『君たちはどう生きるか』の裏側、天才クリエータの苦悩を垣間みる
こんにちは。すうちです。
たまたま(途中から)ですが…
「ジブリと宮崎駿の2399日」を観ました。今回はその雑多な感想です。
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※タイトル画像:さおさん。さん
はじめに
君たちはどう生きるか
映画は今年公開されてから1週間後に観ました。
感想は他の方も賛否両論の意見があるように、私も「分かるようでわからない」「話が飛んで理解が追いつくのが難しい」というのが第一印象でした。
ただ、色んな方の考察を読むと13の積み木がジブリの作品数だとか大叔父は誰!?など、なるほどと思うことも多々あり「じっくり腰を落ち着けてもう一度観たい」と最近思ってた所です。
「ジブリと宮崎駿の2399日」を観て、さらに新しい視点や気づきもありました。以下、個人的に印象に残ったエピソードです。
高畑氏の存在
盟友高畑氏の存在が宮崎監督に大きく影響を与えていたと知りました。またお互い人間なので単純な言葉では言い表せない尊敬と嫉妬の念もあわせ持っているように思えます。
ジブリや宮崎監督にも大きな存在だった高畑氏が亡くなって、意見を交わしたり相談できない寂しさや、逆に高畑氏に頼らず一人でやり切ると言ったような宮崎監督の決意も「君たちはどう生きるか」の裏テーマにある気がします。
ちなみに、番組を観てた範囲では、別世界の大叔父は高畑氏と個人的に理解したのですが、それで合っているのか??
鈴木氏の存在
要所要所で宮崎監督を支える鈴木氏の存在も大きいと思いました。天才の存在はそれを横でサポートする人がいてはじめて成立するという話を聞いたことがありますが、まさにソレです。
実際、映画のプロモーションは事前に映像は公開せず、作品の情報を非公開にした鈴木氏の手法は話題になっていました。
やはり秀でた人は、一般の人と次元が違う考え方やこだわりがあるので、仕事やプライベートでも衝突することも多いのではないかと勝手に想像します。
鈴木氏は宮崎監督と外界のクッションの役割を担って、宮崎監督を陰で支えている存在に思えました。
特にドキュメンタリーの中で印象的だったのは、深夜に宮崎監督から「不安で眠れない」的な電話にも嫌な顔せず、ひたすら「大丈夫ですよ」「全然大丈夫ですよ」と励まし続けるシーンは二人の関係性を物語っている気がします。
老いと死の意識
宮崎監督は、現在82歳らしいです。また今回の番組タイトル「2399日」とあるように映画の構想から制作まで76歳から約6年半費やした計算になると思います。
この年齢になってもクリエータとして作品を作り続ける姿に驚きやスゴさも感じますが、番組の中で人間が避けては通れない「老い」や「死」を意識させるシーンもありました。
若い頃のように絵コンテやアイデアがまとまらなかったり、上手く描けなくなってたり、そこには天才ならではの凡人以上の葛藤もあるように思えました。
せっかく一度は仕上げた絵コンテを全部破棄する姿(勇気!?)も、凡人の自分にはとても真似できないです(私ならどこか使える所がないか、少しでも再利用したいと考えてしまう…)
私もそれなりの年齢になり、両親は宮崎監督と同じ世代だったりしますが、あらためて今後老いとどう向き合うか、残り時間を何に使うべきかをそろそろ真面目に考える時期かもしれないと思いました。
最後に
私自身は、普通の会社員として生活していますが、何かモノを作り上げるクリエータという仕事には憧れがあります。
ただ、作品を世に出すため命を削るような行動や作り上げる苦悩は、本だったり今回のドキュメンタリーなど間接的に知る機会がありますが、そんな姿を想像すると「とても生半可な気持ちではやれない」と思ってしまいます。
最後に番組で印象的だった言葉は、ジブリのスタッフの方が「宮崎監督はもうやらないと何度も言っているけど、たぶん何もしないではいられない」「また作ると思うしそれに期待したい」的なニュアンスを語られてました。
「君たちはどう生きるか」は宮崎監督の実質最後の作品と言われていますが、仮に長編でなくても短編でもどんな形でも、もし次の作品があるのであれば、ぜひ観てみたいと思ったひとりです。
最後まで読んで頂き、ありがとうございました。