「びじゅチューン!」2曲連続放送のカップリングが思ってたのと違うことを叫びます!
「びじゅチューン!」のシングルCD(古っ)が出たという話ではありません。
昨年10月から、Eテレの番組「びじゅチューン!」の放送時間が変わり、しかもテーマを設けて2曲続けて放送されています。
私はわくわくしました。
いったい何と何が組み合わされるのだろうか。
きっとあれとあれ、これとこれ、妄想は膨らみます。
もちろん美術を紹介する番組ですから、ルネサンス期の作品とか、お知らせ画像にもあるようにルーブル美術館所蔵の作品、琳派つながりなど、美術の知識に基づいたカップリングもあるでしょう。
しかし「びじゅチューン!」には、別の楽しみ方もあるのです。
扱う美術作品のジャンルは違うけれどストーリーが続いていたり、登場人物が共通していたり、ある曲が別の曲のアンサーソングになっていたり・・・。
2曲放送開始当初は結構楽しみに、何のつながりで2曲がチョイスされたのか考えたりしていたのですが、年末のあわただしさとか、全作品の録画コンプリートが間近なため「この曲もう持ってる」的な油断とか、ぼ―――っと日々を暮らしているだとかそんなこんなで、気づけば2曲の関係性などあまり考えない日々になっていました。
けれど2月の末に3回、「びじゅチューン!」の特番が放送されたのをきっかけに、改めて2曲のカップリングが気になり始めたのです。
きっかけになった番組は「MIXびじゅチューン!」
今までの楽曲からテーマを決めて4曲を、作者井上涼さんと縄文土器先生ことナイツの土屋さんをMCにして紹介するものでした。
「西暦1500年をつなぐ」「春は地球にあふれてる」「シルクロードをたどる」というテーマで集められた4曲は楽しく、なるほど~とチョイスにも納得しながら興味深く見ることができました。
そして改めて、通常放送の2曲のカップリングが気になってきたのです。
で、10月からの2曲放送を振り返ってみると
????
なにこれ。
何つながり?
という組み合わせがとても多かったのです。
そして来週放送予定の「厳島ライフセーバー」という曲が、どういうわけか「武蔵の遅刻理由」という曲と組み合わされていることを知り、とうとう黙っていられなくなりました。
思ってたんと違う!!!
いったいなぜそこで組み合わせた?!
「武蔵の遅刻理由」には何の罪もないのですが・・・
「厳島ライフセーバー」には平清盛が登場します。
私の中で、もうそれは「おりがみのよりとも」とのカップリングしかありませんでした。清盛と頼朝、源平の合戦。
なのに「武蔵」?
大河もこんなに盛り上がってるのに???
清盛VS頼朝に比べれば、瀬戸内の島つながりなんて弱すぎ、屁のようなものです。
何だか「びじゅチューン!」に対する愛が足りなすぎる組み合わせではありませんか。
上に載せたお知らせ画像からも想像はするのですが、井上涼さんが番組編成にまでは関わっていないでしょう。当然ですね。
関わっていれば、きっともっと違う組み合わせになったはず(独断)
私の思い入れと思い込みが強すぎて、現実とのずれに耐えられない危ない人になってしまったのでしょうか。B'z の「LOVE PHANTOM」状態(かっこよさへの憧れ)
さて、私の脳内には、2回連続放送開始の記念すべき第1回目は絶対に「委員長はヴィーナス」と「プリマヴェーラに家庭訪問」の組み合わせだったし、2回目は「風神雷神図屏風デート」と「夏秋草図屏風デート」だったという、ゆるぎない確信ががありました。
だって「委員長~」は記念すべき「びじゅ」第1回作品だし「プリマ~」は100作目の記念作品です。そしてどちらもヴィーナス委員長が主役です。
また「風神~」と「夏秋草図~」は同じ屏風の表と裏についての連続ストーリー、「びじゅチューン!」を代表する作品ですなのですから。
そして自信満々、それでも念のためと、この記事のために過去の放送を井上涼さんのTwitterから調べたのです。
すると、なんということでしょう!その2組の取り合わせが放送された形跡は一つもなかったのです!!
