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「びじゅチューン!」愛すべき歌詞係たち【9】 仕事人


Eテレの番組「びじゅチューン!」、その画面の隅で人知れず仕事をしている歌詞係にスポットライトを当てる企画、第9弾です。

「びじゅチューン!」の歌詞係は、扱われているアート作品の作者が務めていることが多いのは、まあ当然のことでしょう。
彼らはざっくりまとめてしまえばアーティスト、今風に細かく名付ければ画家、絵師、彫刻家、工芸作家等々ということになるのでしょうが、いずれにせよ技術のある人、手に職を付けた職人でもあるのです。

そういった人たちが歌詞係として、カードをチェンジするとき、その技術をいかんなく発揮していることがあるのです。

分かりやすく、木を彫ったりろくろを挽いたりする人たちは以前ご紹介しましたし、最後にもう一度載せておきます。

しかし今回取り上げる歌詞係は実に渋~く、人知れずこだわりの仕事をしている人たちです。

まずはこの方。

「Walking!ニケ」の歌詞係


誰?何をしているの?

答えは修復師。バラバラの状態で発見されたサモトラケのニケを修復した人です。バラバラの歌詞カードを修復したうえで歌詞を表示しています。

動画ではほとんど何をしているのか分かりませんが、よく見るとものすごくきちんとした仕事をしています。修復が完成した時のドヤ!な表情も納得です。

サモトラケのニケは作者が分かっていません。
それで、彼女の姿を現代によみがえらせた修復師を歌詞係に選んだのでしょうが、その人選も渋ければ彼の地道な仕事っぷりも渋い、いぶし銀の歌詞係です。

お次はこの方。

ビッグネームです。

ランチは地獄の門の奥に」のオーギュスト・ロダン


曲のモチーフ「地獄の門」には、かの有名な「考える人」も含まれています。

ロダン御大、カードチェンジで何をしているかというと、ブロンズ像である地獄の門の作り方をそのままなぞっているのです。

(株)松美堂のページを参考にブロンズ像の作り方をざっくり書くと、①オリジナルの粘土型から石膏の型を取り、②さらにその型から鋳型を作ります。
③その鋳型に、溶かした銅を流し込み、④冷えたら鋳型をばらして外し、⑤出てきたブロンズ像を仕上げる、といった流れ。

ロダン先生、白い鋳型のようなものをパカッと割って中からブロンズの歌詞カードを取り出しています。
鋳型は白いのか私は知りません。白いので石膏型かな?とも見えますが、そこはほら、表現の簡略化などもあるのではないでしょうか。

とにかく、ブロンズ像の製造方法で歌詞カードを次々と新しくしていく、さすがの仕事をしているロダン大先生なのでした。


以上お二方は、特に渋い仕事をこなす、ザ・仕事人でしたが、もう少し分かりやすい方々もちょっと紹介しておきましょう。

「月曜日モンスター」のジョルジュ・スーラ

一応画像でラストの完成作品も載せましたが、動画でご覧いただくのが一番かと思いますw

点描の人です。
だから点描で歌詞カードを書いています。大変そうです。
仕事人です。


ダンス寿司」のアンリ・マティス

マティスは線の単純化、色彩の純化を追求した結果、また晩年の体力の衰えにより、絵画でなく切り絵の手法を用いるようになったのだそうです。
Wikipediaより
それで歌詞カードをハサミで扱っているのですね。

いやそんなことより曲の破壊力がすごいというご意見には返す言葉もありませんし、そんなことをおっしゃるならコーラスバージョンをぜひご覧いただきたい。破壊力は5万倍ぐらいになっています。

「ザパーンドプーンLOVE」の摺師

浮世絵の摺師ゆえ摺っています。
この人も動画でご覧いただきたいです。
曲の冒頭から摺ってます。
ね?すぐだから。ちょっと見てあげてw


その他、冒頭でも触れましたが、下の記事でも今回取り上げなかった職人気質の仕事人を3名ほど、ちょっと取り扱っているので良ければお読みください。


仕事人たちに、アニメではほとんどわからなくても、渋くきちんと仕事をさせる「びじゅチューン!」
楽しみは尽きません。ふふふ・・・


「びじゅチューン!」全作品はこちらから




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