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キャズムを超えろ!awoo Japanのスタートアップノウハウ vol.01 〜海外製サービスの場合はビジョンもローカライズする必要がある〜

突然ですが、朗報です(誰に?)

2021年7月1日に行われたダイレクトアジェンダの「スタートアップピッチアジェンダ」という企画において、書類選考で選ばれた3社の中から、最終的に参加者の投票により、awoo Japanが「最優秀賞」を受賞しました!(88888888888)

ここまでくるのに、1年かかりました。

僕がawooに参画したのが2020年6月1日。本格的に日本で営業開始したのが2020年9月頃です。この約1年の期間を早いと捉えるか、遅いと捉えるか。色々な捉え方がありますが、僕としては早いという認識です。

もうここまで来たかと。思っていたより早いペースです。おかげさまで、噂が噂を呼ぶ状態を作ることができ、なんとか順調な滑り出しです。

ビジョンはマーケットと共に作る

ジョインして最初に僕が何をしたかというと、とにかくマーケットの声を聞き続けました。ステークホルダーの方達にオンラインでアポを取りまくって、ヒアリングに徹底しました。

聞いたことは、「我々のサービスをどう思うか」ではなく、「今どんな課題をもっているか」ということを聞き出そうと努力しました。我々のサービスの話をするとバイアスがかかってしまうため、なるべくフラットな意見を聞くようにしました。

メモを取り続け、録音してあとで聞き逃したところをしっかり復習し、マーケットの課題の共通項を見つけていきました。

この作業はサービスの訴求ポイントを明確化するために行ったアプローチですが、ビジョンはまだこの時点では固まっていません。awooの場合、すでに台湾でプロダクトを開発済みということもあり、日本市場用にそのプロダクトのビジョンを「後付けする」という作業が必要でした。

海外のサービスを日本にローカライズするときは、たいていそういう手順が必要になります。必要になるというか、それをしたほうが絶対にうまくいきます。

日本は独特のマーケットであるため、海外製のものをそっくりそのままのビジョンやサービスで落とし込もうとすると、必ず落とし穴にはまります。分かりやすい例でいうと、UBERが典型例でしょう。UBERは元々海外ではライドシェアのサービスです。しかし、日本ではライドシェアに対して法律や利権の問題で規制のハードルが高く、なかなか実現しません。そこで、みなさんがよく使っているUber Eatsをメインの業態としてプロットし、成功を収めました。

ということで、サービス開発元の台湾にはない、日本の今のターゲット市場の現状・課題に合わせたビジョンにアジャストする必要があったのです。

故に、ステークホルダーのみなさんからいろんな意見を伺いました。そこにフォーカスをあてて、とにかくアジャストできるビジョンを見つけにいくのが重要でした。

マーケットファーストなビジョンを獲得

いろんな方々から話を聞いているうちに、あるヒントにたどり着きます。それが「偶発的消費」です。

人の消費形態は3つに分類されます。自律的消費、他率的消費、偶発的消費の3つです。

「あなたがたのサービスは、この偶発的消費を促すサービスとも言えるね」

これを聞いた時、なるほど、と思いました。そしてすぐにその意味を調べました。すると、見事にこのビジョンが我々の特徴と合致したのです。

しかも、このビジョンを謳う競合もいません。ユニークだし、唯一無二のコンセプトにもなれそうだ!

そう思った僕は、いままでヒアリングした方々に、逆再生するように、「この偶発的消費というコンセプトはどう思うか」というのを再度ヒアリングしていきました。すると、一様にみなさん「面白い!」とおっしゃってもらい、その理由をディスカッションしていくうちに、いま業界が抱えているDXの大きな課題として認識するようになりました。

nununiというサービスのビジョン=DXの鍵をとく新たなキーワード

ここまでたどり着いたら、ビジョンの完成です。

ビジョンはとにかく、ある意味大袈裟でなければいけません。自分たちが何を目指すのか。それを目指すことで、何をもたらすのか。そのゴールを可視化することがビジョンです。ユニークなビジョンであるほど、サービス自体が際立つようになり、洗練されていきます。

かくして、「衝動買いをデジタル化する」という我々が今使っているビジョンに行き当たりました。

このコンセプトは、マーケットリーダーたちから色んな意見をヒアリングしたからこそ見つけることのできたキーワードです。つまり、マーケットファーストなビジョンを自分たちのサービスと繋げることができたのです。

このビジョンが固まるには8ヶ月くらいかかりました。

1~2ヶ月=ヒアリング

まずはヒアリングです。とことんマーケットの声、ステークホルダーの声を聞いて共通項を見つけ出します。ここで「偶発的消費」というキーワードと出会います

3ヶ月目=ビジョンの仮決め

偶発的消費を生み出すnununiというビジョンを決めて、ウェブサイトや販促物を作成していきます

4ヶ月目=再ヒアリングとPoCの営業活動開始

「偶発的消費」を掲げて営業を開始します。主にイノベーターを探すため、PoC顧客を探すための活動です。この時点では、うまくキャッチーな言葉で説明することがまだできなかったので、とにかく熱量高く、説明をしながら伝えました。

5~7ヶ月目=ビジョンの仮説検証

ある程度、このビジョンに共鳴してくれるクライアントと出会うことができ、実際に案件化・契約が始まります。この辺りから、自分のなかでこのビジョンが確信に変わっていきました。どんな人にきいても、このビジョンを少なからず求めていることがわかったからです。そして、実際に契約に結びつくことができることもわかり、自信をつけていきます。

8ヶ月目=ビジョン確定

ある程度PoC顧客も見つかり、マーケットの課題感ともマッチし、ユニークなツールとして認知され始めました。この頃から、徐々に「噂をきいて問い合わせした」という案件がぽつぽつと出てきました。植えた種から、芽が開いた瞬間です。

この時点で、今のプロセスが間違ってないことを確信し、ビジョンを確定させました。そして、「衝動買いをデジタル化する」というキャッチーな言葉も作ることができました。

次はアーリーアダプター層の発掘へ

vol1はここまでにしたいと思います。vol2では、イノベーターを発掘後、次にどうやってアーリーアダプター層を発掘していったかを書きたいと思います。

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