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【フィンランド ヘルシンキ編】ヨーロッパ周遊一人サウナ旅に行ってきたので、サ旅計画中の同志に向けてまとめてみた

2024年6月に9泊12日でヨーロッパ周遊一人サウナ旅をしてきた。
旅の全体像は概要編に譲るとし、ここでは1ヶ国目に訪れたフィンランドのヘルシンキで訪れたサウナの感想を中心に、サウナ旅を計画している人向けの情報をまとめる。

サウナの概要と感想

ヨーロッパ周遊サウナ旅の全体像

サウナ旅の始まりと終わりは本場フィンランド。
1日目、10日目、11日目の3日間で、ローカル感満載なサウナ、観光客向けのサウナなど様々で、5つのサウナを回った。
本格サウナーは②、現地の文化を感じたいなら⑩、観光メインなら⑫がおすすめかな。

①Allas Sea Pool(アラス・シー・プール)

左が入り口、右がととのいスペース

初日AMに来訪した、ヘルシンキ中心街、観光地ど真ん中のサウナ。観光フェリー乗り場のすぐ隣で、サウナ室から船の人に手を振れる。反対側の隣には観覧車もある。

更衣室は男女別で水着着用スタイル。
施設の大部分を混浴エリアが占めており、サウナが大小1つずつ、ととのいエリア、プール、カフェラウンジスペースがある。
男女別エリアも存在し、4-6人程度の小さいサウナもある。

最初に男女別の小サウナへ。温度自体はあまり高くなく、最上段でも80度程度だったが、ロウリュするとかなり体感温度が上がる。
フィンランド式のロウリュは少し雑にやると聞いていたので、週4でサウナに通っていると言っていたフィンランド人の常連客の真似をして投げるようにロウリュをする。本場を肌で感じられてとても楽しかった。
十分体が温まったら、バルト海から水をひいている水風呂へダイブ。深さ1.8mで足がつかないので、終始顔上げ平泳ぎ。水温は20度弱と心地良く、すいすい気持ちよく1-2分泳ぎ、体が良い感じに冷めたところで、ととのいを確信。

隣がクルーズ船通るので、エリア内に水をひいている

外気浴スペースはとても広く、インフィニティチェアが30-40個ほど並べられており選び放題。寝っ転がると同時に鼓動がドクドクなり始め、あっという間にととのった。
数分でととのい時間を終えて、あたりを見渡すと、目の前に広がるのはヨーロッパの建物、バルト海とクルーズ船、近場の小島など日本では体験できないような景色で、わざわざ本場フィンランドまで来てサウナに入っているという事実を再認識し、とても満足した気持ちになった。

引きでサウナ側を見るとこんな感じ

次は混浴の大サウナへ。20-30人ほど入れる特大サウナで、特大の電気サウナストーブが真ん中に鎮座していた。面白かったのが「ロウリュボタン」で、座面近くにいくつか存在するボタンを押すと、スチーム状の水が出てロウリュができる。70-80度と低めだったのと、ライトな観光客が多くてロウリュ連発する雰囲気でもない。湿度も低めで、温まりきらずに出てしまった。

最後は混浴の小サウナへ。6-8人程度の小さなサウナで、作りとしては男女別サウナとほぼ一緒。
ドイツ在住インド人の医者と仲良くなり、15分くらいずっと話していた。新しく入ってくる人も観光客が多く、交流の場という感じでとても楽しかった。

午後もあるので3セットでフィニッシュ。観光地からのアクセスも良く、サウナのレベルも高い総じて大満足のサウナで、良いサウナ旅のスタートが切れた。

おすすめ度:★★★★☆
場所:ヘルシンキ中央駅から15分
サウナ:大1小2で70-90度。ロウリュし放題。
水風船:バルト海
外気浴:広々でととのい椅子無限
料金:18€(土日22€)

②Cafe Kuusijärvi(カフェ・クーシャルヴィ)