大丈夫だろうか、自分。
まぼろしぃ。
そして、嘘でしょ?「びじゅチューン!」
NHK的には、美術番組だしアート作品の特徴に重きを置きたかったのかもしれません。しかしその観点でも謎が多すぎます。
敢えてもう一度言います。「びじゅチューン!」愛、足りないんじゃないの?NHK。
では改めて、10月からの2曲放送の組み合わせを見ていきましょう。
放送の日付、放送された順に2曲のタイトル、最後の( )は私の組み合わせについての評価と理由です。
納得のいかない組合わせについては、下に理由及び「こうあるべき」という独断と偏見のダメ出しを載せておきました。
「びじゅチューン!」2曲連続放送、カップリング一覧
10/5 「ひまわりがお掃除しちゃうわよ」「アルルの訳あり物件」
(納得 ゴッホの作品、アルルの黄色い家の出来事)
10/12 「縄文土器先生」「ひとり縄文会議」
(納得 縄文式土器、歌詞係が両方遮光器土偶)
10/19 「ダンス寿司」「窯変天目ディスコ」
(え~ダンスつながりぃ?)
10/26 「海の幸チューン」「レーサーはゴーギャン」
(不満)
11/2 「鶴下ウェイ」「通勤フロム山水長巻」
(不満)
11/9 「転校しないで五絃琵琶」「博士、それ象牙多層球ですよ」
(・・・アジアの工芸品かなぁ)
11/16 「竜田川にフタをする」「敢えて湖畔」
(不満)
11/23 「龍虎旅館」「鮭ミラーボール」
(うーむ・・・)
11/30 「猫の手もアダムの手も借りたい」「お局のモナ・リザさん」
(納得 ルネサンスの巨匠競演 ミケランジェロ VS ダ・ヴィンチ)
12/7 「 ナルキッソス天気予報」「1500年のオーディション」
(うーん・・ナルシストつながりかなぁ)
12/14 「貴婦人でごめユニコーン」「地元が快楽の園」
(不満)
12/21 「ツタンカーmail」「プロポーズはラスコーの洞窟で」
(大納得 さゆりちゃんと伊藤君の物語 こうでなきゃ!)
12/28 「バベルの塔にカフェOPEN」「雪中のフォーメーション<山>」
(納得 ブリューゲル父の作品)
1/4 「夢パフューマ―麗子」「ツイスト出産」
(いやぁ・・・)
1/11 「小面の休日」「審判はフリーダ」
(マジ?)
1/18 「サグラダ・編みリア」「ラス・メニーナス、開演前」
(一応納得 スペインを舞台とした作品だと井上さんのTwitterより)
1/25 「老猿は主役じゃなくても」「指揮者が手」
(納得 高村光雲と高村光太郎父子)
2/1 「ひそひそと、秘儀の間で」「テュルプ博士(はくし)の参観日」
(激しく不満!!)
2/8 「Walking!ニケ」「スパイゴッデス」
(納得 古代ギリシャ彫刻)
2/15 「崖のぼり、のちキス」「民衆を温泉に導く自由の女神」
(えっっ? もはやお手上げの関連性)
1/22 「スタイリングbyキトラ」「ナスカの地上絵、微生物」
(一応納得 古代遺跡つながり?)
3/1 「真珠の耳飾りのくノ一」「何にでも牛乳を注ぐ女」
(納得 フェルメールの作品)
3/8 「火消しが来りて笛を吹く」「人を真似る瓶」
(納得 マネの作品)
3/15「厳島ライフセーバー」「武蔵の遅刻理由」
(不満 理由は上記の通り)
不満かそうでないかで言うと、「まあいいけどぴんと来ない」というものもありました。それらも含め全部に文句をつけているときりがないので、特に「それは違うでしょう」という組み合わせを中心に、いちゃも・・・私なりの意見を述べていきたいと思います。
「海の幸チューン」「レーサーはゴーギャン」
「レーサー~」はアルルの黄色い家でのゴッホとのいざこざが関連しています。「ひまわりがお掃除しちゃうわよ」はそのいざこざが取り上げられ、まさにこの曲のゴーギャンが登場しているので、やはりそこでしょう。大体「海の幸~」との組み合わせ、どういうつながりだかよくわからないのです。
「ひまわり~」は納得の「アルルの訳あり物件」とのカップリングで、ゴッホつながりは強いのですが、「レーサー~」を「ひまわり~」と組ませた場合、余った「アルル~」は、同じ不動産屋のお兄ちゃんが登場する、同時代印象派の「私たちが削るべきは床」と組み合わせてはどうでしょうか。
またもう一方の「海の幸チューン」も、鉄板の組み合わせがあります。
主人公の二人は因縁の二人、決して結ばれることはないと思わせておいての海辺デート!理由は「真珠の耳飾りのくノ一」を見れば分かります。この2曲を組み合わせないという選択肢はあり得ません(二重否定)。
「くノ一」はフェルメールつながりも納得はしているのですが・・・
11/2 「鶴下ウェイ」「通勤フロム山水長巻」及び
