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【1時間で分かる】デジタル・WEBマーケティング入門

4月から新卒としてデジタルマーケの企業に就職します、橋本と申します。
このnoteは、デジタルマーケティングに興味のある学生や社会人を想定読者とし、デジタルマーケティング・Webマーケティングの基礎の部分に焦点を当てて書いております。

なので、デジタルマーケティング・Webマーケティングの実務経験があり専門的な知見がある人には物足りない内容になるかもしれませんが、これから知見を深めたいという学生や社会人の中でも未経験で企業のWeb担当になった方や、副業、Web系のフリーランスになりたいと考えている方にとって、デジタルマーケの基礎を理解できる有益なものになっているかなと思います。
(もしデジタルマーケ・Webマーケに従事されて知見がある方に読んでいただけている場合、記事中に間違いがあればご指摘いただけると嬉しいです。大変喜びます!)

最後には、情報の移り変わりが激しいデジタル・Webマーケティング業界における情報収集のやり方や時事ネタ、お勧めの書籍やメディアなどもまとめようと思っています。
恐らく1時間以内で読破できる情報量になっておりますので、ぜひ最後までご覧ください!

はじめに

デジタルマーケティングはあくまでマーケティングにおける手段の一つでしかなく、まずは土台であるマーケティングにおける基礎知識や、戦略策定までの理論・手順を知ったうえで理解を深めていくのが得策だと思っています。

実際に、このnoteを書くにあたって軽く再読した牧田幸裕さんの著作である「デジタルマーケティングの教科書」においても、まずはマーケティングに関する話からスタートしています。


なのでこのnoteでも同様に、まずはマーケティング全般の話から触れた上で、デジタル/Webマーケティングについて書いていきたいと思っています。
具体的には
▶マーケティング概論
▶デジタル/Webマーケティング概論
▶時事ネタ・書籍・メディアの紹介

の3つの章に分けて書いていきたいと思います。
それでは早速マーケティング概論から始めていきます!

マーケティング概論

そもそもマーケティングとは?

そもそもマーケティングとは何でしょうか。
一般的にマーケティングとは「売れる仕組みを作ること」と言われています。
Wikipediaではマーケティングと調べると以下のように述べられています。

価値あるプロダクトを提供するための活動・仕組みである。
すなわち「顧客・クライアント・パートナー・社会にとって価値あるものを、創り伝え届け交換するための、様々な活動・プロセス・組織」がマーケティングと呼ばれます。

Wikipediaより

また、近年では売り切り型ではなくサブスクリプション型のサービスが増えたり、買い切り型であってもデジタルマーケティングの発達により、消費者と企業の双方向のコミュニケーションが取れるようになったことから、ただ売れる仕組みを作ることだけではなく「売れ続ける仕組みをつくること」がマーケティングと言われています。

売れ続ける仕組みつくりといっても具体的にどんなことやるの?と疑問に思う方もいると思うので、ここで一つ具体的な事例を足立光さん、土合朋宏さん著作である「マーケティング大原則」より抜粋します。

【マーケティング事例:地方のスーパーマーケットの「崩れ煮卵」の話】
とある地方のスーパーにて、味付き煮卵を販売していたが、パックに詰める際に卵が割れてしまったりするケースがあり、割れた一部を「訳アリ品」として激安で販売していた。
また、手作りであることから大量生産することが難しかった。
この、卵が割れてしまうというデメリットを、少し割れたり崩れている方が味がしみ込んでおいしくて旨いという美味しさで訴求し、「崩れ煮卵」として販売。
また、大量生産が難しいというデメリットは、一日限定〇〇個という打ち出し方で訴求し、販売した。
その結果として「訳アリ品」が一躍人気商品となった。

「マーケティング大原則」より引用

また、マーケティング入門書ともいわれる森岡毅さんの著作の「USJを劇的に変えた、たった一つの考え方 成功を引き寄せるマーケティング入門」では、マーケティングについて以下のように述べています。

マーケティングの本質とは「売れる仕組みを作ること」です。
どうやって売れるようにするのかと言うと、消費者と商品の接点を制する(コントロールする)ことで売れるようにするのです。

USJを劇的に変えた、たった一つの考え方 成功を引き寄せるマーケティング入門 より

ここまでの説明を通してマーケティングが「売れる仕組みつくり」であり、「売れ続ける仕組みつくり」であることは理解していただけましたと思います。

マーケティングの種類

顧客に選ばれる必然を作る、売れる仕組みつくりというマーケティングの本質の部分は変わりませんが、マーケティングには対象顧客が法人なのか個人なのかで大きく2種類に分けることができます。

顧客が個人のケースをBtoC(Business to Consumer)といい、顧客が法人のケースをBtoB(Business to Business)といいます。