シックな受付入口。入って左がサウナ、右がカフェ。

初日PMはヘルシンキ中心街からバスで40分ほどの田舎街にあるサウナへ行った。ここはスモークサウナと湖のダイブが有名。
スモークサウナサウナとは、伝統的なフィンランドのサウナの一種。煙突のないサウナ室をサウナストーブに薪を燃やし、その煙をサウナ室内に充満させることで暖め、換気してから利用する。これにより、独特の香りと柔らかな熱が楽しめるのが特徴とのこと。(私も知らなかった)
通常のサウナは新しい薪や電気でサウナ室を温め続けるが、スモークサウナは長時間かけてサウナ室を温めるので、準備に時間がかかる。
このため、Cafe Kuusijärviのスモークサウナがオープンするのは13時からなので要注意。

受付で13ユーロを支払い、男子更衣室前行ったら無法地帯。慌てて更衣室前のセキュリティボックスに貴重品を預けた。

男子更衣室は無法地帯

男子シャワー室横に電気ストーブのサウナが2つ。大きめの方に入ったが天井がとても低い分、ロウリュをするとあっという間に熱い蒸気が下りてくる。

スモークサウナは大が1つと小が2つ。
大サウナは喉が焼けるほどスモーク臭かった。真っ暗でロウリュの場所が見つからず、湿度も低めだったので、なおさら喉がきつく、温まり切らずに出てしまった。

大サウナ

気を取り直して小サウナへ。6-8人程度の部屋に1人。意を決してロウリュをしてみると1杯入れただけで熱すぎて屋外に退避。一瞬何が起きたかわからなかったが、サウナストーブの強さが部屋の広さに見合ってないからだとわかった。スモークサウナの巨大サウナストーブの威力恐るべし。おもしろ体験ができて大満足だった。

小サウナ2つ

施設内に水風呂はないので、外に出て湖にダイブ。周りは森に囲まれており、大自然に向かって体を冷やしながら顔上げ平泳ぎをするというまたもや体験したことない幸福感を得られた。

湖に続く橋


スモークサウナ入って気持ち良い、湖を泳いで気持ち良い、大自然で大ととのいで気持ち良い。気持ち良いのフルコンボ。この旅でこのサウナは超えられないんじゃないかと寂しくなるほど良かった。

ととのい中のベンチからの景色

おすすめ度:★★★★★
場所:ヘルシンキ中央駅から40分
サウナ:電気ストーブ2、スモークサウナ3。体感温度はロウリュ次第。
水風呂:大自然の中の湖
外気浴:ベンチたくさん
料金:13€(スモークサウナ利用時)

⑩Sompasauna(ソンパサウナ)

メインのサウナ室

4ヶ国回った後に再びヘルシンキに戻ってきた10日目。
初日にはハードルが高くて行けなかった、無料の公衆サウナに向かった。
ここは現地のボランティア精神で成り立っているサウナで、廃小屋に勝手にサウナストーブを持ち込んだところから始まり、賛同した人たちが協力しながら運営されている。日本政府だったら黙ってない。普通にカルチャーショック。

このサウナに行く時はGoogle Mapsは信用しちゃダメ。
Google Mapsだと最寄りのバス停から離れたところで降ろされて、無駄に歩く羽目になる。HSLというフィンランドのアプリでルート検索しよう。公共交通機関に乗る時にも便利なので、ダウンロードはどちらにせよすることになると思う。

到着して目に入ってきたのはサウナ小屋が3つと薪が置かれている小屋があるだけのオープンな空間。更衣室は全く無く、サウナ小屋の間のスペースにタオルをかけるフックがあるので、そこでみんな着替えていた。
手作りの貴重品ロッカーはあるものの、南京錠持参しないと鍵をかけられないので要注意。


薪小屋

3つのサウナは現地人が無限にロウリュをしている。2つは温度低めでゆっくり温まることができたが、1つは激アツで1分も入ってられなかった。
水風呂はバルト海。手作りの階段を下りてダイブする。6月のヘルシンキの海はまだ冷たく、15度くらいとちょうど良い温度で最高に気持ち良かった。


