『創造的な習慣』特別クロストーク対談
アナログゲームデザイナーへのロングインタビュー企画『創造的な習慣 ~アナログゲームデザイナーはいかにしてクリエイトするのか』をスタートする記念として、《第1集》にご登場いただいた林尚志さん(OKAZU brand)と山田空太さん(imagine GAMES / UTSUROI)とのクロストークをお届けします。
ロングインタビューを終えて
── 今企画のロングインタビューにご協力いただきましたが、長いインタビューの収録を終えて、どんなことを感じられましたか。
林尚志(以下、林) あらためて自分を見返すことができたので、良い機会をいただけたと思っています。たぶん普段はあまり考えて生きていないんです‥‥(笑)
── 林さんは普段からきっと体系立ててデザインのことを考えていらっしゃったのだと思っていました。
林 お酒を飲んだりすると、よく喋ったりはするんですけど、具体的な文章になるように、ということは普段していないので。
── 意外です。長いインタビューの中では、いつも考えていることを順序立てて話していただいているように感じていました。非常にわかりやすく、明快なお話でしたから。
林 いやいや、そんなことないです、アバウトですよ。
── 山田さんはいかがでしたか。インタビューを受けて、なにか感じられることはありましたか。
山田空太(以下、山田) ぼくも同じで、この機会にふり返ってみることができて「良かったなぁ」というか、自分の中で整理ができたと思いましたよ。
── わざわざ訊かれることがなければ、具体的には考えていなかったことを言葉にしていただいたという感じですか。
山田 そうですね、普段考えてはいないこともあったし、ぼくの場合は後日、原稿をかなり修正させてもらったじゃないですか。自分の話した部分を読んで「しょうもないなぁ」と思ったので‥‥。それで修正し始めると止まらなくなっちゃったんですけど(笑)
── 修正は何度も重ねましたね。
山田 いやあ、でも修正する前の段階の原稿は、内容がなかったですね。
林 だいぶ修正が入っているんですか?
山田 だいぶ入ってます。8割くらいは修正入れたんじゃないかな(笑)
林 8割ですか!
── とは言え、初稿と最終稿を比べても、内容はほぼ同じでしたけどね。山田さんの修正は、論点を伝わりやすくするためのものでしたので。お二人とも収録時間は同じくらいで、初稿の量も同じくらいだったんですが、山田さんの最終原稿は三割増しくらいになっていましたね(笑)
双方の原稿を読んで感じたこと
── それぞれの原稿はもちろん目を通して修正などもしていただいているわけですが、「林さんには山田さんの原稿を」、「山田さんには林さんの原稿を」それぞれ最終段階で読んでいただきました。特徴の異なる他のデザイナーのインタビューを読んでみていかがでしたか。ご自分の考え方、やり方と全然違っているところや、似ているところなどいろいろあったかと思うのですが。
林 違っていると思ったところは、やっぱり山田さんが「コンセプト決め」にすごく時間をかけられている、というところですね。これはビックリでしたね。
山田 ああ! そうですか。
── 山田さんは「コンセプト」をしっかりと確立してデザインするというポイントに重きを置いていますよね。
林 そうですよね、なんか八割くらい「コンセプト」という感じがして。まるでアイデア商品を生み出す時の作り方みたいですよね。
山田 そうですね、たしかにそんな感じはありますね。
── 逆に、山田さんは、林さんのインタビュー原稿をお読みになってどう思いましたか。
山田 ぼくは正直、原稿を読んだ時には結構近いものを感じましたね。部分的なところは似てるかな、と思いました。すごい共感できる部分が多かったというか。
林 似てる部分、かなり多かったですよね(笑)
山田 多かったですよね! ここはやっぱり同じ気持ちなんだなぁと思ったところ多かったですよ。違いがあるとすれば、「セルフテストプレイ」のところ。
相違点と共通項
── 1人きりで行なうテストプレイについては、本当に対称的でしたね。
山田 セルフテストプレイを林さんはやらないという。そこが大きく違うなと思いました。
林 ぼくの場合だと、自分一人だけでテストプレイすると、そのゲームに対する固定観念が付いちゃうので、やらないんですよね。
山田 まったくやらないんですか。動きが読めないことはありませんか。「ここはどう動くんだろうな?」とかそういうこと、ないでしょうか。
林 プロトタイプを作れた時点で、たぶんどうにか動いているので。
── インタビューの中でもおっしゃってたことですけど。林さんの場合は、1人きりでのテストプレイはしていないにもかかわらず、他人を交えての初めてのテストで「すごく形になっている」というお話でした。ということは「事前に脳内でのテストプレイはものすごく行なっているのではないですか?」と訊いたら、「それはやってます」というお答えでしたね。
林 そうですね。なんというか、サイコロを転がしたり、カードをプレイしたり、ボードに駒を置いたり、という「動作」は頭の中でなんとかやっているんです。
── きっと脳内におけるセルフテストプレイは、何度もやっていらっしゃるんですよね。
山田 なるほど、そういうことですよね。
林 逆に言うと、物理的なモノを使うゲームは実際にやらないと、どうしようもないのでやります。ぼくのゲームなら『ひも電』とか。
山田 ああ!
