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【カターレ富山】10年ぶり 苔口以来のハットトリック　ホーム　愛媛FC 戦　2023 J3リーグ第29節(2023/10/1(日))

さば（カターレ富山を全力応援）

前節、アウェイで長野に敗れて5位に転落。
連敗は許されないところ。

１　ハイライト

試合のスタッツ

２　スタメン

スタメンは5人入れ替わる。
下堂に代わって大畑、大野に代わってマテウス、柳下に代わって大山、坪川に代わってアルトゥールシルバ、野口に代わって伊藤。
下堂、柳下、坪川、野口はメンバー外になり、神山、碓井、林堂がサブメンバー入り、また、サブのゴールキーパーも柴崎から平尾に代わった。
並びはゴールキーパーが田川。ディフェンスラインは4バック右から、大山、大畑、今瀬、安光。
ボランチに末木とアルトゥールシルバ、2列目は右に椎名、左が伊藤、ツートップがマテウスと佐々木陽次。

愛媛は出場停止の選手がいるのでそこを1人代え、それ以外は前節と同じ。

３　流れをつかむも逆転を許す

序盤から流れをつかみ、開始10分までの間に3度のコーナーキック。
まずは相手に勢いをつけさせない。
愛媛にもチャンスはあったが、決定的なものはない。

そして、20分、アルトゥールシルバが自陣でボールを奪われてピンチになりかけたところ。
今瀬が奪って前にいたマテウスにつなぎ、そこからカウンター。
マテウスがドリブルで進み、両脇に伊藤とアルトゥールシルバ、少し遅れて椎名が上がって4人対3人の状況を作り出す。
マテウスは左の伊藤にパスし、すぐに伊藤はそれを折り返してグラウンダーのクロス。
マテウスには合わなかったがそれを拾ったアルトゥールシルバが右足でゴール左に蹴り込み、これで欲しかった先制点を奪った。
実に美しいカウンターだった。

その後、愛媛が攻勢に出て、しばらくはうまく跳ね返していたが、31分、愛媛右サイドの疋田がファーサイドへクロス。左サイドバックの安光と愛媛右サイド曽根田の競り合いになったが、曽根田に頭で合わされ、あっさりと追いつかれた。
何とかもう少し競り合って欲しかった

今節も失点して、嫌なムードが影を差して来たところ。
富山の右サイドから攻められることが増えてきた。
しばらく愛媛の流れが続く。
そして、愛媛の左サイド茂木がゴール前に走り込んだところ、中の石浦からボールが出て、そのボールをクリアにいった大山が茂木を倒してしまい、これがPKに。
これは愛媛のエース松田力に決められて逆転を許す。

結局、前半はこのまま終了した。

4　チャンスとピンチがあるがスコアは動かない

1点を追う富山は、伊藤に代えて碓井、佐々木陽次に代えて松岡を入れ、1.5列目にアルトゥールシルバを上げ、松岡を2列目右、椎名を左に回し、碓井はボランチの位置に入った。

53分、自陣でボールを奪った椎名からのカウンターでマテウスが自陣からドリブルで進んでコーナーキックを獲得。
そのコーナーキックの流れから最後は碓井と末木がシュートするが、末木のシュートは枠を外れる。

碓井が中盤に入っていろいろなところに顔を出してうまく流れをつかめるようになった。

その後もマテウスのドリブルからコーナーキックを獲得。
コーナーキックが2回続いたがシュートには至らず。

57分、松岡の突破からコーナーキックを獲得。
60分、松岡からマテウスにパスがつながり、マテウスがシュートもGK正面。
63分、愛媛は松田力と石浦を下げ、ベン・ダンカンとアウェイでの対戦でハットトリックをされた深堀を入れてきた。
だが、この2人の交代は正直こちらにとって助かった。

