最近つくった美味しいもの

 どうも、また懲りずにさぼてんさんだよ。
 アドカレ第三段が爆誕し、自由に執筆していいよと解き放たれたものの、さりとてセカンダリ記事の内容がなぁ、などとぼやいていたら、ひらめさんに「ご飯の話をしなよ」とありがたいご助言を頂いたので、のっかろうとおもいます。

 今回の記事のテーマは「ご飯の話」。
 しかも、写真とか計量とか、そういう「レシピ記事になくてはならないもの」の一切を省いていきます。めんど、ゲフンゲフン。不得手なので。
 あと単にこれは言い訳だけど、そんな綿密に計算されたプロのレシピとかじゃないし、各ご家庭で「好みの味」「好みの火の通り方、煮崩れ方、柔らかさ」ってあると思うので、基本的にはそっちに寄せてください。
 さぼてんさんは単に指標を提示するのみです。

 よし言い訳おしまい。では此処数日に食べたご飯や、TLで交わしたごはんの話題を必死に思い返しながら、「やってみたらいいよ」とおもった諸々について紹介していきましょう。
 普段Mastodonでは文字数の都合で削っているおせっかい成分をふんだんにねじ込んだくどめの語りで進行する、レシピのテイの実質エッセイなので、色々ご勘弁くださいね。


大根のカレー

 実家から大根が2本届いたものの持て余し、いくぶんか萎びてきた金曜日。
 そうだね、金曜カレーだね!!!
 というわけでこしらえたのがこちらです。

材料と工程

【必須】大根、お肉、だしのもと、めんつゆ、カレールー、ごはん。
【歓迎】福神漬けとからっきょうとか温泉卵
 お肉の種類はなんでも良いと思います。安く手に入ったやつでたくさん作りましょう。カレーなんて冷凍しときゃなんぼあってもいいですからね。
 なお前提として、うちでは「フライパンで具材を炒めては鍋に積み上げていく」作法にてカレーを作ってます。フッ素加工してないお鍋で炒めものするの怖くて。
 そのへん平気だよ、鍋で炒めているよ、というご家庭は、下記の工程3,4あたりはいい感じに読み替えてください。
 では工程を追っていきましょう。

1.基本的にカレールーの箱裏にのっとった分量で具材を準備する。
  今回当家では、いちどに結構たくさん作れるバーモントカレー一箱に対して、鶏もも550と大根小サイズ2本でした。スーパーで見かけるご立派な大根だったら、バーモントカレー一箱に対しては1本でも多すぎるでしょうね。
 ましてバーモント以外の銘柄だと一回で作れるカレールーの量が多くないので、大根1/2本とかでいいかもしれません。
 

2.顆粒出汁orだしパックみたいなやつで出汁をとる。
 箱裏に「いれろ」って書いてある水の分量だけだし汁を用意します。

3.肉を炒め、鍋に投ずる。
4.脂っこくなったフライパンで大根を炒め、鍋に投ずる。
 ここでは大根だけを野菜として採用してますけど、別に人参いれても玉ねぎいれてもいいです。炒め加減は「うっすら透き通る程度」です。どうせ煮込むし、完全に火を入れる必要はありません。
 肉のうまみ(あぶら)がもったいないので必死に大根に吸わせようとしただけです。

5.具材の揃ったフライパンにめんつゆを入れる。
 大根が入るし、ちょっと和風に寄せたかったので。あとからカレールーが入るので、味付けほどは入れなくて構いません。なんか醤油の風味がするかしら? くらいで結構。

6.煮込む。
 あまり煮ると大根が融けて消滅します。今回当家では大根に味を含める工程も兼ねて、一度沸かし、予熱で火を入れながら冷まし、もう一度沸かす形としましたが、そんなに時間がない場合は一回強く加熱して収量でもいいです。カレールー大明神がなんとでもしてくれます。

