正解に至る道のり
こんにちは、本日はライトノベル作家の美鶴さんです。
物書き学校で添削されながら絶賛執筆中の西洋ヒストリカルが8割方、つまりは40000字ほど書き上がりました。やはり侯爵様のキャラクターが好きなんですよね。
前回の執筆録の後から大活躍したのが、敵役のお嬢様です。
私は悪役を書くのが苦手でして、気付けば作者好みの裏主人公やダークヒーローになりがちで、下手すればヒーローより格好いい悪役が出来上がってしまいます。以前から「結月さんの小説には悪い人がいないね」とよく言われておりました。
しかし、今回は悪役っぽい悪役にできたと思っています。
意識したのは「話の通じないキャラクター」です。
基本的に台詞でシーンを構築していく私の作品には、話が早い(むしろ早すぎる)キャラクターが多いのです。相手の考えていることは分かっているけどあえて意に沿わない(沿えない)悪役ポジションが、少なくとも私の目にはどんどん魅力的に映っていってしまいます。
そこを本作は、主人公サイドの事情や思考を全く理解できない「自分が絶対正義」と信じているお嬢様にしてみました。いや、面白いですね。
どうして自分の思い通りにならないのかとプリプリしているお嬢様、根はいい子なのだとフォローしてくれる存在もいないので強烈ワガママ娘になりました。更に暴走した時に止めてくれる人も、返り討ちに遇った時に反省を促してくれる人もいないので、最後までヒロインを逆恨みするしかできなくなりました。これはもう紛うことなき悪女です。
というわけで、敵役のお嬢様に関しては一切直しも入りませんでしたが、お嬢様のワガママを実行させられる使用人に関しては赤がありました。
本来モブになるはずのキャラクターなのに、ちょっと楽しくなって暗躍させたくなっちゃったんですよね。ネタバレにつながる部分なので詳しくは控えますが、大事なのは上手く悪女を断罪することだけなので彼には大人しくしてもらいました。
そして今書いているのは侯爵様のお母様……ヒロインとヒーローの着地点を示すある意味ラスボスです。
プロットでどうなるかはちゃんと決めているはずですが、そこに至るまでの会話に結構迷います。お母様のキャラクターも、特に考えていなかったので急遽お茶目にしようかとか、やっぱり厳しいかとか、本編が8割方終わっているくせにまだ探っています。
あとは章割ですね。今回は男性視点を入れたいと、章割を考えながらプロットを練っていましたが……先生には視点切り替えのポイントまで通じていなかったのでまたすり合わせが発生しました。
「うそ、プロットと相談しなきゃです」
「結月さんなら大丈夫ですよ」
……そんなわけないでしょう!
あと10000字、完成目指して奮闘します。
ちなみに、前作『妄想しがちな漫画家志望はイケメン御曹司と運命的な恋をする』でも話の通じない幼馴染みが登場しています。彼の場合ヒロインのことが好きだったので悪役というよりは噛ませ犬ですが……私好みではないということでは本当に新境地でした。