66分、富山も椎名に代えて大野を入れて、大野がトップに入り、マテウスは2列目左サイドに入った。
68分、松岡がゴール正面で倒されて得たフリーキックは、末木、大山、安光とつなぎ、さらにその後の流れで、末木、マテウス、アルトゥールシルバとつないでシュートは、相手GKが弾き出す。
その後のコーナーキックからの流れは相手GKにキャッチされて一旦終わる。

70分を過ぎても富山は流れをつかめている。
ボールを回してチャンスをうかがう。
74分に決定的なチャンスが。
安光の逆サイドへのパスが松岡に出て、そこから松岡の左足のシュートがファーサイドのポストに当たる。

そのほぼ直後、逆に愛媛のチャンス。
富山の左サイドでボールを奪われてから愛媛のカウンター。
ベン・ダンカンがフリーでシュートするが、これはバーに当たり、決定的な失点は免れた。

5　痛快の逆転劇

その後もお互い攻撃の仕合いになる。
安光が上がって攻撃に絡み、末木も存在感を増すが、逆に空いた富山の左サイドを狙われて、愛媛の右からフリーでクロスを上げられるが正確性を欠く。

何とか追いつきたい富山だが、なかなか試合を動かせない。
そして、富山がボールを持つ時間が長くなってきた79分から80分にかけてチャンスが訪れた。

ディフェンスラインの今瀬から左サイドの安光に強めのパスが出て、そこから安光がゴール前の空いたスペースへパスを出す。
走り込んだアルトゥールシルバがすぐに右足でシュートし、これにゴールキーパーはほぼ反応できず、スコアは2−2になった。

後半に入って流れはつかんでいたが、なかなかゴールを奪えずに苦しくなっていたところで、この得点は大きかった。
チームはすぐに逆転へと向かう。

その後、86分、愛媛の攻撃をGK田川がボールをキャッチして止めたところから。
ピッチの外では高橋駿太と神山も控えていた。
田川が中盤でフリーになっていた安光にスローイングでつなぎ、安光がドリブルで前進。
その後、マテウス、松岡とつなぎ、松岡が粘ってゴールラインぎりぎりから中へクロス。
これをアルトゥールシルバが頭で押し込み、ハットトリックで逆転。
スコアを3−2とひっくり返した。

その後、富山は89分に安光に代えて神山、末木に代えて林堂。
以降は大野を中心に全員が体を張ってボールをキープし、時間を進める。

試合はそのまま終了。
3−2で首位愛媛を敗った。

6　チームのレジェンド苔口を思い出す試合

試合が終わって最高の試合になったが、80分までは苦しい試合だった。
後半、流れをつかみながらもなかなか得点できず、こちらのシュートはポストを叩き、なかなかゴールを割れない。
さらに相手にチャンスを作られ決定的なゴールを奪われそうになったところ、相手の精度に救われた。

80分、安光のアシストからのアルトゥールシルバのゴールで追いついて余裕が生まれ、さらに逆転ゴールはしばらく結果が出ていなかった松岡が6試合ぶりのアシストをして、アルトゥールシルバのゴールを生み出した。

春に4試合連続ゴールをしてから長くゴールがなかったアルトゥールシルバも前節のゴールから一気に今節3得点。
自身初のハットトリックというおまけつき。

また、この試合はマテウスも良かった。
直前のトレーニングマッチで2ゴールをあげて調子がいいのは何となくわかっていた。
今日は、ボールを持って前に進む、加入時直後のような見ているものを驚かせるプレーをたびたび見せてくれた。
彼自身、２列目がベストポジションなのかなと思っていたが、今後もこのプレーを続けることができれば、トップでも活躍できそうだ。

アウェイでハットトリックをされた愛媛相手に、逆にホームでハットトリック。
これ以上ない試合になった。

チームとしてリーグ戦でのハットトリックは、2013年のアウェイ福岡戦での苔口以来となる。
ホームでは初の快挙。
会場にいた苔口も紹介され、久しぶりにチームのレジェンドに脚光が当たった。