バルト海にダイブ

ととのいスペースでは勝手に持ち込まれたピアノとギターで音楽を奏でながら歌っている人、ピチピチのTシャツを来て特殊なダンスをしているマッチョ、持ち込んだお酒で交流をしている人など、とにかく自由。
自由に使って何が悪い、これが俺達のサウナだ。と現地の人達が言っているような気がした。

おすすめ度:★★★★⭐︎
場所:ヘルシンキ中央駅から30分
サウナ:3つ、内1つは激アツ
水風呂:バルト海(15度くらい)
外気浴:あり
料金:無料

⑪Eurohostel - Helsinki(ユーロホステル ヘルシンキ )

ホステル入口

共用バスルームの格安ホステルで朝限定で無料で使えるサウナ。
男女別の全裸スタイルで、温度も天井も低めのフィンランド式。
ロウリュすれば結構熱くなるので、イキって現地人ばりにロウリュしまくった。
あまり清潔感はなく、水風呂も外気浴もなかったが、連日のサウナ慣れもあり普通にととのった。
ホステルで一人旅の観光客が多いので、交流の場としては良いかも。

ホステル自体は中心街に近いし、部屋は簡素なものの清潔だった。
6月の土曜日で10000円程度だったので、フィンランドにしては良心的。
一人旅の宿としては悪くない選択肢だとは思う。

おすすめ度:★⭐︎⭐︎⭐︎⭐︎
場所:ヘルシンキ中央駅から10分
サウナ:1つ、70度くらい
水風呂:なし、水シャワー
外気浴:なし、ロッカールーム的な場所のベンチ
料金:無料(宿泊者かつ朝限定)

⑫Löyly Helsinki(ロウリュ・ヘルシンキ)

外観

2016年に開業されたばかりのモダンなおしゃれサウナ。EDM系の音楽が流れた施設内はおしゃれかつ超清潔。更衣室は男女別だし、水着着用の男女混浴スタイル。公式サイトから事前予約(2時間制)が必要なので要注意。時間帯によっては早めに売り切れるらしい。男子ロッカーの数的に男性は38人までだと思う。

サウナは全部で4つあって、いずれも温度は低く、ロウリュ前提。
屋外のガラス張りサウナからはバルト海を一望できて超おすすめ。

屋内の2つのサウナはロウリュの難易度が高くて、テコの原理で蓋を開けて、ゴルフのドライバーくらい長い柄杓を使ってサウナストーブに水を入れる必要がある。その後5秒間待って、サウナ室内に蒸気を充満させてから、蓋を閉めるところまでがセット。
ここは観光客が多く、誰もやらなかったので、先陣切ってロウリュをすることが多かった。おまけに置いてあったヴィヒタの使い方を見せながら、「使ってみなよ」と押し売りまでする始末。
毎日ヨーロッパのサウナに一人で入る生活を11日続けていたのもあり、すっかり現地に染まった自分がいることに気づく。

屋内のリラックススペース

バルト海で体を冷やした後は、大量にととのい椅子が置かれた外気浴。
購入した現地風サウナドリンクのロンケロ(ジンベースのカクテル)を片手に、フィンランドの町並みや海を見ながら旅の思い出を振り返っていた。

ロンケロとガラス張りサウナ

めちゃくちゃ良いサウナで最後に来れて良かったけど、ローカル感は薄め。同じ枠の70-80人のうち、15人程度が日本人だし、観光客が半数以上を占めていそうな感じだった。
ライトサウナーがヘルシンキ観光に行く場合には、このサウナをおすすめするかな。

おすすめ度:★★★★⭐︎
場所:ヘルシンキ中央駅から20分
サウナ:4つ、70度くらいだがロウリュ次第
水風呂:バルト海(15度くらい)
外気浴:ととのい椅子多数、バルト海が一望できる
料金:25€

(番外)Kotiharjunsauna(コティハルユサウナ)