BtoCマーケティングは、分かりやすい例で言うと飲料や嗜好品など、一般消費者向けのものがそれにあたります。
例えば、ファブリーズやアリエールで知られるP&Gや、マミーポコパンツやシルコットウェットで知られるユニ・チャーム、どん兵衛などのカップ麺で知られる日清などが挙げられます。

こういった消費財や飲料、サービス業等はローテク業界と言われ、価格帯がほとんど等しい上に技術力で差別化が難しいため、マーケティングに優れた企業が多いとされています。
なので、マーケティングの著書で取り上げられる事例ではBtoCの企業が多いです。

ターゲットが幅広いので、手法としてはCMSNS広告など、多くの消費者にアプローチできるような施策を取られているケースが多くなります。

私自身マーケティングの勉強もかねて、様々な企業の公式Twitterアカウントをフォローしているのですが、ペプシや日清は非常に面白いので興味ある方はフォローしてみてください。
(消費者として見て楽しむのもいいし、マーケ視点で他社との差別化のためにどうしてこういうアウトプットに至ったんだろうと考えてみるのも面白いと思います。)

他にも、マクドナルドやコカ・コーラなど、よくマーケティングの本に取り上げられているような事例はほとんどがBtoCマーケティングになります。

一方、BtoBマーケティングに関しては、法人向けビジネスになるので、IT系のツールや、オフィス家具といった、個人の日常生活とは縁遠く、企業向けの単価が高いケースが多くなります。
ターゲットが企業の担当者や決裁権を持っている人になるので、手法としてオフラインであれば展示会出展など、オンラインであればセミナー・コンテンツマーケティングなどが挙げられます。

また、CMは幅広い消費者に向けてアプローチできるためBtoCマーケティングにおいて多用されると言いましたが、セールスフォースやラクスル(法人向けのネット印刷サービスを展開している)といったBtoBマーケティングでも手段としてCMをされている企業も徐々に増えてきました。(Sansanやビズリーチなども有名ですね)

圧倒的なシェアを取りに行きたい(指名検索を増やしたい)や地方の中小企業(SMB)を開拓したいといった際にBtoBであってもマス向けの施策としてCMをやっているケースは多いです。

以下の記事はラクスルがBtoBでCMを使って成功したという事例です。
ラクスルの田部さんは界隈では非常に有名な方で、つい最近もロート製薬やスマートニュースでマーケティングを経験し著書も書かれている西口一希さんとの対談記事があがっていました。
そちらも含め非常に参考になると思います。

最近、大谷翔平選手が出演しているCMで話題のセールスフォース


また話がそれますが、一部例外として、社員のエンゲージメント向上のために年末年始になるとCMを打ち出すようなBtoBの企業もあるそうです。
(自分の会社のCMが流れる→年末年始は家族や親戚で集まっていることが多いので、家族・親戚一同でCMを見る→社員にとっては鼻が高いし、自慢できる、またはちゃんとした会社で働いているという親や親戚を安心させられるといったロジック)

ここまでの説明で、マーケティングにはBtoCとBtoBがあり、本質は同じであってもそれぞれ手法が異なるというのは理解して頂けたと思います。
では次に、マーケティングにおける戦略策定について説明していきます。

マーケティングにおける戦略策定

▶戦略と戦術
マーケティングの基礎として「戦略」と「戦術」の違いを理解しておく必要があります。

「戦略」は、全体が進むべき方向性の事を指し「戦術」は、戦略を遂行する具体的な手段のことです。

英語・TOEICの勉強で例えるとするのならば
TOEICの点数を100点上げて目標の点数を取得するために、苦手なリスニングに力を入れて点数を上げに行くというような、点数を上げるためにどういう方向に向かって走っていくのかが戦略。
リスニングの点数を上げるために、オンライン英会話を始めるなどといった戦略に紐づいた具体的な手段が戦術になります。


マーケティングにおける全体像

CMや広告といった普段から見たり聞いたりするものは下図における戦略実行の部分であり、そのアウトプットに至るまでに、環境分析から戦略立案を経ている。

マーケティングで有名な某テーマパークの内定者と話した際、研修で逆ブリーフ(最終的なアウトプット・戦略実行の部分から逆算して戦略立案や環境分析をすること)をしていると聞きました。

ちなみに逆ブリーフという単語が出たのですが、そもそもブリーフというのは事業会社が依頼する広告代理店に送付する依頼書のようなものです。
詳しくは以下Webページよりご覧ください。
もしマーケティング思考を鍛えたいという人はやってみてもいいかもしれません。

