、これらのことわざを通して分かったのは、何事もすぐには諦めるな!三度は挑戦してみよう!諦めるのはそれからってことですね。失敗の理由を考えて、PDCAサイクル(plan, do, check, action)を回すことも大切です。

やっぱり、ことわざは面白い!前向きになれる内容だと、力が涌きますね!

以上、トリリンガル的思考での表現考察でした。

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