映画感想文「バービー」かなりパンチある風刺の効いたコメディ。大いに笑って少し泣いた
かなりパンチある、風刺の効いたコメディ。
バービーの時代を生きてきた年代としては、人ごとと思えず。大いに笑い、ちくりと胸が痛み、泣けた。
お馴染み8頭身でスタイル抜群。ブロンドで碧い瞳のバービー人形が、夢の世界のバービーランドから人間世界に降り立って知る現実と自分探しを描く。
マーゴット・ロビーが、完璧な外見を持ち、悩みなし、いつも陽気でHappyなリアルバービーをイキイキ演じる。
外見も内面もパーフェクト。そして「宇宙飛行士でもドクターでも大統領でも、女の子でもなりたいものになれる」を体現してきたはずなのに。
自分のせいで生きづらくなったとティーンエイジャーの女の子達に責め立てられ、空虚さを覚えていく過程に、「女性が働く」が普通じゃない時代から働いてる身としてはわかりみしかなく、泣けた。
更に相手役のケンを演じるライアン・ゴズリングが最高。バービーランドでは「バービーの彼氏」でしかなく、ビーチにいる人、が職業である何者でもないケンが、俺って何なんだ?を突き詰めてく過程に共感。
やがて人間社会の男らしさに毒されていく様もわかるー、そうなるよねー、と。困ったものだが非常に説得力があり、切なくて胸痛んだ。
そう、これはケンの物語でもある。
ライアン・ゴズリング、ケンを演じるには年齢高くないか?と思ったが、こんなにおバカなコメディをキュートに深遠に演じられ、歌って踊って、ができる人は他にいない。彼以上のはまり役はいないだろう。
ということで、主演の2人ともに、外見の類似もさることながら、コメディセンス抜群でアカデミー賞ものの快演で見応えあった。
しかし、自分も相手も尊重するって難しい。どちらかを踏みにじりがちだよな、と思う。
更に、誰の物差しでもなく、性別や役割でもない、自分らしさが問われてるんだよなーとわかるのだが。そしてそれはそうなのだが。
いや、ほんとはそれがいちばん難しい。
本国アメリカで大ヒット。しかも、ピンクの服着て鑑賞するのが流行ってるそう。
鑑賞した都内の映画館でも全身ピンクの外国人の人達がちらほら。また男女ともにピンクで決めた日本の若者達の集団もいて、大いに賑わってた。
ある意味、お祭り騒ぎ的な熱狂も楽しい。
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