また、この試合からかどうかはわからないが、印象に残る幕があった。

2012年、J2で降格制度ができた初年度に不調に陥って15試合勝ちなしで最下位に落ち、降格が迫った時があった。
その時、確か7月頃からだったと思うが、「残留」という大きな幕が出るようになった。

それを思い起こす「昇格」という幕。
偶然だが、2012年、16試合ぶりの勝利をあげたのが愛媛戦でその試合をきっかけに残留へ進んだ。
その時ゴールをあげたのが、ハットトリックで注目を浴びた苔口。
不思議な縁を感じる。
その時と同じように、愛媛戦をきっかけとして昇格へと進んでいってほしい。

7　出場メンバーについて一言

MVP
MF 30 アルトゥール シルバ
　ハットトリックで文句なし

SVP（さば的視点MVP）
FW 10 マテウス レイリア
　好調さを見せて、前線への推進力を与えた
DF 5 今瀬 淳也
　1点目、2点目の起点になる、2失点も彼に責任を求めるのは酷か

スタメン
GK 21 田川 知樹
　広い守備範囲でチームに貢献。逆転ゴールは彼のスローイングから。
DF 25 安光 将作
　1失点目は何とか防ぎたい。後半は攻撃に絡み2点目をアシスト。
DF 5 今瀬 淳也
　同上
DF 3 大畑 隆也
　4試合ぶりのスタメンで勝利に貢献
MF 20 大山 武蔵
　推進力は見せたが、2失点目のPKを与えてしまう　
MF 16 末木 裕也
　後半になるにつれて存在感を増した
MF 30 アルトゥール シルバ
　同上
MF 32 伊藤 拓巳
　前半だけで交代したが先制点をアシスト
MF 7 佐々木 陽次
　前半だけで交代
MF 22 椎名 伸志
　見せ場は少なく、1失点目のクロスを防げず
FW 10 マテウス レイリア
　同上

サブメンバー
DF 23 林堂 眞
　終了間際に投入され、逃げ切りに貢献
DF 4 神山 京右
　終了間際に投入され、逃げ切りに貢献
MF 6 碓井 鉄平
　後半から出場し、チームに安定感をもたらした
FW 8 松岡 大智
　積極的な姿勢で逆転ゴールをアシスト
FW 9 大野 耀平
　得点はなかったが、前線からの守備で貢献

8　選手の出場状況

1 GK 柴崎　メンバー外
2 DF 脇本　メンバー外
3 DF 大畑　4試合ぶりスタメンでフル出場
4 DF 神山　4試合ぶりメンバー入りから途中出場
5 DF 今瀬　3試合連続フル出場
6 MF 碓井　3試合ぶり途中出場
7 MF 佐々木陽次　3試合連続スタメン
8 FW 松岡　3試合連続途中出場
9 FW 大野　3試合ぶりサブから途中出場
10 FW マテウス　8試合ぶりスタメンでフル出場
13 MF 安藤　メンバー外
14 DF 下堂　メンバー外
15 MF ガブリエル エンリケ　メンバー外
16 MF 末木　4試合連続スタメン
17 MF 坪川　メンバー外
19 DF 柳下　メンバー外
20 MF 大山　15試合ぶりスタメンでフル出場
21 GK 田川　18試合連続スタメンフル出場
22 MF 椎名　5試合連続スタメン
23 DF 林堂　3試合ぶりメンバー入りから途中出場
25 MF 安光　3試合連続スタメン
26 MF 鍋田　メンバー外
27 FW 吉平　メンバー外
28 MF 柴田　メンバー外
30 MF アルトゥール・シルバ　5試合ぶりスタメンでフル出場、ハットトリックで3得点
31 GK 齋藤　メンバー外
32 MF 伊藤　3試合ぶりスタメン
33 MF 髙橋馨希　メンバー外
39 FW 高橋駿太　3試合連続サブ
41 FW 碓井聖生　メンバー外
42 GK 平尾　18試合ぶりメンバー入り
47 MF 野口　メンバー外

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