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映画感想文「SUGA | Agust D TOUR ‘D-DAY’ THE FINAL」今をときめく若者の勢いを堪能

搾取していないか、気になる。

歌手や俳優やミュージカルスター。男女問わず、いずれも若者が多い。懸命なパフォーマンス、時に余裕ないくらいのまっすぐな向き合い方。それらを微笑ましく観ながら、ちょっと羨ましいと思いながら、彼らから活力をもらう。

それって搾取ではないのか。

おじさんが若い女の子をみて鼻の下を伸ばすのと、何が違うのか。

たぶん、広義な意味で同じだ。

コンビニで、飲食店で、若者にテキパキ対応された時も、思う。なんと心地よいのだろうと。

もちろん年齢が上の方にも気持ち良い対応は存在する。しかし、そこにいるだけで職場が明るくなるような存在するだけでありがたく思えるような活力は、若者特有のものだ。

生物としての生命力の煌めきが、そこにある。

その煌めきは周囲を癒す。だから過疎化した村に若者がくれば活力が生まれるし、新入社員が入ると会社は活気付く。それは紛れもない真実だ。

それを享受しながら、最近感じるのは後ろめたさである。その輝きを搾取しているような気持ちになる。

大なり小なり人は自然と与え合う。しかし、いまの自分は、その煌めきを与えることができない域に達してしまったのかもしれない。だから、自覚的に後ろめたさを感じてるのか。

BTSを全く知らない私が、ファンである後輩に勧められ観たコンサート映画。

一部の楽曲は良かった。しかしここまで人気があることは理解できなかった。それでも、彼らは素晴らしい。私がターゲットではないだけだ。

そこには煌めく若さがあった。コンサートの素晴らしさよりもそっちに気を取られ、なぜ若者は周囲に与えることができるのか自問自答した84分間。

いまを制する若者の勢いを充分に堪能できるコンサート映画であった。

韓国のヒップホップグループ「BTS」のメンバーSUGAのソロコンサート。ソウルで行われた最終公演のスクリーン映像。音響のよい映画館でぜひ。

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