では次に「環境分析→戦略策定→戦略実行」それぞれの段階で押さえておくべきフレームワークが存在するので、それぞれに解説していきます。

▶PEST分析
PESTとはそれぞれ自社を取り巻く外部環境が、自社の事業に及ぼす影響を把握したり予測したりするために用いられます。
Politics(政治)Economy(経済)Society(社会)Technology(技術)の4つの観点の頭文字をとってPEST分析としており、世の中を大きく4つの切り口から分析できます。

▶SWOT分析
SWOT分析とは、自社の強みや弱みといった内部要因と、おかれている市場における機会と脅威といった外部要因を分析するのがSWOT分析といいます。
Strength(強み)Weakness(弱み)Opportunity(機会)Threat(脅威)の4つの頭文字をとってSWOT分析としており、戦略策定の前後で使用されるケースが多い。

▶STP分析
STP分析は市場の中で自社の立ち位置を明確化し、自社の製品やサービスを本当に必要としている人は誰なのかを明確にしていくために用いられます。
Segmentation(セグメンテーション)Targeting(ターゲティング)Positioning(ポジショニング)の3つの頭文字をとってSTP分析としています。

▶4P分析
4P分析は、STP分析のあとに自社の立ち位置が明確になったうえで使用されるケースが多い分析手法です。
Product(製品やサービス)Price(価格)Place(販売場所)Promotion(販促活動)の4つの頭文字から4P分析となります。

【補足】
この4つのPを見た時に、Place(場所)が一番イメージがわきにくいかなと思います。
「Allbirds」というシューズブランドを例にとって説明します。

Allbirdsは環境に配慮した商品で知られているシリコンバレー発のシューズブランドであるが、日本参入時に自社のブランディングや模倣品対策の観点からAmazonであえて販売しないという戦術を取っています。
(現在はAmazonでも販売している模様)
このようにどこで販売するかというのはマーケティングにおいて戦術の一つでもあり、直近の売上向上に執着するだけでなくブランド価値(ブランドエクイティ)を保ち中長期的な売上向上を目指すのもマーケティングの役割です。

また少し脱線しますが、模倣品対策に関する話は、東証一部上場企業の代表でありながら現役マーケターでもある北の達人コーポレーションの木下さんが出演されているYouTubeが非常に有益なので、さらに知見を深めたい方は視聴してみてください。

▶3C分析
3C分析は事業計画やマーケティング戦略を決める際に用いられます。
Customer(市場・顧客)Company(自社)Competitor(競合)の分析をする手法で、事業計画やマーケティング戦略を策定する際に用いられます。

【補足】3C分析における競合の捉え方について
3C分析における競合の捉え方は非常に重要なのですが、ちゃんと理解できていない人が多かったりします。
例えば「ネクタイ」と「ネクタイ」が競合になるのは理解できるかと思いますが、「ネクタイ」と「財布」に関しても実は競合になります。

なぜなら、商品カテゴリーは違っていても「父の日ギフト」や「彼氏へのプレゼント」「新社会人へのプレゼント」といった切り口で見ると、競合になり得るからです。

就活生であるあるなのは、遊びメインのテニスサークルの部員集めのために新歓で周りのテニスサークルと差別化して人集めたという話。
飲みや遊び中心のテニスサークルの競合はガチのテニスサークルではなく、飲みや遊び中心のフットサルサークルやバスケサークルだったりする可能性もあるのですが、個々を考え切れず面接で撃沈してしまう学生は結構いると思います。

どこを競合とみるかは消費者視点で考える必要があり、ここはマーケターとしてのセンスが問われます。


▶ロジックツリー
ロジックツリーは物事を要素分解して、思考を整理したり、全体像を理解するのに使用される。
「本当にそうなの?」という縦の論理と、「本当にそれだけ?」という横の論理を意識して取り組むことで抜け漏れなく整理できます。

▶WHO-WHAT-HOW
マーケティングにおいては、何をするかというHOW(手段)が先行しがちですが、そもそも誰に対して何を訴求するかというWHOとWHATを明確にしたうえでHOWを考えていくことが重要です。

▶AIDMA(アイドマ)
消費者の購買までの心理をプロセス化したものがAIDMAである。
Attention(注意)Interest(興味)Desire(欲求)Memory(記憶)Action(行動)の5つの頭文字をとって、AIDMAと呼ばれる。

全く知らない状態から商品を認知し、興味を持ち、使ってみたい・解体と思うのでその商品について記憶する。
そしてタイミングが来たら購入に至るという流れのことである。

マーケティングにおいて自分たちが狙っていきたいターゲットがどこにいるのかや、どの層が多いのかによって取るべき施策が異なってきます。
また、カテゴリーの浸透度のことをカテゴリーペネトレーションとも言い、このあたりは以下の記事が参考になるのでぜひ読んでみてください。


