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夢を歩く #6

やってみると、意外とできた。
初のオープンエンドは反省も多かったが、こなせる量だと知った。
これまでTVのお作法に戸惑っていたが、同じセルアニメ。基本的なところは変わらないと分かった。


11年も作画をやっていたのだから、基礎はできている。新人時代、詰め指示とシートの中枚数が違うだけで「ここ、どうすればいいですか?」とオロオロしていた気持ちも忘れていない。
後の作業がスムーズになるように、動画仕上げが迷わなくて済むように。
セリフ尺も細かく詰めていった。役者さんも音響さんも絵に合わせようとしてくれる。口パクのずれは、最終画面で目立ってしまう。短くても長くても対応できるようにした。


感謝される事もあった。
動画検査の方から、私が演出処理をやるとシートミスが少ないと言われたり、納品前チェックがすっと通って、製作委員会の方にまたお願いします! と言われたりした。


そうして、いつの間にか演出仕事が板についてきた。同時進行で掛け持ちもできるようになった。


子供の頃から漫画ばかり描いてた私が、今はコンテを描いている。
やってることは昔と変わらないな、とふと可笑しくなった。


あにめのしごとができて、
うれしいな。


眠い目であくびを連発しながら、夜は更けていく。



7へ続く。

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