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羽貫さん、あぁ、羽貫さん

2020年はどういう年でしたか?
 ーはい、「歯」の一年でしたね。とにかく歯のトラブルに悩まされました。今すぐ清水寺に行って大きく「歯」と書き「これが今年の漢字です!!」と大声で叫びたいくらいです。

2020年、正月。
私が優雅にシャワーを浴びているときであった。口の中に異物を感じた私はペッとそれを吐き出した。何やら白い固形物。大きさは米粒半分くらい。「あら何かしらん」と思ったのも束の間、歯から激痛が発せられ全身を駆け巡る。空襲警報空襲警報!!
「あかん!こりゃ歯が欠けたぞな!!」

これは数少ない自慢だが、私は虫歯になったことがなかった。
歯並びは悪いものの頗る健康で、小中学校の歯科健診もオールパス、かれこれ10年は歯医者に行っていなかった。

しかし私は、「私は虫歯にならないんだ~」という慢心を、大学生と言う怠惰な生活の中で歯以上に磨いてしまったのである。
「今夜はもう酔っちゃった~、明日の朝磨けばいいや。」
「歯磨きしたけど、コーラ飲みたいなぁ…。」
「今夜は1本タバコ吸うかぁ。」
歯へのダメージも、塵積って山となる、である。

欠けた歯は正真正銘の虫歯であった。
そこから私は、

虫歯4本治療、
内2本は銀歯挿入、
親知らず2本抜歯、
虫歯予備軍の歯の治療、
を約半年かけておこなった。

晴れて娑婆の世界に戻ったのは7月。

ところがどっこい、先月銀歯の下の歯茎がプク~~~と腫れ、再び激痛がはしった。不思議ですよねぇ、たった1本の歯が痛いだけでな~~んにも集中できなくなるの。マジ勘弁。

再び戸を叩いた歯医者さんで、
「これはかみ合わせによるものですかねぇ、ひとまず様子見で」
あぁよかった、と胸をおろしていたのも束の間、
二週間後、先生の態度が一変、まわりの歯科助手さんたちもアタフタ。さらには、実習に来ていた3人の学生が私のもとへ集められ、先生から学生へ私の歯についてなにやら説明が始まった。専門用語のオンパレードの中、「あぁよくわからんが私は見世物にされているな、どういうことかしらん、とりあえず私に説明を…」と思いながら口を開け続けた。

結論は「歯が割れている」。
歯が割れる、神経死ぬ、その周りの骨(歯)がなくなる、歯茎と隙間があく、その間に細菌が入って歯茎が腫れていた、ということらしい。
どうも私の歯は、エナメル質の形?が人とは違う形らしくそれが一因でもあるとのこと。

「はぁこれはどうなるんですか?」
「最悪1本歯を2本に割ります。」
「…それ、絶対痛いですよね?」
「麻酔打つから大丈夫だよ~ハッハッハ」
いやその麻酔が痛いねんと思いながら、私も「そうですか~」と笑う。

歯を割る割らないの判断は来月である。
もし歯を割ることになり、その手術を無事終えることができたら、ずっと担当してくれているにも関わらず10か月間距離感が微塵も縮まらない可愛い歯科助手さんとデートさせてください。



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