▶AISAS(アイサス)
Attention(注意)Interest(興味)Search(検索)Action(行動)Share(共有)
の5つの頭文字をとったのがAISASであり、インターネットが普及した現代の状況を反映した購買決定プロセス
興味や関心を持つまではAIDMAと同じであるが、興味を持った後に検索して調べて購買し、シェアするところまでが一連の流れになります。
この後に紹介するZMOTでも出てくるが、消費者が購買前にネットで検索するといった行動が活発になってきているからこそ出てきた考え方でもあります。


▶MECE
Mutually Exclusive Collectively Exhaustiveの略で、もれなくダブりなくという意味。読み方は「ミーシー」
ロジカルシンキングにおいて基本とされている概念の事で、真の課題を発見していくにあたって役に立ちます。

▶FMOT/ZMOT
FMOTはエフモットと読み、First Moment Of Truthの略であり、顧客が商品棚の前に立った数秒間で売上が決まるとする理論。
P&GではCMでなかなか成果が出ずに、商品のパッケージを工夫し陳列棚の並び方や見え方を工夫したことで売上を上げることに成功したという事例もあります。

ZMOTとはジーモットと読み、Zero Moment Of Truthの略であり、現代の消費者の多くが購買前にネットで情報収集し大方の意思決定をしているという理論

買い物する際に、店頭に行く前から商品・サービス・ブランドを調べほとんど意思決定をしている。

つまりインターネット上に情報が無いと、そもそも消費者の比較検討対象にすらならないケースすら考えられることができ、勝負の土俵にすら上がれずにコンペに負けてしまうという事態に陥ってしまうという可能性もゼロではない。
こういった消費者の行動の変化があるが故に、SEO対策やコンテンツマーケティングを通して、Web上でのアプローチが重要になってきます。

ここまでマーケティングに関する全般の知識を解説してきました。
マーケティングはもっと奥深いので、他の書籍や記事コンテンツなどで勉強してほしいのですが、大枠の基礎はこれまでの内容で網羅できているのではと思います。
次からはデジタル/Webマーケティングについて述べていきたいと思います。

デジタル/Webマーケティング概論

デジタル/Webマーケティングの種類

そもそも本題に入る前に、デジタルマーケティングとWebマーケティングでどう違うの?という疑問があると思います。
このnoteはあくまでデジタルマーケティングに興味のある学生や企業のWeb担当者を想定読者としているので、そこまで深入りはせずにざっくり大枠を解説していきたいと思います。
詳しく知りたいという方は以下の記事を見るなどしてください。

▶デジタルマーケティングについて

最初の方で紹介した「デジタルマーケティングの教科書」ではデジタルマーケティングを以下のように定義しています。

「デジタルマーケティングとは、データドリブンでターゲット消費者へ製品やサービスを認知させ、消費者の購買前行動データに基づいて興味・関心・欲求を醸成し、購買データを取得する。購買データと購買後の消費者の評価データをもとに製品開発、サービス開発への示唆を得る。
これらのデータを、ECチャネルとリアル店舗から取得し、同時に、消費者に最適な購買体験を提供する、一連の活動をいう。
これらの活動の目標は、消費者との関係性を深め、最終的に消費者のAgentになることである。」

デジタルマーケティングの教科書より

また、これらの抽象的な定義をもっと具体的に書いてあるので、もっと深く勉強したいという人はぜひ読んでみてください。

また、先ほどの定義を見て、抽象的でさっぱり理解できなかった方もいるのではないでしょうか。

そういった方向けに再度簡潔にまとめると「データの活用やWeb上での活動を通して、売上向上や全体的な業務効率化といった企業活動のよりよくしていく一連の活動がデジタルマーケティング」といった言葉が適切なのかなと思います。


▶Webマーケティングについて

デジタルマーケティングがカスタマージャーニー全体におけるデータ活用をカバーしている一方で、Webマーケティングというのは、顧客獲得がメインになってくるので、顕在層から潜在層に存在する見込み顧客に対してWeb上で、SEOなのか広告なのか、はたまたインフルエンサーマーケティングといった様々な施策の中からどうアプローチして事業の売上を伸ばしに行くかを考え実行するのがWebマーケティングになります。

ここまででデジタルマーケティングとWebマーケティングの違いについてなんとなく理解していただけましたでしょうか。

次からはデジタルマーケティングやWebマーケティングにおける具体的な手法について解説していこうと思っているのですが、デジタルマーケティングに関しては非常に複雑で奥が深く、僕自身も書ける自信が無いので、ここでは割愛させていただき、Webマーケティングにおける具体的な手法である「SEO」「広告」「SNS」「データ活用」の4つについてそれぞれ解説していこうと思います。