林 紐を使ってやってみないと、感覚はわからないので(笑)
── 『ジャングリラ』はダイスゲームですが、脳内でサイコロを振っていたんですか。
林 『ジャングリラ』は最初はいきなり友達に見せましたね。
── 他の共通ポイントと言えば、お2人ともテーマを補強するために資料をすごく読み込むということ。そしてゲームに対する他人からの評価などへは一定の距離感を保って対処しておられるというところが共通していると思いました。
林 そうですね、そこは山田さんとまったく同じだなと思いました。
山田 たしかに、たしかに(笑)
林 これ言うと生意気かも知れないんですけど‥‥。テストプレイヤーの人が、そのゲームの「全体像」を知っているわけではないので、その時に意見をもらったとしても、それは「1人」の意見でしかなくて。重要なのは「なぜその人がこういう意見を言ったのか?」というところなんです。
山田 そうですね。
林 その人が言ってくれた解決案は、たぶん本当の解決案ではないんですよ。
山田 きっとそれは本当の解決ではないですよね。
林 別のところに原因があって、奥底に眠っているものが本当の原因なんですよ。
── 常にもっと深いところを見ていらっしゃるんですよね。山田さんも「ひとつの問題を解決する案はアイデアではなくて、複数の問題を一気に解決できるものが本当のアイデア」という話をされていましたね。そういうアイデアはポッと出てくるものではないと。
山田 なかなか出てこないんじゃないですか。突破するようなアイデアはその場で出すというのは難しいですよ。
── 林さんと山田さんはそれぞれデザイナーとしてのタイプが違っていても、距離感や心の置きどころという点については、見解が似ているものが多くて、どこか通じるところがあったのかなと思えて興味深かったです。
山田 そこはたしかに思っていたより、ずっと近いなと思いましたね。
林 ぼくも思いました。かなり近いですね。なんて言うか、アイデアみたいなものは「合議制では決めることはできない」ものなので。
── あとは、お二人とも同時進行でいくつかのゲームを作り進めているということでしたね。
山田 それも同じでしたね。
── 何個ものゲームアイデアを一緒に作って並列にしていることで、また少し距離感をとって考えることができるのかなと思いました。
林 たまに別のゲームのことを考えていると、それが元々メインで考えていたゲームの解決に繋がったりする時があったりするんですよ。「これ、こっちで使えば良いじゃないか」と(笑)
山田 ハハハハ(笑)
林 ひとつのことを考えてると厭きるので。
── それが厭きずにクリエイトし続けるコツかもしれないですね。常に今おもしろいと感じているものを作っていられるわけですから。
クリエイトに専念するための分業化
林 たまにこう、クリエイションでないことを求められる時期があるんですよ。ゲームマーケットの直前とかは(笑) 創作ではなく、製作に入るので。マニュアル書いたりとか、印刷会社と交渉したりとか。それに時間をとられたりします。
── そこのあたりは、山田さんがインタビューでも話しておられた「分業制」になれば良いですよね。
山田 映画業界などは全部「分業」ですよね。
林 そうですね。ハリウッドの映画だと、監督に絶大な権力があるらしいので、たぶんそういうのはあったほうが良いだろうなと思いますよ。
山田 なるほど。
林 たぶん五人もいると進まないので。「ゲームクリエイター=ディレクター」が製品に対する決定権を一番もっていて、「プロデューサー」はあくまでお金を調達したり、広告をしたりとか。アートワークについても決定権は「ディレクター」が持ってるというのが、映画に似た作り方かもしれないですね。
── 少人数のほうが決めやすくて、大人数の場合は、決定権が一人にあるほうが進むんですね。
林 うちは今二人でやっているんですが、「なんでそんなに作れるの?」という話になって、デジタルゲームのクリエイターの方から「二人でやってるからじゃない?」と言われました。
山田 ああ、決定までが早いんですね。そうかもしれません。
林 まあ、「速くたくさん作れる」のと「良いものが作れる」のとは同じじゃないかもしれないんですけど、ぼくは「速くたくさん作れる」ほうで(笑)
山田 いやぁ、でもスピードはすごい大事だと思いますよ。
── 山田さんのスタイルは今ディレクターに近い感じになっているのではないでしょうか。