7.ルーを投じる。
 火を消して(ここめっちゃ重要)ルーを投げ入れて、予熱でじんわり煮溶かします。工程6の半ばくらいから、混ぜたら混ぜたぶんだけ大根は削れて縮んていきます。麻婆豆腐のお豆腐ちゃんに近い存在だと思えば間違いありません。
 なので、ルーは「かき混ぜて溶かす」よりも「油脂分が熱で溶けてほどける」イメージで溶かすほうが大根が残ります。
 ちなみに火を落とすのは、カレーにいい感じのとろみをつけるため。沸いていないお湯のなかに均一にカレールーを行き渡らせた後に加熱して沸かすと、鍋の中で一様に小麦粉が糊化してとろみがしっかりつきます。

8.とろみが付いたら完成!
 出、出ー! 和風大根咖哩ー!!!
 任意の薬味、トッピングと一緒に楽しんでください。

サーモンの親子丼

 えっ、買って切って乗せるだけじゃん。って思ったでしょう。
 おっしゃるとおりです。でもひと手間、ひと手間だけ加えてください。
 結論からいうと、いくら醤油漬けにニンニク風味を足すと美味しいです。

材料と工程

【必須】サーモン刺身用、いくら醤油漬け、ごはん(酢飯じゃないよ)、ごま油、すりおろしニンニク、お塩
【歓迎】青ネギ、ノリ、胡麻等の薬味

 話がシンプルすぎてカレーのときほど書くことがないので、番号ふっての項目分けはありまーせん。TIPSも特にありませーん。
 サーモンを一口大に刻んで、お塩とすりおろしニンニク、ごま油でいい感じに和えます。ナムルのイメージです。
 ここの塩味といくらの醤油味だけでごはんを食べようというメニューなので、ちょっと奮発していいお塩で作るときっと幸せ。今回当家では対馬の藻塩を採用しました。
 温かいごはんを器に盛り付け、いくらとサーモンナムルを盛り付けて(美的にいくかワイルドにいくかは任せます)、わしわしと食べてください。
 いくらのごときお高いたべものをアレンジするなんて従来恐れ多くて出来なかったのですが、今回「いくらあるよ」「アッ忘れてたけどサーモンもあったよ」的に五月雨式に献立をこしらえた結果、本来生じないはずのいくら+にんにくのマッチングが成立した感じです。
 これからの年越しシーズン、縁起物だとか年取り魚だとかいうのでいくらをたべる機会があるでしょうから、思い出してみてください。

低温ローストポーク

 低温豚はあぶない。それはそう。できたら温度管理ができるように、突き刺せるタイプの温度計や金串を用意したうえで作って欲しいなぁ。
 何度もこのレシピで作ってますが、当家はいまのところ健康です。
 でも妊娠中の方は生ものNGっていうし、避けたほうが良いのかな。
 レシピの出自としては、アメリカンポークの公式レシピをより勘弁にもう1段階雑にアレンジしたもの。加熱時間等が気になる方はぜひ本家サイトもご覧ください。

材料と工程

【必須】豚肉ブロックひとかたまり、塩、任意の香辛料
【歓迎】任意の主食(イモ、パン、ごはん等)、任意のソース

1.豚肉を室温に戻す
 本レシピはいわゆる低温調理です。肉の芯がヒエヒエだと加熱ムラが生じてあぶないので、かならず焼成の1時間前には冷蔵庫から出しといてください。
 このとき、塩をはじめ任意の調味料をすりこんでおくと味と風味が染み込んでごきげん。とはいえ塩だけでも別に構いやしません。良い塩であればごきげん度合いが増すのは言うまでもありません。当家ではカルディとかに白い円錐形みたいなプラボトルで売ってる南極の塩を愛用。
 いや、精製塩じゃないから美味しい気がするし、多くて安いからさ…。
 あと、お肉が入ってきた発泡スチロールのトレーは直ちによく洗ってとっておいてください。後で使います。

2.豚肉をアルミホイルにビッチリくるむ
 本家レシピではバットに水を張り金網をおいて豚肉をのっけろ、とあります。
 しかし世のご家庭がみんながみんなデッカいバットや金網があるわけではありません。少なくともうちにはありません。
 ところで本家サイトには、以下のような記述があります。