デジタルマーケティングに関してもっと知りたいという方は、最後の方に参考文献を紹介していますのでそちらをご覧ください。
また、参考になりそうな記事をいくつか挙げておくのでそちらも参考にしてみてください。


SEO

まずはSEOについて書いていきます。
SEOとはSerch Engine Optimizationの略であり、検索エンジン最適化の事を指します。

検索エンジンやYouTubeなど各媒体にて、意図したキーワード「〇〇とは?」などで検索した際に上位表示されるようにすることをSEO対策という。

また、MAP上で上位表示されるようにすることをMEO(Map Engine Optimization)ともいいます。

▶SEO対策について

検索エンジンで上位表示させるためにGoogleは「ユーザーに焦点を絞れば、他のものは後からついてくる」ユーザーファーストを提唱しています。

そんなユーザーファーストを提唱するGoogleが運営している検索エンジンにおいて、上位表示を目指すにあたって重要な要素は①企画・人気要素②内部要素③外部要素の3つになります。
それぞれ解説していきます。

【①企画・人気要素】

これは非常にシンプルで、面白いWebサイトやネット記事・動画コンテンツには多くのアクセスが集まり、それをGoogleが人気のコンテンツとみなし検索順位が上がるというロジックです。

なのでSEO対策をするにあたって、ユーザーが求めている情報とは何かを考え、企画に落とし込んでいくという力が求められます。

【②内部要素】

内部要因には技術要因コンテンツ要因の2つの側面があります。

∼技術要因∼
技術要因とは、ざっくり言うとWebページの中にどれくらいキーワードを入れるかや、Webページのタグの使い方などが挙げられます。
「SEO 対策」で上位表示させたいサイト内に「SEO対策」の文字が一切入っていなければ、Googleの検索エンジンに「SEO対策」と検索している人にとって有益な情報だとは認識されません。
また、逆にキーワードが多すぎてもいけません。

∼コンテンツ要因∼
コンテンツ要因とは、コンテンツの量と質の事を言います。
同じテーマについて書いてある記事コンテンツでも、200字程度なのか800字程度なのかだと、後者の方がユーザーにとって良いページなのではと判断されます。
ただ文字数が多いといいという訳ではなく、ユーザーにとって適切な情報量・文字数を心掛けることが大切です。

【③外部要因】

外部要因というのは①リンク元の数と質②ソーシャルメディアからの流入③サイテーションの3つがあります。
分かりやすく言うと、良い論文が多くの人から引用されるのと同じで、良い記事コンテンツやWebサイトは多くの人から引用されるため、そういうWebページはGoogleが人気コンテンツであると判断するのと同じです。

▶そもそもなぜSEO対策は重要なのか?

SEO対策がなぜ重要なのかというと、顧客の購買行動の変化にあるといえます。
前半のマーケティング概論の方で述べたように、店に行ったり営業の話を聞く前にWebで検索するといった、比較検討フェーズのユーザーの行動(ZMOT)が活発になってきており、Web上に情報が無かったり、ユーザーに情報が届かなかったら、そもそも比較検討対象にすら上がらず勝負の土俵にすら上がれずに商談に負けてしまうというケースに陥りかねません。

【再掲】
▶FMOT/ZMOT
FMOTはエフモットと読み、First Moment Of Truthの略であり、顧客が商品棚の前に立った数秒間で売上が決まるとする理論。
P&GではCMでなかなか成果が出ずに、商品のパッケージを工夫し陳列棚の並び方で売上を上げることに成功している。
ZMOTとはジーモットと読み、Zero Moment Of Truthの略であり、現代の消費者の多くが購買前にネットで情報収集し大方の意思決定をしているという理論。
店頭に行く前から商品・サービス・ブランドを調べた際にほとんど意思決定をしている。
つまりインターネット上に情報が無いと、そもそも消費者の比較検討対象にすらならないケースすら考えられる。
なのでSEO対策やコンテンツマーケティングが大事。

ちょっと前より

▶コンテンツマーケティングとは?

先ほどSEO対策がなぜ重要なのかについて述べました。
Webサイト経由での集客数を増やしていくにあたって、お役立ちコラムやブログといった記事コンテンツ、その他ユーザーにとって有益な情報を通してリード(顧客の情報)を獲得していく手法をコンテンツマーケティングといいます。

コンテンツマーケティングの考え方はアメリカ発祥であり、Content Marketing Instituteによる定義を見てみると

Content marketing is strategic marketing approach focused on creating and distributing valuable,relevant and consistent content to attract and retain a clearly-defined audience - and ultimately to drive profitable customer action.

