びじゅチューン! 私的極小ネタ図鑑 #22
「鶴下ウェイ」 (↓リンク)
補修教室の黒板の上に掲げられた額の言葉は
「合作」
元になったアート「鶴下絵三十六歌仙和歌巻」は、俵屋宗達と本阿弥光悦のコラボ作品ゆえに。
まあ、ほんとにそれだけの事。極小ネタである。
巻物の絵を俵屋宗達、文字を本阿弥光悦。詳しくはこちらを。
あれ?びじゅチューンでは「鶴下絵三十六歌仙和歌巻」となっているけれど、所蔵元の京都国立博物館では「鶴図下絵和歌巻」と、だいぶ名称が違う。しかし同じもののはず。ネットだと、びじゅチューンの名称の方が一般的のようだ。
黒板に書かれた「和歌にワクワク☆」もツッコミどころか。
♪ ♪ ♪ ♪
2021年2月の新作だけれど、今まで放置していたのは登場する先生の変貌ぶりに心が付いていかなかったから。
最初に見たときは、
似てるけど絶対別人!ボッティチェリ高校の古文の先生の薫陶を受けた弟子が、別の高校で恩師のような教師になるべく奮闘中、でも若さゆえ悩みもあるのだ、
と、訳の分からないストーリーを脳内に構築したほど、受け入れがたかった。
今ではだいぶ落ち着いて、やはり同一人物か・・・と観念、というかうにゃうにゃ・・・
私の中で、ボッティチェリ高校の古文の先生は元気いっぱい、古典教育に情熱を燃やす女性の先生だった。
しかし今作ではどうだ?!
放課後の教室でJK相手の古文の補習最中に、鶴下ウェイの不思議に誘われ、あろうことか生徒を置き去りにして和歌を、ことによると月までも追って行ってしまいそうになっているではないか。
教える情熱より、和歌の世界に身を委ねちゃってる。
そして何より、どう見ても男性。
髪型もだけれど、体格や首から肩、腰にかけての体のラインもだいぶ「睡蓮ノート」の頃とは変化した。
どうした先生?!
「鶴下ウェイ」のラストシーン、黄昏時のサービスエリアで「帰ろうか 進もうか」とものすごく危うい人生の岐路に立っている感じだ。
帰ってこい、先生!!
このまま進んじゃったら、鶴の道に乗って和歌とともに月まで行ってしまいそう。はかなく消えないで!!
思わず熱くなってしまった。
まあ、ヘアスタイルはショートになったけれど、相変わらずエリマキトカゲのようにぶあっと顔周りの髪の毛が持ち上がる(コロッケのモノマネににも髪の毛がパカッと持ち上がるのがあった)し、何なら今まで秘められていたヘリコプターのように空を飛ぶスペックも明らかにされたりして、
やはりこれは、同じ古文の先生かと、時とともに受け入れられるようになってきた。
元々「びじゅチューン!」には性別がよく分からない人物は出てきたし。
最新作「書記に必要なギャルの精神」を見ても、(株)ジョコンダの人々の絵柄もだいぶ変化しつつある。
Beforeの、森本林さんは「特急三日月宗近」、モナ・リザさんは「お局のモナ・リザさん」から。
人間そういつも元気いっぱい、自分の道を突き進む!みたいな時ばかりではないからね。
あんなに情熱を持った先生だって、時には心ここにあらずなこともある。
私的極小ネタ図鑑のマイルール
・DVDBOOKの中で井上さんが触れられていることは取り上げない。解説はDVDBOOKも参考にする。
・登場人物は他の作品にも様々出るので、基本的には取り上げない。本当に一瞬のチラリ登場は、うれしすぎて取り上げるかもしれない。
・すんごくみみっちいどうでもいいことを中心に取り上げる。
びじゅチューン! 全作品はこちら↓
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