山田 だんだん、そういういうふうになってきているんじゃないかな、という感じですけどね。
大きなゲーム・小さなゲーム
── 林さんは大きなゲームも小さなゲームも、コンスタントに出されていますけど、現在もまた大きなゲームを作っていらっしゃるようですね。
林 そうですね。大きいサイズのゲームは基本的に作りたいんですけど、「大きい」だけだと今の日本の市場には合わないので‥‥。
── 大きなゲームは海外のほうが受けるのですか。
林 いや、そんなことはないですよ。要するに「このゲームはおもしろかった!」と喋ってくれるのがマニアの方が多いだけで。
山田 そうかぁ(笑)
林 わかりやすいのが、ぼくのゲームの中で一番売れたゲームは『ROLLING AMERICA(ローリング・アメリカ)』なんですよ。でもBGGでは全然点数ついていないんですよ。
── 評価を入れてくれるような層とは「別の層」の人たちがたくさん買ってくれているということなんですね。
林 ゲーマーの人たちは、Twitter や Facebook など、いろんなところですごく喋ってくれるんですよ。YouTube でレビューもしてくれたりするんですけど、『ローリング・アメリカ』というのは、それほどゲーマーに受けるゲームではないので。マスというか、一般層へ向けた作品というのは、あんまり声にしてくれないんですよ(笑)
── 彼らは自分自身の好みのものについて喋ったり、広げたりしたいのだから、好みが偏るのも彼らにしてみれば当然なのでしょうが、やはりそういった傾向があるんですね。一般層の方はたくさん遊んでくれても、普通はそういった声を上げないものですよね。
45〜60分クラスのゲームを作りたい
── 山田さんは家族で気軽に遊んでもらえるようなファミリーゲームを作っていきたいと話しておられましたね。
山田 ぼくはあんまり重たいゲームではなくて、「1時間ぐらいのボードゲーム」を作りたいと思ってますね。
林 ああ、「1時間ぐらいのボードゲーム」作りたいですね。
山田 でも、なんか難しいですよね。
林 いやぁ、1時間のが作れない‥‥(笑)
── 1時間というゲーム時間は思うより短いんですよね。ゲーム中に行なう処理なども含めての時間ですからね。1人1人が行なうことは思いの外に少ないんですよね。
林 「1時間」というサイズのゲームは、なんと言うか、ちゃんと洗練されたメカニクスで、わかりやすくしないといけない部分があるんですが、ぼくはどちらかと言うと、重いゲームを小手先でごまかしている部分が多いので、難しいなという。
── 1時間級というと、小手先が通じない、裸にされるような感じがあるのですか。
林 メカニクスとかテーマとか、どこかで「先鋭化」していないといけない。尖ってないといけないんですよね。そこで魅せないといけないので。メカニクスがすごくおもしろいとか、コンポーネントが凝ってるとか。
山田 うんうん。そうですね。
林 2時間級になると、いろいろごちゃ混ぜなので、わりと小手先が利くんですよね。
山田 大きなサイズだと、たしかに調整でごまかせると思いますね。足し算、引き算がしやすいというか。
── 全体に対する、部分の割合が違ってくるからでしょうか。
林 2時間級のゲームだと、一要素が関わる部分が全体の広さの割に小さいので、そこでちょっとごまかせるところがあるんです。本当は45分~60分くらいのゲームを作りたいんですけど。
── 山田さんの『エンデの建国者』は60分くらいのサイズ感でしたね。
山田 そうですねぇ。ただ、あれはファミリー向けのゲームではないので‥‥。本当はもうちょっと要素を削ぎ落して作りたかったというのがありましたけどね。
林 『緑の砂漠』はファミリー向けですよね。
山田 そうですね。作っている間というのは「これくらいの要素の多さだったらいけるかな?」と思ってやってるんですけど、作っている側が思うよりも、遊ぶ側にしたら重く感じるということもありますよね。
林 わかります(笑) 作ってる途中はすごく「これで、いけるいける!」と思うんですけど。入稿し終わったあと急にそれが、か細くなるんですよ。「これ無理なんじゃない?」と。
山田 アハハハハ。
── それで削って、削って、もっともっとシンプルにまとめないと45分~60分のサイズ感のゲームには仕上がらないんでしょうか。
