散っても尚

画像1 コンビニで買ったもう何本目になるのか覚えてない一番安いビニール傘に挟まった桜の花弁。今日降った雨に落とされてもう散ってしまったのか、可哀想な奴。ラミネート加工された押し花のように見えた。簡単に終わりを告げられる儚い命と、死んでも尚美しい姿を、酷く羨ましく思った。美しい奴は死んでも美しいらしい。「お前は死んでもこうはなれないよ」という当て付けに感じてしまうほど、無機物にまで苛立ちをぶつけてしまう余裕の無さにうんざりする。可哀想なのは俺の方だった。

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