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字書きとしての勉強4

 1つ前はこちら。(簡単に内容をまとめると「今初めて二次創作小説の長編を書いてて色々試行錯誤してるんだけどさぁ……」という内容の日記群である。小説を1本書く間にまさか4つもnoteを書くことになるとは思わなかった。)

 今回はもうすぐ校正や手直しだという段階まできたのでそれに関するぼやきというか呻きというか悩みを人に聞いてもらいたくて書く。
 校正というのは文章を直すことである(多分)。文字を増やすという工程が終わり、減らしたり書き換えたりする。第1回でも言ったように私の基準は「私が読みやすいかどうか」である。描写の重複はもちろん、読み返していてどこにいるんだこいつらと思わないかとか、テンポが悪くないかとかをガンガン直していく。

 ――のだがもうマジで長編ってヤバい!!!!!!語彙が消失するほどにヤバい。
 15,000字くらいの小説(しかもpixivでしか公開していないもの)であれば場面転換はせいぜい三度とかその程度だし、描写だって重なりにくい。同じ場所に行くことが少ないから場面転換の度に新しい文章が書ける。匂い、明かり、見え方、色、天気などだ。だが今回は家と学校を行き来するような話なので非常に難しい。行ったことがある場所について詳細を認識しようという働きは人間にはないのだ。壁の色は自明だし、明かりが太陽光かライトかも主人公はもう知っている。特に屋内なんて時間によって変わらないからほぼ書くことがない。クソすぎる。なんてハードな設定で書き始めてしまったのだろう。これも長編特有の課題なのだろう。もうひとつヤバいのがそれをどうにかすべく捻り出した描写も何度も繰り返し使う訳にはいかないということだ。

(例文)窓の外は暗く陰っており、昼間だというのに教室には電気がつけられていた。雨が窓を叩く音が響く。

 わりと好きな文が書けた。昼間、雨(大雨?)、教室ということが伝わる。その非日常感も少し伝わる。主人公はワクワクしているか、不安になっているかだろう。もしかしたら長雨に辟易してるかもしれないが、次の文で説明すればいい。でも次の章くらいの近さで下の文が出てくると微妙な感じになる。

(例文2)窓の外は雨が降っているわりに明るかった。校庭を覗くと傘をささずに下校する生徒もいて、傘を忘れた私は安堵する。

 これは傘傘うるさいからあまりいい文では無いが、まあこんな感じだ。教室、下校時間、雨(小雨)という描写だが窓の外ばっか見んな!と思わないだろうか。私は思う。そのため頭を掻きむしりながらこれの直し方を考える羽目になるのだ。それ以外の表現ないのか?という感じがする(もちろん無い!!!!!無いからこんなに喚きながら新たな表現を模索する羽目になっているのだ)。こうして数万字分表現を直していくのだ。気が遠くなる作業であることが伝わるだろうか。校正を後回しにしたおかげで過去一番早く文章を書くことができており、一日で5000字書いたりできているということも併記しておこう。ただ描写がクソ悪い。速度と引き換えなのだ。総合的に見れば多分校正を後回しにした今の書き方の方が早い気がするため今のところ後悔はない。この後に校正をし続けて私の心が折れなければだが。
 あと普通に例文2に関してなのだが「雨が降ってるわりに明るい」って主観的すぎる。分かるけどさ、みたいな。幼稚さを感じる。お前の話は聞いてないんだよという苛立ちすら感じる。でも「あ、もうすぐ下校時間なんだな」を間接的に表現するために傘のあるなしを言わせる以外の方法があまり思いつかない。手直しは難しい。

 あとはもちろん「〇〇した。〇〇した」の文体を直さなければならないし、私も具体的にどうキモイのかがわからないエリアも直さねばならない。さらに今回は紙に印刷もするつもりなので縦書きの文章として破綻しないか、ページめくりの位置がちょうどいいかもそうだし、改行がいいかもそうだし、アスタリスクによる章の移動がページの狭間に来ないかなども直さねばならない。(今自分の文章を確認したところ、そんなに描写が必要ないところにも描写を割いているために違和感があるということが分かったが、じゃあ鞄が急に湧いて出たら嫌じゃない!?というのもあってもうわからない。)

 私は私の文章のことが好きだから私が読めればそれで良いと思っているが、もちろん作者である私は先の展開を知っているし、何を意図して書いた文章であるかも知っているのである。なので気合いで脳味噌を初期化し読んでいくという特殊能力が必要なのだ。

とりあえず今は内容が詰められていない部分があるためまだ脳味噌を全力で初期化できず、効率が悪い。もう少し作業が進んだら全力を出そうと思う。その後コツが掴めたらまた書くかもしれない。誤字脱字はフリーの校正ツールやWordの検索機能に感謝しながら修正していこうと思う。人の技術、そして優しさに感謝。頑張ります。それでは。

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