日本の農業
農業の研修や法人就農・自営をやってきて、今の「日本の農業」のについて感じたことを書いておきたいと思います。
【島国日本の農業】
日本は全方向を海に囲まれた資源の少ない島国です。
これは、人類が活動を始めてから変わらない日本の地理的条件。
そんな環境下で、縄文時代より稲作が九州に導入されて以降、落ち葉や雑草を堆肥にしたりと、少ない資源をうまく活用して自然の摂理に従った農業生産が開始されていました。
【江戸時代の農業】
江戸時代までの農業生産は、植物由来のぼかし堆肥や牛や馬の糞から作った堆肥が使用されていました。また、栄養価が高い人糞を至高の肥料と捉えていて、庶民よりさらに栄養価の高い食事を摂られていた殿様の糞尿は高値で売買されていたと言います。
この時代の農業が最も自然的で栄養価が高い、生物としての人間が欲する職としての野菜の生産がされていたのではないでしょうか。
【戦前の農業】
大正時代以降日本では、急激な人口増加に伴い食料生産の問題が発生しました。
大正時代までの、人糞や有機肥料を使った農業生産では作物の成長に時間がかかったり、ほとんどが手作業のため栽培面積も増やせないといった事態になっていました。
【化学肥料の登場】
そこで登場したのが、化学肥料。
化学肥料が導入されたことにより、作物の成長を加速させ効率的に生産できるようになって来ました。
戦後にもなると、急激な人口増加により農業には化学肥料が欠かせない存在となっいきました。
【現代の農業】
戦後日本の工業化に伴う画一的な生産が主流となった高度経済成長期には、農業生産の形態も変わり、「大きさ・形・色」といった見た目を重視とした生産基準が農協を中心に形成され、規格の判断基準となりました。
ここで、農業者が利益を得るための手段は
「いかに多く・大きい規格のものを・効率的に・経費をかけないで」
生産することという体型になりました。
さらに、農村地域(地方部)の人口流出に伴う人口減少により農作物の販売先が東京・大阪・福岡といった大都市圏に集中するようになりました。
そのため、地元の特産品を地元で食べると言う機会が減っています。
また植物が直接栄養吸収できる化学肥料の使用で土壌中の微生物の存在意義がなくなり、微生物・小動物等の生物性の減少により、土壌のバランスを支えることができなくなっています。
そして現在、土の環境が悪くなったことで栄養価の低い作物ができたり、作物ができなくなってきたりという弊害が起こり始めています。
この現状をなんとかしないと、日本の農業はダメになってしまうのではないかと感じています。
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