【#人変本 第2巻】どんな時も目の前の人を尊重しようと誓った本
人は一人ひとり異なった背景を抱えている。
そんなことを誰に対しても思うようになったのは、とある小説を読んでからです。
それは『池袋ウエストゲートパーク』で有名な石田衣良さんの著書『北斗 ある殺人者の回心』です。
内容は、両親から凄惨な虐待を受けて育った「橋爪北斗」という青年の、苦悩に満ちながら何とか見つけた希望さえも踏みにじられ、復讐に燃える人生のお話。
虐待を受ける側の地獄の日々。する側の苦悩。解放と次のしがらみの連続。信頼できる人との出会いと別離。詐欺師が壊すものと被害者の恨み。そして、復讐…
石田衣良さんの「現実と錯覚させる」かのような文章力により、ノンフィクションの物語を読んでいるような状態になります。
内容もページ数もめちゃくちゃ重い本です。
夢も希望もほとんどありません。
誰にでも手放しではオススメしません。
でも、主人公である北斗の生き様に触れることは、人に対する接し方を根底から見つめ直す機会になり得ると思います。
北斗の凶暴性も、世間では「バカ」とか「愚か」の一言で切り捨てられてしまうような行動も、こんな環境で育った人が自分の身を守るにはこう生きるしかなかったのだろうなと考えさせられます。
世の中には色々な人が溢れています。
道端ですれ違った明らかに非常識な行動をとっている人。話していて変なこと言うなぁと感じる相手。
昔なら「変なヤツ」という烙印を押してシャットアウトしていた人たち。
それも今では「こういう思考・行動をとるようになる環境で生きてきたんだろうな」と思い、ただその人の『個性』として捉えるようになりました。
合う合わないはあってもその人を否定して良い理由にはならない。目の前の人のどんな考えも尊重しよう。
読むだけでそんな信条を刻み、私の生き方を変えてくれた貴重な小説でした。
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