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AIはありかなしか

画像生成AIや対話型AIなどの界隈が騒がしいです。
特にChatGPTの登場以来、その脅威が実感されるに従って日に日に騒がしさが増している気がします。

技術革新による新しいツールに対してラッダイド運動的な極端な排除活動がいかに無意味なものであったかというのはすでに歴史が証明しているとおりです。

便所の落書きと言われたインターネットは今や生活に欠かせないものとなって、公民問わず全てのサービスを飲み込みそうな勢いですし、「こんなもん日本では普及しない」と言われたスマホで今このnoteをお読みになっている方も大勢いらっしゃることと思います。

行政機関の反応は…

もちろん様々ではありますが、方向性としては「活用の可能性を見極める必要がある」という姿勢が共通するところで、そのプロセスが違うという感じでしょうか。

ちょっと異質なところとしては、鳥取県知事が「ChatGPT使用を禁止」という割と強めの表現をされていて、議会答弁での利用を「民主主義の自殺」とまで表現されているのはなかなか強い嫌悪感が見られるなぁと感じます。
「泥くさいですけれども、地べたをはってでも集めた情報のほうに価値がある」ということも仰っておられますが、行政においてはどんなツールを使おうと生身の人間同士の関りということがなくなることはあり得ませんし、地べたをはって集めた情報があってはじめてChatGPTのようなツールの価値がでるんだけどなぁと感じるところではあります。

割と積極めな方々

埼玉県戸田市では、割と早い段階で調査事業を始めることを表明されています。「本調査研究事業の成果は、戸田市だけでなく、他の行政機関においても応用可能な知見となることが期待される」と書かれているとおり、戸田市がDXの分野においてアーリーアダプター的ポジションを獲得する意思を表明したということであろうと思います。

農水省は「すでに公開されているものについてChatGPTを使うことは問題ない」と判断され、eMaff利用マニュアルの文章作成や適切な修正作業に利用するという、ある意味実務バリバリの方向なのはさすがです。

神奈川県横須賀市では、自治体専用ビジネスチャットツール「LoGoチャット」にChatGPTのAPI機能を連携して利用するということで、ある程度の閉域の中で安全を守りつつ、積極的に職員がAIの利活用を試せる状況を作ったというところですね。

一次情報が見つからなかったのですが、神戸市では、「情報通信技術を活用した行政の推進等に関する条例」の改正をして活用の範囲と禁止事項を明らかにした上で利用という方向のようです。国の同法にそういった改正がされるかどうかは不明ですが、国と比べて軽やかに動け、かつ住民に最も近い地方自治体が先にルールメイキングを行っていくのは良い動きだなと思います。

まだよくわからない方面

横浜市は市長定例記者会見での質問に答える形でChatGPTに関して言及されています(33分25秒と40分46秒あたり)。

市長のスタンスとしては「いきなり使うことはリスクは高いが、世の中がそういった方向に向かっていかざるを得ないのも事実なので、利点と課題の整理を行っていく」という回答でしたが、統括本部より「現在は職員が勝手にChatGPTに接続できないようにフィルタリングしている」という回答をしたことが以下の記事タイトルに繋がっているようですね。

まずはスタンス表明から

個人的にも横浜市くらいのレベルのところが今は多いんじゃないのとは思いますが、今は結論ではなく姿勢を示していくことが戦略的に求められている気がしています。

行政でも民間でも「経営」という観点においてメリット・デメリットを見極めるのは至極当たり前のことです。
しかしながら、DXという組織改革への動きを行うと表明している組織が、「社会の一員として新しいイノベーションの創出に積極的に関与する意思があるという姿勢を示すかどうか」は、自組織の外との協働や共創を考える上では割と大事なことなんじゃないだろうかと思います。

そういう意味で自分のところを安全圏においておきながら、よそのところが苦労して作ったユースケースに後で乗っかって「いやーこりゃ便利だ」というフリーライド的態度を取るような組織には嫌悪感しかないので、今の段階でどんなことを言っていたかというのはのちのKPIのためにもウォッチしておこうと思う次第でありました。

おまけ

というようなことをChatGPTさんと話していたのですが、あちらの方が考え方が大人でさすがだなと思いましたw