オーブンから肉をとり出し、肉汁を閉じ込めるためアルミホイルにくるみ、20分ほど休ませてから7mmほどの薄さにスライスする

 私は考えたわけです。ここで焼いた肉は、将来的にアルミホイルにくるまれて寝かされる運命にあります。
 じゃあ、最初っからアルミホイルにくるまれていたって変わらないよな?
 いやもちろん表面の水分の抜け具合とか焦げ目とか、色々オープンな空間で焼く意味は絶対あるんです。それはそう。
 とはいえ、デカいかたまりを買った日には90分ちかくあぶられ続ける肉の表面、保護しといたほうが柔らかく焼けないか? 
 あとバットがあんまり汚れないから洗い物楽だよね。

 というわけで、下味をつけた豚肉はアルミホイルでギチギチに巻いて(空気は断熱効果が高いので焼きムラが出来て危ないです)、バットに転がします。
 これにより焼き締まって豚からでた肉汁が豚とアルミホイルとの間に滞留し、湯煎焼きのような構造になることも期待しています。

3.120度に予熱したオーブンで60分以上焼く
 もうあとは好きなだけ焼いてください。
 温度が低いので、オーブンの予熱はすぐ完了すると思います。「オーブン予熱しとけ」と上のほうで明示しなかったのはそのせいです。
 本家サイトでは、500グラムの塊で60分の焼成を推奨しています。
 しかし実際スーパーで豚ブロックを買う時、500グラムぴったりの塊で売っていることはないと思いますので、適宜増減させてください。
 基本的には増やす一方になると思います。

4.焼け具合を確かめる
 オーブンが鳴いたらアルミホイルのすきまから温度計を突き刺してください。
 このとき、紅い肉汁が流れてくることがあります。豚肉の焼き具合を確認する古い言い回しとして「透明な肉汁が出たらOK」という事があるので、「肉汁が紅いからだめだな」と思われるかもしれませんが、豚肉の低温調理において肉汁の色はそんなに参考にならないので、考えなくていいです。
 厚生労働省の基準では、豚肉の低温調理に際しては、肉塊の中心温度下限は63度、30分以上の加熱が必須です。63度以下の場合はさらに焼いてください。
 温度計がない場合の苦肉の策として、金串を突き刺してしばらくおき、下唇に当てる、というものがあります。この場合も「ぬるいなー」とか「あったかい」の場合は危ないです。「あっつ!!」くらいまでは温めたいところです。
 どっちもない場合には、本件を諦めるか、自己責任のうえ神様に祈ってください。

5.予熱調理
 さっき肉のトレーを洗っておいてもらいましたが、保温に便利なので使います。発泡スチロールは保温性が高いからね。
 バットから取り出した豚肉をアルミホイルのままプラトレーに乗せ、もう一層アルミで巻いたり布巾かぶせたりバスタオルで包んだりと、ご家庭で提供できる最善の保温体制でもって20分前後寝かせてください。
 予熱で火を通しながら、肉汁を落ち着かせます。

6.スライス!
 あんまり薄いと食べ出がないし、あんまり分厚いと食べにくいので、好みを勘案しながらいい感じになさってください。
 熱いうちにたべても柔らかくていいし、冷たくしてもおいしいです。保存はききます。マッシュポテトと一緒に盛り付けたり、丼にしたり、サンドイッチにしたり、任意の食べ方で楽しんでください。
 和風の薬味を足せば日本酒のお供にもなりますし、ワインやウイスキーなら容易に相手取れることは言うまでもありません。
 ただし低温調理的なうすピンクの肉のおいしさは、冷やしたものを再加熱すると高い可能性で失われます。熱いうちのおいしさは不可逆です。この一点のみ頭の端っこに置いていただいて、喫食温度帯は勘案してください。

 クリスマスから年越しのこの時期、牛や鶏の値段は間違いなく跳ね上がりますが、豚だったら上がり幅もまだマシかなと思います。
 スーパーでデッカイ豚をみかけたら、思い出してみて頂けたら嬉しいです。

 以上――おわり!
 4750文字!
 お付き合いありがとうございました!

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