12/14 「貴婦人でごめユニコーン」「地元が快楽の園」
「通勤~」は、主人公まりえちゃんの地元のお話。そしてその地元のお話はさらにディープな続きがあるのです。
共通の歌詞「のどかな地元を愛してる」をつなぎにして「地元が快楽の園」へと続き、まりえちゃんの地元の本当の姿が明らかになります。衝撃です。
組み合わせるなら絶対この2曲!「通勤」と「地元」でお願いします。
さらに「貴婦人~」と「地元~」、ヨーロッパというつながり以外、時代も場所も違っていったいなぜこの2曲なのかよく分かりません。架空の生き物が出てくるからでしょうか(それはちょっと納得かもw でも「びじゅチューン!」的ツボを外している気がします)
「鶴下ウェイ」が巻物だというなら「続いては、信貴山の石橋さ~ん」だって「鳥獣戯画ジム」だって巻物ではないですか。
「竜田川にフタをする」「敢えて湖畔」
日本の水辺?あまりに安易な組み合わせでありましょう。
「竜田川~」の作者、尾形乾山の兄、尾形光琳はなんと「びじゅチューン!」内で最多歌詞係を務め、つまりそれだけ光琳の作品は「びじゅチューン!」で取り上げられているのですから、あんまりよくわからない取り合わせよりここはひとつ、ストレートに尾形光琳・乾山兄弟のカップリングでよくないですか?美術の知識的にも。
「夢パフューマ―麗子」「ツイスト出産」
考えに考えた末、「我が子」というテーマを思いつきましたが、果たしてそうなのでしょうか。ひねりが効きすぎています。
「ツイスト出産」はインドのお話なので、例えば「LOVEタージ・マハル先輩」と組み合わせるとか、「夢パフューマ―麗子」は日本の近代油絵なので、上で取り上げた「敢えて湖畔」と組み合わせるとか、もっと分かりやすいのがあるでしょうに。
「小面の休日」「審判はフリーダ」
これも考えに考えた末、「女性の顔」に焦点を当てたのかなぁと、何とか理屈をつけてみましたが分かりずらい組み合わせです。
「審判~」には「びじゅチューン!」ワールドの登場人物がたくさん出るので、彼らが主役の作品と組み合わせればいいのに。
「小面」はちょっと取り合わせが難しかったのですが、が女の子二人の休日のお話なので、例えば「姫路城と初デート」の谷君と姫路城ちゃんのデートを取り合わせるなんていかがでしょうか。
「ひそひそと、秘儀の間で」「テュルプ博士(はくし)の参観日」
大不満です!!
「ひそひそと秘儀の間で」は「睡蓮ノート」のアンサーソング。
「ひそひそと秘儀の間で」には「睡蓮ノート」!
この組み合わせ以外ありません。
ボッティチェリ高校に通う仲良し3人組の、揺れる乙女心に秘められた友情のお話、別にしていいわけがないでしょう。
「テュルプ博士~」は巨匠レンブラントの作品。美術的にいかようにも取り合わせられるではないですか。カラヴァッジオの「ナルキッソス天気予報」なんてドンピシャです。
また「びじゅチューン!」的におすすめなのは、「焔のお習字教室」、
主人公の小学生とライバルのクラスメイ子ちゃんのその後が「焔~」で描かれて微笑ましい(?)のです。
「崖のぼり、のちキス」「民衆を温泉に導く自由の女神」
関連性がよく分かりません。
元の美術作品も同じ美術館に収蔵されているわけでもなく、時代も違うし、絵が扱うテーマに共通点があるとも言い切れないし、難しすぎます。
それならぴったりの取り合わせは何かと聞かれると、何がどうとも言えないのがまたもやもやしますw HPが減ってきたのかもしれません。
きりがないと言いながらやはり長々と語ってしまいました。
それでも足りずに、納得はしたけれどほかの組み合わせもあるのでは?というものを書いておきます。いい加減にしたほうがいいですね自分。
「スタイリングbyキトラ」は古代墳墓。「兵馬俑ウェディング」との組み合わせはいかかでしょうか。
「火消しが来りて笛を吹く」の主人公は火野家。火野家が登場する他の作品(「夏野菜たちのランウェイ」「噴火する背中」など)との組み合わせもありでしょう。ちなみに主人公の一家の苗字が火野さんだと分かったのは「焔のお習字教室」の中でした。
4月にはまた番組の改編で、「びじゅチューン!」の放送時間も変わるようです。2曲を連続して放送するのかどうかまでは分かっていません。
出来れば続けてほしいと願っています。
そして、「びじゅチューン!」全曲とはいきませんが私の中ではまだまだ希望のカップリングがたくさんあります。
その希望カップリングについても熱く語りたいという願いは抑えられるでしょうか。
「びじゅチューン!」に対する熱い心のマグマの噴出が止まりません。
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