Content Marketing Institute : What is Content Marketing?より引用

としており、ざっくり和訳すると
「コンテンツマーケティングというものは、ユーザーにとって価値のあって関連性のある有益なコンテンツを通して、明確に狙っている顧客との関係性を維持したり引き寄せたりするための戦略的なアプローチ、最終的には顧客の行動を自社の利益につなげること」としています。(つたない英語力で訳したので間違っているかもしれないが多分あっている。)

ではそんなコンテンツマーケティングに取り組むメリットとデメリットをそれぞれ述べていきます。

▶コンテンツマーケティングのメリット
コンテンツマーケティングに取り組むメリットはたくさんありますが、ここでは3つ紹介します。

【メリット①資産となり中長期的な広告費の削減を実現】
書いた記事コンテンツは削除されない限りどんどん自社の資産として積み重なっていきます。
広告であれば予算をなくした瞬間に、広告がストップしてしまうが、コンテンツは資産として残るため、一時的に記事作成や予算をストップしても継続的に一定程度の集客が見込めるのが特徴です。
年々広告費が高まっていたり、近年のクッキー規制により、精度の高い広告出稿が難しくなる中でも安定して効果が見込めます。

【メリット②良質な見込み顧客の獲得】
コンテンツマーケティングの場合は、特定のキーワードで検索されなければ記事コンテンツが表示されないので、良質な見込み顧客の獲得が期待できます。

例:大阪の美容室
「大阪 美容室 おすすめ」といったキーワードで上位表示されるような記事を書けば、その記事を訪れる人は少なくとも大阪で美容室を探している人である可能性が高いので、来店や認知につながる。
(実際は、飲食店系や美容系は食べログやホットペッパーが強いので上位表示させるのは難しかったりする。SEO対策は全ての業界で効果が出る万能薬ではない)

【メリット③顧客ロイヤルティが高まる】
記事コンテンツを通して、いつも有益な情報を提供してくれる会社と認識してもらえば、何かあった時に問い合わせを頂いたりなど、顧客が会社に持つプレファレンスが高まる。

ここまで
①資産となり中長期的な広告費の削減を実現
②良質な見込み顧客の獲得
③顧客ロイヤルティが高まる

の3つのメリットを挙げましたが、次はデメリットをいくつか挙げていきます。

【デメリット①効果が出るまでに時間がかかる】
広告であれば、広告を出した瞬間からユーザーの目に届けることができるが、記事コンテンツが上位表示されるためには約半年間ほどかかると言われているので、目に見える成果が出るまで時間がかかります。

【デメリット②難易度・専門性が高い】
記事コンテンツを上位表示させるためには、ユーザーにとって有益な記事を書く必要があるが、有益な記事を書くために狙うべきキーワードの選定や分析、記事構成の立案、記事を書いた後も分析し、リライト施策にも取り組む必要がある。

これらを実施するにあたって、GoogleアナリティクスやGoogleサーチコンソールなど専門的なツールを使用する必要があるので未経験の人がちゃんと運用して、成果を出すとするとかなり難しい。

また、上位表示させるだけではなく、その後のCVRを上げようとするとなると、どこにCTAを設置するかなど考慮すべき点がいくつもあるため非常に難しいというデメリットがあります。


ここまでざっくりコンテンツマーケティングのメリットとデメリットについて述べていきましたが、もっと詳しく知りたいという人は以下の記事を参考にしてみてください。

また、SEOはもっと奥が深いので、SEO検定の書籍で勉強したり、Webマーケティングについて情報発信しているメディアを見るなりして知見を深めていってください。
以下の記事がとても参考になりますし、このnoteの最後の方にも参考になる書籍やメディアを紹介していますので、ぜひ参考にしてみてください。


広告

SEOの次は広告について解説していきます。

広告には「運用型広告」「純広告」の2種類存在します。

▶運用型広告
検索連動型広告(リスティング広告)など、ネットワークに存在する広告枠に対して、オークション形式でリアルタイムに入札される。
特定の狙ったキーワードで表示をさせるため、顕在層にアプローチしやすいのが特徴です。

以下の画像における「完全食 BASE BREAD-【ベースフード】」というタイトルの左上に「広告」とあると思います。
このように意図したキーワード(この場合は「完全栄養食」や「栄養食」)が検索された際に広告を出すのが運用型広告です。

費用等の柔軟な調整が可能で、詳細の効果検証をもとにした改善ができるため、高い成果を得やすいという特徴があります。

また運用型広告に関しては「検索連動型広告」「ディスプレイ広告」の2種類あります。

【検索連動型広告】
ユーザーが興味を持つであろうキーワードを指定し、そのキーワードで検索された際に表示される広告、広告っぽさが無くクリックされやすいのが特徴。

【ディスプレイ広告】
ユーザーがWebサイトを見ている間に表示される「バナー広告」
目を引くようなデザインでユーザーを引き付けることが可能
年齢・性別などを指定し、サービスに興味を持つであろう人に対して配信できる。

