さあ、電車を降りたところ

今しかできないことというのが、いくつもあるらしい。

選択を迫られる。
でも、選択していいかどうかさえ、決められない。

今、私はエスカレーターの前にいるのだと思う。
それは、とても長いエスカレーターなので、先が見えない。

仮に、上りのエスカレーターだとしよう。

隣に下りのエスカレーターもあるから、どんな人が降りてきたか見える。
上りのエスカレータはーは、3つもある。
どれも同じところにつくかもしれないし、どれかの方が短いかもしれない。
でも、ここからでは見ることができない。

まっすぐ歩いていくこともできる。
隣の階段を使って、苦労しながら、でもいつでも後戻りができる選択もできる。
きっと、エスカレーターの方が早いのだろう。

階段を登れば、きっと、乗ればよかったのに、と思われる。
きっといろんな人が私を追い越していく。

でも、彼らは自動的にどこかに運ばれていく。
それを彼らは選ぶことはできない。
行き先は選ぶことはできないが、階段より楽に登ることを選んだ人たちだ。

勝ち組かもしれない。
でも、エスカレーターだって、どこまでも上り続けるとは限らない。

階段なら、いつでも自分のペースで登れるし、いつだって戻れる。

エスカレーターで戻るというのはナンセンス。
降り立って危ないし、残念ながら前に進むことができない。

さあ、私。
どれを選択する?


この記事が気に入ったら、サポートをしてみませんか?
気軽にクリエイターの支援と、記事のオススメができます!
3
そのしま・たな 1993年生まれ。小説や詩を書いたり、時々絵を描いたり。