爆速帰宅教員、転職して定時退勤を捨ててみた
私は大学卒業から8年間、公立中学校の教員として働いてきた。
教員といえば、ブラックの中のブラック。
もはや漆黒というか闇レベルのブラック代表みたいな職業。
このイメージは間違っていないと思う。
実際に、定時や土日関係なく働いている人も一定数いる。
中には「学校に住んでます?」レベルの人もいた。
だけど、私はこのような働き方には賛成できない。
教員という仕事が好きで好きでたまらないという場合は別として、定額働かせ放題と揶揄される働き方はおかしい。
そもそも、勤務開始時間よりも前に生徒が学校に来て、勤務終了時間よりも後に生徒が帰るシステムがあり得ない。
しかも、土日は部活の練習だの大会の引率だのと言われ、招集される。
この制度を変えない限り、教員は未来永劫ブラックだ。
だから、私は2年目からほぼ毎日定時で帰るスタイルを貫いてきた。
会議が定時後に設定されている場合は、勤務時間内から始めるように働きかけた。
土日の部活に顔を出すことも4年目で終了。
コロナ禍になってからは、土日の練習も試合にも一度も行っていない。
教員最後の年には、事実上の部活顧問拒否にも成功した。
しかし、勤務時間内に仕事を進めるのには限界がある。
なんせ、授業がパンパンに詰まっているからだ。
私の場合、2校目までは毎日空きコマが1時間が普通だったので、その時間に生徒指導事案が発生すると、日中には何も仕事が進まない。
ただ、こなすだけで終わってしまう。
だから、毎日だいたい6:30頃に出勤し、仕事を進めていた。
でも、定時で帰る。
会議が長引いた時(だいたい毎回)は、終わり次第、光の速さで職員室に戻り、即帰る。
この働き方でも、毎月の残業時間が20~30時間だった。
これでも、学校の全職員の中で私が最短記録だった。
朝は超早い。でも、日が暮れる頃には帰る。
土日もしっかり休む。
大型連休も一切仕事をしない。
公立の中学校の教員でこんな働き方をしている人はかなりレアだと思う。
でも、私はこの働き方に限界を感じていた。
朝早く起きるのがしんどいということではない。
帰る時間が自分で調整できないことが多々あるということだ。
大きなことから小さなことまで毎日ひっきりなしに起こる生徒指導事案、からの保護者対応。
近隣住民からの苦情電話対応、からの現地に学年職員総出の出動。
情報共有で済むはずなのになぜか臨時で開かれる会議、からの長時間拘束。
これから学年主任や生徒指導、管理職になれば、このような事件にもっともっともーーーっと巻き込まれることになる。しかも長時間。
「じゃあ、出世しなければいいじゃん。」
「どんなに評価されなくても給与は安定して上がっていくんだから、自分は使えない教員ですよってアピールすればよくない?」
この考えは確かに一理ある。
絶対に定時で帰るから、イレギュラーな事案には一切対応しません。
だから、担任も外してください。部活の顧問もやりません。
授業はしますが、会議には参加しません。
会議の情報は紙面orタブレットで確認します。
と言えればね。
ただ、そんな働き方は現実的ではない。
それに、継続性と再現性が皆無。
なにより、何も楽しくないはずだ。
きっと周りも大迷惑だと思う。
仕事は人生の3〜4割を占めると言われている。
だからこそ、仕事を心の底から楽しみたい。
もう自己犠牲で働くのは終わりにしよう。
そう思い、私は3月末で退職する。
ちなみに、次の職場の定時は9:30~18:30。
直属の上司に話を聞いたら、朝はだいたい9時過ぎから出勤し、夜は19:00~19:30の間に帰る人が多いらしい。
帰る時間は自分でスケジュールを調整すれば、定時に帰ることも可能だそうだ。
教員時代と比べると朝はかなりゆっくりできる。
いつもは早朝に子どもを起こさないようにこっそり家を出て出勤していたが、もうその必要はない。
でも、その分、帰りは遅くなる。
だから、今までと違って、帰ってから家族と過ごす時間は減ることになる。
特に、まだ小さい子どもと触れ合える時間は0に等しいかもしれない。
それは正直、とても寂しい。
だから、毎朝家族と過ごす時間を大切にしたい。
私は転職を機に、約7年続けてきた定時退勤を捨てる。
でも、その代わり、転職で望むもの(以下5つ)は全てGETできる第一志望の企業から内定を獲得することができた。
・市場価値を高められる業務内容
・副業ができるワークライフバランス
・自宅から無理なく通勤できる勤務地
・生活レベルを落とさない年収
・安心して働ける職場の雰囲気
何かを得るには何かを捨てなければいけない。
だから、私は定時退勤を捨てる。
でも、今のところ後悔はない。
むしろ、4月から始まる新しい人生にワクワクしている。
万に一つも教員に戻りたいと思ったら、その時はきっといつでも戻れるだろう。
教員はこれからも慢性的に不足しているだろうから。
ただ、もう一度この業界に戻ることはないと思う。何も期待できないから。
今はただ、早く仕事に慣れて社会に貢献したい。そんな気持ちでいっぱいだ。
教員としての働き方に限界を感じ、転職を視野に入れているが、 次のキャリアをどうしようか悩んでいて困っている。
そんな人の背中をこれからも押し続けます☺️
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