▶純広告
狙うキーワードや予算の設定や、年齢性別などでターゲティングする運用型広告とは異なり、Web媒体の広告枠を買い取り、一定期間画像や動画を掲載する予約型広告のことを純広告といいます。
以下の画像における緑の枠で囲っているところになります。

運用型ほど、どれくらいクリックされたかみたいなデータは見れないが、大きな枠を買い取っているため、目につきやすくユーザーの記憶には残りやすいのが特徴です。


▶運用型広告について

ここまで広告には「運用型広告」「純広告」の2つがあると述べましたが、まず「運用型広告」について詳しく述べていこうと思います。

運用型広告には純広告と比較した際に①開始・停止の柔軟さ②クリック課金型③配信ユーザーを決定できる④PDCAが回しやすいなど、大きく4つのメリットがあります。

【メリット①開始・停止の柔軟さ】
掲載できる期間が決まっている純広告に比べて、運用型はボタン一つで開始や停止できるものが多い。
SEOやコンテンツマーケティングは結果ができるまでに時間がかかるが、広告はすぐに効果が見込める。

【メリット②クリック課金型であること】
興味を持って広告をクリックしたユーザーが意図的に設定したユーザーに広告表示された際にしか、無駄なコストはかからない。

【メリット③配信ユーザーを決定できる】
年齢・性別・デバイスなどの詳細を決定できるので、意図したユーザーにのみ配信することが可能(よくYouTubeで〇〇駅にお住いの20代男性のあなた~みたいな広告のやつ)

【メリット④PDCAを回しやすい】
広告ごとに、キーワードごとに細かく実績データを確認できるため、定量的なデータに基づいた検証や改善が可能。

ここまで運用型広告には2種類あるということと、メリットについて述べてきました。
では次にそれぞれの使い分けについて述べていきたいと思います。

▶検索連動型広告とディスプレイ型広告の使い分け

検索連動型広告は、指定したキーワードで検索結果の上位に広告が出るので、CV獲得に向いているのが特徴です。

一方で、ディスプレイ広告は、WebページやSNSの広告枠に表示するため「検索連動型」よりも幅広くアプローチできるので認知拡大に向いています。

例えば、以下でサイトを載せているボイスコミュニケーションツール「nock」みたいに、認知度が低く、商品名が知られてない系の商材は、どういったキーワードで表示させるのが適切かを設定するのが難しく、年代などでターゲティングできる

ここまでは主にGoogleやYahoo!といった検索エンジン・Webサイト上での広告について述べていきましたが、SNS広告をはじめとしたその他の広告についても述べていきたいと思います。

▶SNS広告
Facebook・Twitter・Instagram・LINEが主なプラットフォームになります。
特にFacebookは収益の98%が広告収入と言われています。
Meta広告の入札戦略ガイドが最近出ていたので興味のある方は見てみてください。

▶記事広告
記事広告は広告っぽくない広告ともいわれています。
NewsPicksに記事広告を載せれば、ビジネスに興味のある学生や社会人の多くの目に留まりやすいなど、特定のメディアに依頼する関係で、顕在層の認知を取りやすいのが特徴です。
幅広く認知を取りたいという人には向かないかもしれません。


▶動画広告
一番馴染みのある広告かもしれません。
動画の前後や中間に表示されるインストリーム広告とユーザーが再生する動画本編とは違う枠に表示されるアウトストリーム広告があります。
配信プラットフォームはYouTube、Twitter、Facebook、Instagram、LINE、TikTokなど様々です。

ここまでざっくり広告について説明してきました。
ここまで触れた内容は本当に序章にしか過ぎないので、もっと理解を深めたい方はGoogleのスキルショップや書籍、記事コンテンツなど様々なコンテンツを通してさらに理解を深めていただければと思います。


SNS系(インフルエンサーマーケティング)

SNS広告については既に述べたので、ここではインフルエンサーマーケティングに焦点を当てていきます。
インフルエンサーマーケティングは説明するほどでもないかもしれませんが、企業が自社製品の紹介をインフルエンサーに依頼して投稿してもらい、自社製品の認知向上や売上向上を目指すことを指します。

インフルエンサーマーケティングの成功のためには、ただフォロワー数が多いインフルエンサーに依頼するのではなく、直近の投稿の保存数やフォロワー数の男女比率などを考慮し、自社製品とシナジーをうめるようなインフルエンサーを選定する必要があります。

こちら事例記事ではありますが、インフルエンサーマーケティング成功の秘訣も書いてあるので非常に参考になると思います。

データ系

マーケティングを実施するにあたってデータの活用は欠かせません。
そんなデータには、店舗のPOSデータや、MAツールで取得できるメールの開封率などのアクティビティといったデータと、調査会社にお願いしないと取得できないような大規模なデータが存在し、その調査を代行する会社も存在します。

