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映画感想文「ディア・ファミリー」驚きの実話。思い持つ個人が世界を変える

実話だというから、驚きだ。

1970年代の愛知県。町工場を経営する坪井夫妻の次女ヨシミ(福本莉子)は生まれつき心臓に疾患を抱えていた。

そんなある日、20歳まで生きられないと医者に宣告される。ショックを受ける父(大泉洋)と母(菅野美穂)。しかし彼らはそこで諦めなかった。嘆くだけではなく、行動した。

全国の医者をリストアップし、何か策はないか相談。時には海外まで医者を訪ね歩いた。

そこで見えた唯一の希望、人工心臓。

なんと、そこからの夫妻は全くの素人にも関わらず、数億の私財を投資。娘の命を救うため、工場の技術力を遺憾なく発揮し、人工心臓の実現にチャレンジする。

世界中で17万人を救った大動脈内バルーンカテーテル誕生秘話。

世界を変えるチャレンジは、立場や経験スキルが勝つのではない。より強い思いを持った人が実現するのだとしみじみ思う。

読後感の良き、清々しいストーリー。

偉業を成し遂げた父親役、芸達者の大泉洋が出ずっぱりで魅せる。芝居の上手い下手を超えて、この人は人を魅了する。思わず惹きつけられ、目が離せない。そんな吸引力のある俳優さんである。

また妻役の菅野美穂も好演。明るくお茶目でまっすぐな昭和の女を見事に体現していた。

ということで、誰が見ても間違いない安定の作品。

尚、2024年現在、人工心臓はまだ実現していない。

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