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夢を歩く

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私のアニメ半生を綴ったエッセイ。
運営しているクリエイター

#エッセイ

夢を歩く #10

監督を始めてから、仕事内容が変わった。実作業を人に任せ、方針を伝えていく。 プレイヤーか…

Masako Sato
2年前
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夢を歩く #7

大きな仕事が来た。 「かぐや姫の物語」 14年ぶりの高畑監督の劇場長編だ。 コンテが描けて、…

Masako Sato
2年前
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夢を歩く #6

やってみると、意外とできた。 初のオープンエンドは反省も多かったが、こなせる量だと知った…

Masako Sato
2年前
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夢を歩く #5

「アニメの仕事ができて、嬉しいなあ」 客の少ない穴場の喫茶店だった。 「……え?」 目の前…

Masako Sato
2年前
6

夢を歩く #4

演出を始めたはいいが、戸惑う事だらけだった。 私がいたジブリは、デジタルになってもセル時…

Masako Sato
2年前
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夢を歩く #2

数ヶ月後、制作途中の面談があった。会社の会議室で、デスクが、アニメーターひとりひとりに制…

Masako Sato
2年前
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夢を歩く #1

アニメーターとして絵を描き始めて、10年。自分の引く線が気持ち悪くなっていた。 アニメは大量の絵を必要とする。アニメーターは、その大量の絵を準備する「作画」のパートで、速さが勝負の絵描きだ。 同じ絵柄を何枚も描く事で絵柄が身につき、また絵柄が身につく事で描くスピードが上がる。 絵を描く時に現実世界を見るのは基本だ。 ただし、同じものを見ていても、人によって見ているところは違うし、表現も違う。アニメや漫画に代表される「線画」は、描き手の認識が顕著に出る技法だ。 ここが近いと