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中国の本ベストセラー2021年3月ノンフィクション

「JD.com(京東商城、ジンドン)」は中国シェアNo.2を誇る巨大ECサイトです。中国でのECプラットフォームシェアはアリババグループと京東が2強となっています。

(京東についての参考記事▼)

京東はアリババより、本の販売に力を入れていて、そして自社物流「京東物流」は中国全土に広がる物流ネットワークをもつ強みを生かした結果、中国人は本を買うとなると、本を特化した中国オンライン書籍販売最大手当当網(ダンダン)以外、京東で買うのは一般的となっています。

中国の出版専門業界誌「出版人」なども定期的にベストセラーのデータを公開したりして、その時使われるのは大体京東のデータとなります。

ここで、「出版人」が発表した2021年3月の京東のベストセラーを共有したいと思います。

その中に、日本のどんな本が人気なのか、中国でどんなニーズがあるか、参考になれれば幸いです。

【ノンフィクションベストセラー】

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2位は中国で地位をずっと保ってきている「嫌われる勇気」。(ダイヤモンド社)

3位は、「像巴菲特一样投资」(仮訳:バフェットのように投資)

この本は、マンガ形式で投資用語、賢い投資の仕方を解説している初心者向けの一冊。そして、10億元規模(1元約16円)を手掛けている投資ファンドの専門家による監修と解説も盛り込まれている。

中国大手中信出版社が2021年3月1日出版したばかりなのに、3月ベストセラー3位にランクイン。現在中国出版業界内で話題となっている。

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4位は日本著者の水野雅登さんの「減糖生活」(日本語版:糖質オフ大全科 by主婦の友社)

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数年前、糖質制限の本は日本で流行っていた時、自分も数冊日本の糖質制限の本を読みました。その時、糖質制限に関する概念はまだ中国であんまりなかったのです。このきっかけで、糖質制限という概念もこれから中国で広がるかな。

昔、中国で健康本は全然売れていなかった。健康に関する情報は本より、動画や、Wechat公式アカウントの情報誌の無料記事を読めばいいという考え方でした。しかし、コロナ後、みんな健康に対する関心が高まって、中国出版社も健康に関する本を結構出して売れるようになりました。

6位は常にベストセラーになっている「半小时漫画中国史」6冊シリーズ(仮訳:30分漫画中国史)

5000年以上の超~長い中国の歴史を漫画形式で30分でわかるといったシリーズ。

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この本自体の企画は実はWechat公式アカウントの情報誌から。(日本でいうと、SNS上での連載)著者の公式アカウントは当時400万のフォロワーをもっていた。中国の読客出版社が本にしたら、ベストセラーとなった。

最初1冊目の出版時期は2017年4月出版、2018年時点ですでに846万部突破、2019年度1000万部突破。

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著者の陳さんんは、現在のフォロワーは当初の400万人から1300万になり、印税収入年間1200万元(約2億円)。中国作家富豪ランキング5位となっています。

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私もずっと日本にいてなかなかこの本を買えないですが、いつか読んでみたいと思います。中国の歴史が長いから、学生時代での勉強は本当に苦痛でした。中国語の書名は「漫画」と書いていますが、日本でいうと、イラスト図解版形式に近いかもしれません。

ただ、このシリーズのイラストは自分の好みではないです。笑

もっとかわいいらしいイラストであればいいなぁ・・って思ったりもして。

日本の出版社は、図解○○についてとても得意だと思います。そういう意味では、このようなシリーズを出したら、そしてもっとかわいいイラストに合わせると、中国でも売れるじゃないかと思います。

14位はclassicの「7つの習慣」

15位はアメリカの輸入本Poor Charlie's Almanack: The Wit and Wisdom of Charles T Munger

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投資、管理、ビジネス、お金・・・に関わる知恵をまとめた一冊。

3位の「バフェットのように投資」、19位の「金持ち父さん貧乏父さん」と、20位の「Poor Economics: A Radical Rethinking of the Way to Fight Global Poverty」(日本語版:貧乏人の経済学 : もういちど貧困問題を根っこから考える)に合わせたら、中国人はお金、資産運用に対する興味がどれほど高いかが伺える。笑

16位はサンマーク出版からの、稲盛さんの「心」

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ここまでは、京東の3月のノンフィクションのベストセラーの共有でした。

3月のフィクション、そして児童書のベストセラーの中、多くの日本の著者がランクインです。次回も中国市場のニーズなトレンドの情報を交えて共有したいと思います。

そのほかにも、これから、中国の出版市場の情報、日本の出版市場との比較、日本の本、中国の本などの情報を随時共有します。

時間をかけて翻訳、整理しているので、フォロー、いいね、シェア、一つでもいただければ~~^^

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