ホップ・テロワール

「今日、美味しいビール飲まない?」

嬉しいことや美味しいものは、一人でもいいけど
誰かと一緒のほうがより楽しめる。

私は飲食業に従事して、20年以上になるが近年、本を読むことが習慣になった。そのきっかけが林伸次さんだった。何とも共感を持てて、読みやすく楽しめたからだ。
そんな中、林伸次さんの投稿に『HOP TRAVEL』があった。今回はどんな物語が書かれているのだろうと期待に胸を膨らませて、スクロールしていく。

そこには、ある人のビールと恋愛の物語。とても丁寧な描写でいつも頭の中でバーカウンターのイメージが鮮明に浮かび上がる。どんな人がマスターと会話して、感じて表情を浮かべているか。
私はソムリエの資格を持っているが、そのビールについての説明はとてもわかり易く、醸造のこと、ビールの種類、その特徴を見事に表現されている。
「誰かにビールのことをお伝えるなら、こう説明しよう」そう思い、自分自身の知識も整理できた。

なんと言っても、ホップについての話は感銘を受けた。あまり身近な話題ではないので、「何となく知ってはいるけどよくは解らない」という方は多いのでないか。それをスーッと頭に入ってくるように書かれていた。
私個人としては、読みながらホップの香りを感じたというのが正直な感想で「あー、ビールが飲みたくなった」と喉を鳴らしていた。

喉の乾きを感じながらの、美味しいビール造りを求めての旅の記述は、まさに読みながら一緒に巡っているかのようだった。
それは、ビール、食事、人との出会いでグッと物語に引き込まれていく。ホップの聖地、ハラタウは歴史を感じ、人の暖かさを感じながら。目的を達成するには色々なルート(やり方)が存在する。その途中には様々な課題があるが、思いや情熱、信念といったものがあればたどり着け、結果が出るのだとそう思わせてくれた。

読み終えて顔を上げ、ふぅ~っと椅子の背もたれによりかかると気分はビール。
「夕飯作るから一緒に今日、美味しいビール飲まない?」そうメッセージを入れて送信。
「おけー」と返信が返ってくる。
素敵な気分にさせて頂いた、この物語に感謝。
幸せをシェアしよう。

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