林 う~ん、ただ「シンプル」というよりは、「わかりやすい」という意味でのシンプルさが必要でしょうね。
山田 どこか「骨太な」要素が必要ですよね。それはうまく言葉で表せないものすけどね。
林 そうですね。たぶんそれが出来たら、一生ボードゲームデザインでメシが喰えると思います(笑)
山田 メシが喰えますね(笑) きっとそれは「ひとつの要素」ではない気がしますね。よくわからないですけどね。45分~60分ぐらいのゲームっていろんなのがあるけど、どれも少しずつ違うと思うので。
── そうですよね。そのスケールの代表的なゲームはどれもカラーが出てますよね。
山田 どこか共通する要素というのはあるかな。
林 たぶん、抽象的に話していますが、1個1個のゲームでそれぞれ違っていると思います。調べてみないと‥‥。
「書籍」と「note」での販売
── この企画では、インタビューを原稿にまとめたものを「書籍」として販売するということと、アーカイブを目的として「note」での販売という2種類の公開方法をとるわけですが、この2種類での公開というのは現時点では例が少ないようですし、実験的な公開の仕方になるとは思います。「書籍」と「note」の両方のやり方で公開するという手法は、今回ご参加いただいたお2人はどんなふうに捉えていらっしゃいますか。
林 「note」は未知数ですよね。自分自身はユーザーとして使ったことがないので「どうなるのかな~」という感じがしますね。でもおもしろいですよね、見てみたいです。
山田 新しい試みなので、ぼくはおもしろいなと思いました。
── 「note」で販売することの利点としては、書籍が絶版して市場から消えてしまった後もアクセスすることが可能だという点です。一年後二年後にこの企画を知った人がいても、後追いで、同じ情報が読めるというのはとても良い点だと思っています。たとえば第三者として、ぼくが今回の企画の林さんと山田さんのインタビューの存在を、後年知ることになったとしたら、どうにかして書籍を手に入れたいと考えるだろうと思います。それでどこにも売ってないことがわかった時に「note」で公開されていることを知れば、ありがたいというか、その時のぼくのような読者にとっては「note」のような存在がセーフティネットになってくれると思うんですよね。
山田 たしかにそうですよね。新しいメディアなので興味深いですよ。
── 電子書籍ではなく「note」での公開を選択した理由のひとつは、長大な原稿を分割して、個別で購入することも可能になる利点があったからです。試し読みの感覚で、部分的に買って読むこともできるようになります。
林 なるほど。つまりお金を払って読むブログみたいなものですね。おもしろいですね。
山田 うん。反応が気になりますね。
「習慣」化について
── この企画のインタビューでは、心の置きどころというか、考え方や習慣といった側面から、クリエイト・創造することを見直すというコンセプトでしたので、おそらく質問の内容が聞いたこともないような類いのものだったり、抽象的な捉えどころのないもので、回答しづらいことが多かったと思いますが、それを懸命にお答えいただいたことで本当に良いものに仕上げることができたと思います。林さんと山田さんのお2人でなければ今回のような内容にはならなかったと思います。とても読み応えのあるものになりました。ご協力いただき、ありがとうございました。
林 こちらこそ非常に素晴らしい機会を与えていただいてありがとうございます。
山田 今回の企画を通して感じた Saashi さんの個人的な感想も聞けたら良いなぁ~。
── お二人にお話しを伺ったのが昨年の5月で、近い期間に連続して収録させてもらったんですね。だからこそ、お2人の内容の対比が明確に感じられて、非常におもしろかったです。お2人に共通していると強く感じたのは、クリエイトするということをご自分なりに考えて、「良いものを作ろう」とすごく楽しんで作っているというところでした。「自分自身にとって心地の良い」「自分がやりやすい」「自分が続けていける」創造の形を選択して、そして工夫して継続されているんだなとすごく感じました。「ああ、自然にクリエイトできるようになるには、やっぱり習慣とか考え方というのは大切なんだな」ということを学びましたね。
山田 「習慣」は大事ですよね。
林 ぼくはですねぇ、まだその「習慣」を証明できてないので‥‥。