時間の都合上、訪れることはできなかったが、もう一つ行くとしたらここに行きたかった。
どうやらヘルシンキ最古のサウナらしい。ヘルシンキ中央駅から20分弱とアクセスも良い。
行っていない私からは感想を伝えることができないため、参考になるリンクを張っておく。気になる人は是非行ってみて欲しい。

(番外)SkySauna Helsinki(スカイサウナ・ヘルシンキ)

観覧車の一室がサウナになっている、サウナ大国ならではのぶっ飛びサウナ。1時間の貸し切り利用で240€とお値段もぶっ飛び。
4人までは同一料金だし、今後複数人で行くなら絶対に訪れたい。

おすすめのホテルエリア

宿泊するならヘルシンキ中央駅付近がおすすめ。ヘルシンキのサウナは中央駅からならどこでも大体アクセスが良いので、無理なく荷物を置いてサウナに向かえる。
「ヘルシンキ大聖堂」や「Helsinki Market Square」にも近いので、観光にも便利。
ただ、予算の都合で中央駅から徒歩圏内に泊まることは難しい場合は、トラムで数駅行った場所とかでも問題ないと思う。(私もそうだった)

前後の予定で飛行機に乗る予定、翌朝のフライトが早い、とかであればヘルシンキ・ヴァンター国際空港周辺でも良いかも。

フィンランドの感想

最後にフィンランド全体の感想をまとめてみた。
何より今回の旅のテーマであった、サウナの発祥地に来られて大満足。

  • サウナ

    • 天井低め、温度低めの作り。ロウリュで体感温度を上げる前提になっている。

    • その代わりにロウリュはガンガン。ローカルになればなるほど現地人の激しいロウリュを味わえる。

    • 基本的には水着着用で混浴スタイルが多め。

    • 交流の場としての位置づけでもある。サウナ室内でおしゃべりOK。お酒をサウナ室内に持ち込んで飲んでいる人達もいた。

    • 大自然の湖やバルト海に飛び込むサウナが多かった。

  • その他(観光、街並み、食事、物価など)

    • 観光地は全然ない。ヘルシンキ大聖堂も割としょぼめ。サウナ以外だと、マリメッコやイッタラなどのお買い物、後は食事かオーロラを楽しむ感じになると思う。

    • 街並みの雰囲気は良い。ヨーロッパの可愛らしい街並みと自然が共存しており、人も少ない。お散歩していて楽しかった。

    • 食事も美味しい。特にサーモン料理がお気に入り。トナカイの肉は固くて個人的には微妙。

    • スーパー(S-Market)で買ったサーモンクリームチーズの惣菜が意味わからんくらい美味しかった。買ったら最後、昼から公園でビール片手に飲まずにはいられないレベル。1日目に出会えたので帰り際の最終日にも同じことをやってしまった。

    • 物価は高すぎ。Market Squareで食べたサーモンスープが11€(2000円弱)でビビった。サイズは大きめの御椀くらいでパンなし。

    • 緯度が高いので、6月は昼が超絶長い。夜23時に日が沈んで、朝3時には明るくなっていた。冬は真逆でずっと夜だから要注意。

    • そして寒い。6月でも朝晩はウルトラライトダウン+マウンテンパーカーでちょうど良いくらいだった。夜寒すぎて初日から風邪をひいたので本当に気をつけて。

    • 治安も良いし人も優しい。店員さんの接客も丁寧だった。

お気に入りのサーモンクリームチーズの惣菜

国としてはとても気に入ったので、またフィンランドには訪れたい。その際は、サウナ発祥の地「タンペレ」でのサウナにも行きたいし、冬に訪れてアヴァント(サウナ後に凍った湖や海に飛び込むこと)やオーロラを見る体験もしたいなあ。

2ヶ国目はチェコに行ったので、良かったら読んでね。
フィンランドは盛りだくさんだったけど、残り4ヶ国は半分くらいのボリュームなのでサクサク読めるはず。

概要編はこちら。


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