具体的な業務内容に関しては、データ系の事業をしている企業のサイトにも載っていないので詳しくないのですが、興味ある人はOB訪問したりググってみてください。

マクロミルのサービスページなど、参考になると思います。


いかがでしたでしょうか。
ここまでを通してデジタル/Webマーケティングに関する基礎知識が身についたかなと思います。
ただ、デジタル/Webマーケティングは情報の移り変わりが激しく、このnoteに書いている情報が半年後には変わってくるなんてことも全然あります。

なので、日々の情報収集が大事になってくると思うので、おすすめの情報メディアや書籍を紹介します。


オススメの書籍・メディア

マーケティング全般やWebマーケティングに関する情報収集をするうえでお勧めのメディアを紹介します。

PINTO!

株式会社PLAN-Bが、企業のマーケティング担当者向けにSEO、インターネット広告、Web改善に関するサービス・事例の紹介をしている情報発信メディア


ferret

株式会社ベーシックが運営している、「マーケターのよりどころ」をコンセプトとしたWebマーケティングメディア
記事コンテンツだけでなく、Webマーケティングに関する知識が学べる講座も充実しているのでおすすめ。

マーケティングネイティブ

株式会社CINCが運営している「マーケティング思考でビジネスをリードする」をコンセプトとしたメディア。
著名なCMOやマーケターのインタビュー記事が豊富で非常に勉強になる。

LANY

株式会社LANYが運営するブログ。
記事中でも紹介したが、SEO対策の教科書という記事が非常に分かりやすい。


マーケジン

翔泳社が運営するマーケター向け専門メディア。
デジタルを中心とした広告・マーケティングに関する情報が豊富でオススメ。


Hubspot

CRMツールを提供しているHubspotが運営しているブログ


Moz

シアトルとバンクーバーに拠点を置くSEOツールを提供している会社が運営しているブログ。
海外サイトにはなるがSEOに関する有益な情報が見れます。


Search Engine Journal

SEOやデジタルマーケティングに関する最新の情報を提供しているメディアになります。
非常におすすめです。


UX MILK

国内外のUX情報をお届けする、すべてのクリエイターのためのUXメディアになります。
こちらもおすすめです。


参考文献

USJを劇的に変えたたった一つの考え方 成功を引き寄せるマーケティング入門

マーケティング界隈で有名な森岡毅さんの著書で、マーケティングの入門書として非常におすすめです。

確立思考の戦略論

こちらもマーケティング界隈で有名な森岡毅さんの著書で、どちらかというと上級者向けの本になりますが、こちらもおすすめです。

マーケティング大原則

最近ファミリーマートの「ファミマル」などを仕掛けた足立さんの著書で、マーケティング全般の内容を網羅している本で、こちらもかなりおすすめです。

問題解決プロフェッショナル 思考と技術

今回のnoteでも紹介した「MECE」や「ロジックツリー」について書かれている書籍です。
マーケティングというよりはそもそもの基礎となる思考系の本です。
これもおすすめです。

SEO検定テキスト

5級から1級まであるのでまずは5級から始めてみてください。


マーケティングプロフェッショナルの視点

デジタルマーケティングの定石

具体的な話が多いので、基礎を理解した上で読むことをお勧めします。

デジタルマーケティングの教科書

マーケター1年目の教科書

漫画でわかるデジタルマーケティングの教科書

BtoBマーケティング偏差値

まとめ

ここまで約1万7千字と、かなりボリューミーなnoteに仕上がりました。
それでも本当に基礎の部分しかカバーできていないので、それだけデジタル・Webマーケは奥が深いということですね。

デジタルマーケやWebマーケに興味がある方と繋がって、互いに情報提供しながら同じデジタルマーケターとして頑張る仲間が欲しいみたいなモチベーションも一部ありながらこうやってnoteを書いている側面もあるので、ぜひTwitterなりFacebookでつながっていただけると嬉しいです。(「橋本裕太」と検索していただけると出てくると思います。)

また、ここまでの内容を通して間違いであったり、追加した方がいい内容などありましたら、個別にてご連絡いただけると大変助かります。
情報提供いただいたお礼として、希望されるのであれば、このnote記事に情報提供者・協力者としてTwitterアカウントなりを紹介させていただければと思っているので、ぜひともよろしくお願いいたします!

正直現時点でこのnote記事は不完全なので、また時間があるタイミングで再度更新してもっといいコンテンツを発信できるようにしたいと思います!

それといいね押していただけると物凄く喜びます!よろしくお願いします!


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