── いや、林さんは日々、証明しつづけていらっしゃると思いますよ(笑)
林 ぼくは形式化してはいるんですけど、まだやっぱり「詰まる時」はあるので‥‥。
山田 ぼく自身は「これからだな」という感じがしています。ようやく、今までのことを糧に、クリエイトのやり方を確立できつつある、というところなので。なんか、これから頑張れそうな感じがしています。林さんは、たとえば「この曜日には、これをやろう」みたいなものは決めていますか。朝何時から始めるとか。
林 全然ないです。まあ、テストプレイは絶対、週一でやろうとはしていますけど。
山田 ああ、絶対週一でやっていらっしゃる。それは良いですね。
── 必ず週に一度はテストプレイをなさるんですか。
山田 ということは、必ずそれに向けて改善しないといけないわけだから、その作業は毎週進めているということですよね。それは良いかもしれないですね。
── 日々、進めるということですか。それがリズムにもなるんですね。
林 究極的なことを言うと、結局テストプレイをしないことには次にいけないので。
── それは毎週毎週、同じゲームばかりをテストするわけでもないんですよね。Aというゲームばかりではなくて、BやったりCやったり。
林 ゲームマーケットが近いとほぼAかBばっかりみたいになっちゃいますけど(笑) それ以外の時は、なんかよくわからない謎のCのゲームとかDのゲームとか。正直言うと、その時点ではまだ勝利点どころか、なにをやったら勝ちになるのかもよくわからないゲームもテストしてみたりしてます。
── どうなるかわからない状態でもやってしまっているわけですね。楽しそうですね~!
林 でも、たぶんゲームを新しく作るたびに、方法論は変わっていくと思うので。
山田 それは、そうかもしれない。
林 3年後に聞いたら‥‥。
山田 違うこと言ってるかもしれない(笑)
── それについては書籍の「あとがき」にも明記しておきました。原稿内の言葉は収録時でのお二人の言葉なので、現在の時点ですでに変化している部分があるかもしれません、ということを。進化されていくと、更新さらに更新ということになっていきますよね。
林 ずっとそれをやっている気がします(笑) でもどこかでサイクルにして回したいところはありますよ。そうすることで、考えることやクリエイトすることに集中したいというか。それ以外のことは極力、手を抜きたいという。
山田 サイクル化することでそれを可能にね。
林 サイクル、習慣にしていきたいという思いがあるんですけど、そこまでいかずにたぶん一生終わるんだろうな、と思います(笑)
山田 ぼくも今はすごく習慣的なところを「決めてやりたい」と思ってますよ。もうちょっとうまく時間を作らないとダメだなと最近感じています。インタビューを受けた時点よりも、今はさらに時間をとるのが難しくなってきているので、ますますそう思いますね。だから習慣ですよね。「習慣化」をしようと思っています
林 いやぁ、「習慣化」したいですよ、ぼくも(笑)
── アハハハ。きちんと考えて、習慣化もすでに出来ていると思われるお二人でさえ、さらなる強力な習慣を望んでいらっしゃるんですね。
山田 「月曜日」は資料を読んで、「火曜日」は発想の日で‥‥(笑)
── そこまで決めちゃうんですね! 習慣化したら火曜には発想したくてウズウズしてくるんですね、きっと。
山田 そうそうそう!
── 今回の企画のタイトルは『創造的な習慣』というものなんです。
山田 そのタイトルを聞いて、「ああ、なるほどな」と思ったんですよね。「習慣」という言葉はこの企画にピッタリだなと。
── 本当にありがとうございます。企画の第一歩にご協力いただいたのが、林さんと山田さんのお二人で助かりました。
山田 お役に立てたかどうか、わかりませんが。
── お忙しい中で、ご自身の原稿チェックばかりでなく、今回のクロストークのためにそれぞれの原稿を交換してお読みいただき、ありがとうございました。おかげさまで、今日はとても楽しかったです。
林 山田さんの原稿を読むだけで一時間半くらいかかりました(笑)
山田 すみません、長くなってしまって。
── アハハハ。
山田 でも「書籍」や「note」になるのは楽しみですね。
林 はい。楽しみにしています。
(2017年3月収録)
この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?