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映画感想文「パティモン5 望まれざる者」移民と行政の対立描く意欲作。解決する力を学びたいと強く願う

確かにひどい。

クリーンな市長のやることは非人道的ではある。しかし、それに対して暴力を振るっていいかと言えば、それは絶対にNOである。

だから主人公アビーの彼氏ブラズの行動には興醒めした。それに比べてあくまでも選挙で戦おうとするアビーの心意気は支持できると思えた。

フランスのパリ郊外。移民が暮らすエリア「バティマモン5」。古くからの団地を建て替えようとする行政と住民たちの争いを描く。

棚ぼたで市長になった小児科医のピエール。持ち前の潔癖さで街をクリーンにしようと奮闘する。しかし四角四面の彼の政策は住民と行政の溝を深めるばかり。またその施策により彼自身も恨みを受ける。よって家族も含め、抜き差しならない状況に陥っていく。

正直いって。移民達の様々な暴挙に引いた。

確かに行政はひどいかもしれない。それでも怒鳴り返したり暴れたり火をつけたり、そういうことしても事態は悪化するだけだ。

かたや正論、かたや無謀で乱暴な行動、どちらもいけてない。

そう言う意味では、住民が可哀想とも思えなかったし、市長のとる行動が正解とも思えなかった。

そんな私は所詮は日本という恵まれた国に住む能天気な人間なのか。

それでも綺麗事かも知れぬが、話し合うという人間らしい行為で対立は解決したいと強く願う。そのための自分のモヤモヤを言葉にする力、相手を理解する力、をつけたいとしみじみ思う。

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